ナンダカンダ云って、こんなハナシしちゃうワケ | 逍遥録 -衒学城奇譚-

ナンダカンダ云って、こんなハナシしちゃうワケ

こんばんは。さて今夜は「Under the Sun」 の話題です。
「Under the Sun」ってな、前の衆院選の後「コレじゃマズイんじゃなかろうかな……?」って思ったブロガァの集まりで、やってるコトと云えば、思い思いを記事にして寄せ集めて「こんなコトもあるんじゃないかい?こんな風に考えるコトだってできるよ」って意見の発信をしてきたワケだ。
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週2ぐらいのペェスで参加メムバがコラムを書いてるんですが、今月9日の記事でいつも鋭い言葉で世の中を両断する「Les Chemins De La Liberte'」 のKikyoさんが、いつにない悲観的な記事 をつづっています。


>まず私情を述べれば、「政治」への関心を急速に失いつつある。
>市井的な社会問題や子どもを取巻く悲惨な状況に対しては、今も変わらず怒り/哀しみという本能的感情が湧き上がってくるのだが、政治屋ならぬ大根役者どもが飽きもせずに演じ続けている三流茶番劇に対しては心底辟易しており、失笑よりも前に渇いた溜息しか出てこないのである。「芸能ネタ」と同等の価値しか持たぬ此の国の「政治」など論ずる値打ちもなく、虚無に陥る一歩手前の嫌悪感のみが私自身の裡に澱み続けている。

>此の国の「政治」は、つまるところ「色と欲とカネ」で全てを語り得るのであろう。



確かにまともな神経の持ち主なら、ここ数ヶ月の与党も野党も含めて、政治と呼ぶにはあまりにもお粗末な茶番劇を目の当たりにして、ウンザリしないはずはないでしょう。
その茶番劇を演じている大根役者諸氏が、仮にも大勢の信託を得てその地位を獲得した(はずの)、日本の舵取り役なのですからなおさらです。
おそらく「何でこうなんだ、コイツらは……」って言葉しか出ないのではないでしょうか。


>失笑よりも前に渇いた溜息しか出てこないのである。


とKikyoさんが嘆息したように、正直に云うと、ボクなんかも少々ウンザリしてます。
国民の多くが自公与党に対して不信任を突きつけたはずなのに、一体何が変わったんだろうか?……と。
ホントだったらもっと大切なハナシがあるのに、つまらないネタしか垂れ流さないメディア。
焦りに似た気持ちが、多くの人たちの中にあるのではないでしょうか?


>腐蝕した免罪符を振りかざし、もとからカネを浪費しない「政治」など有り得ないなどと己らの無智無能/無策ぶりを公然と晒す。
>覇権国家に薄気味悪い“色”目を遣いつつ、「国民」から毟り取ったカネを軍資金として盤上の戦争ゲームへと湯水の如く浪費する。妄想で膨れ上がった盤面の敵/テロリストに対して睨みをきかせるという愚劣パフォーマンスによって、馬鹿な「国民」が目を奪われている其の隙に、己の懐中へと掠め取ったカネを捻じり込む。莫大な献金/賄賂が転がり込む従順なる大企業には税金を優遇し、明るい未来など望むべくもない大衆からは血の一滴まで搾り取る。

>……色と欲とカネ。エゴイズムの謳歌。すべてを、この手に。
>なんと馬鹿馬鹿しい「世界」であることか。



……苦しい言葉だと思う。
真剣に見詰めているからこそ、醜い部分が眼に入ってきてしまう。
いっそ何も考えずに、ただ世情の傍観者であればずっと気も楽だろう。
実際そんな具合に、どこか諦めて「政治なんてどうせ汚いモンだ。誰がやったって同じさ……」とうそぶいて、自分だけ世の中のコトを理解してるふりをするヤツだっている。

そりゃボクだって、世の中すんげぇ汚いコトもあるって知ってるし、生きにくいコトだってある。

だけど……と思う。
ボクらが実際生きてるこの場所ってな、楽園じゃないんだよ。
アダムとイブが楽園を追放されたって、彼らは生きていかなきゃならなかった。
彼らがそうであるように、ボクらもまたこの世界で生きてかなきゃならない。
どんなにキレイに生きていきたくたって、霞を喰って生きていくわけにはいかない。
ただ諦めたって諦めなくたって、世の中は動いていくし、ボクらだってその流れの中にいるワケだ。
逃げるコトなんてできやしない。
それが現実だし、ボクらは現実の世界の住人だ。

そして……それでもなお、世の中は少しずつでもよくなってると考えたい。
少しづつでも、ほんのちょっぴりでも、それでも間違いなく。

たとえば薬害肝炎訴訟問題も、本来なら“侵略”支援法とでも位置づけるべきテロ特措法も、防衛庁での一連の犯罪行為も、従来なら表に出てきたかどうかすら怪しいとボクは考えます。
薬害肝炎訴訟など、和解の勧告など国が受け入れたかどうかすら怪しい。

これら一連の動きは、やはり先の参院選で野党が過半数をしめたコトが大きいと思うのです。
与党とソレにつらなる諸々が、枢機のベールで覆い隠してきたモノに陽の光を当てたのは、まがうことなく有権者です。
舛添厚生労働大臣。
口先だけのパフォマンスしかしない彼のコト、ホントは大嫌いだけど、ただのパフォマンスだって、何もしないよりはマシ。
その彼のパフォマンスを引き出したのは有権者。
参院選の結果があったから、彼がやらざるをえなくなったんだよ。
ほら、選挙って大事だよね。
そもそもねじれ国会なんて、いかにも野党が問題をこじれさせているように聞こえますが、ホントは有権者の声が届いていなかった今までの国政の方がねじれていたにすぎないと思います。
民主主義……なんて言葉を持ち出すのは恥ずかしいですが、為政者に置き去りにされてきた本来の主権者が、ようやく求め得られたはずのモノを手にする機会を取り戻したとも云えるんじゃないかな?

ここしばらく、ボクたちをとりまく政治情勢は混沌として、どうなるかまったくわかりません。
そんな中でそういったコトをじっと見据えつづける行為は、溜まった水をザルで掬うようなものかもしれませんね。
もうイヤになってザルをほうり捨てたくなるコトもあるかもしれませんが、それでも掬いつづけなきゃ水はあふれて、ボクらはおぼれてしまうのです。
だからね、ボクらが持ってる目の粗い、安モノのザルだって、手放しちゃダメだと思うのですよ。