手指の捻じれと歪みのレポ | 基礎整体講座PRO

基礎整体講座PRO

品川区大井町にて開催されるプロ向けの整体勉強会です。

Since 2009.5.3

講師の宮崎です 

今回は、先日セミナー時に説明させていただいた「手指の捻じれと歪み」についてのレポを書いていきます 


分けて説明した方が良いですかね・・・。
ちょっと文章が長くなってしまいました。
分けてもリンクが面倒なので、まとめて書きますね。


 なぜ、指の歪みを正さないといけないのか?

まず、一般の方なら肩こり・頭痛・肘の痛み・手根の痛み・手指の痛み・手の痺れや違和感・神経の興奮(交感神経優位)・冷え性・猫背・呼吸が浅くなる・・・などなど多岐に渡る症状の原因となるからです。

手技療法家であれば、施術に適さない指の緊張・指の捻じれが発生して血流が低下。
更に、血流低下による触覚の感度の低下・技の精度の低下に繋がります。


臨床においては、上肢に限らず末端で歪み等の原因で締まっている状態では、施術後に元の状態に戻りやすくなってしまいます。
力が逃げない構造となるので、施術効果が維持出来ないんですね。

こちらは、上級者コースに進んでいただいた受講生の方には、説明してあると思います。


 指が歪む原因

手指は、非常に使用頻度が高く、脳とも密接に連絡しあっている部位です。
つまり、原因は多岐に渡り、人によって、仕事によって様々かと思います。
突き指や裂傷なども、いつやったか関係なく、防御反応として残っている場合があります。

脳にストレスを受けても、脳と手の関係性や、手の対立機構により手根が締まるので、施術は比較的難易度が高くなります。

また、基本的に手の末端の血流が低下していると考えられるので、心臓から指先までの血流のルートを確保する必要があります。

すると、どこを検査して、どこを施術して、どのような効果が出ればいいのか見えてくる訳です。


 どのように手指は歪むのか?

指には、それぞれ関節があります。
MP関節・PIP関節・DIP関節ですね。

細かい考え方なのですが、この関節それぞれ全てが雑巾を絞るように捻じれて短縮しているとイメージすると分かりやすいかもしれません。

そして、手の平(中手骨の間)にも筋肉の癒着があり、指の歪みと連携しています。
手根のアーチも狭くなり、固まっている事が多いですが、これも連携して緊張しています。

緊張は連携して、効率的に緊張しているんですね。
もちろん、連携するのは全身の緊張です。

ここから分かる事は、手指の緊張が極端に強ければ、対処次第で他の部位の緊張にも大きく影響を出せるという事です。

また、大ざっぱに歪みを捉えると、イラストのように考える事が出来ます。

指を、四角柱の骨組みだとイメージすると指腹の骨組みのどちらかが短縮しているとします。
短縮してるのは、赤と青のラインです。
すると、短縮している骨組みがどちらかによって歪む方向が決まってきます。
赤のラインが縮めば、赤の矢印の方向に回るという事です。

これは、あくまで大ざっぱな考え方ですよ。

対処としては、短くなっている方の骨組みの角の緊張を崩します。
今回は、それであっさりと捻じれがニュートラルに近くなりました。


 実際の臨床例と考え方

さて、ようやく今回のセミナーで実際に行ったK先生の手の評価と施術です。

ブラジリアン柔術で、手首に違和感があるとのことでした。
見たところ、手根が緊張しすぎてアーチが減少し、橈骨との位置関係が悪くなっています。

これは、単純に手根の歪みの力が強すぎただけのようなので、数十秒で圧力を均等にして改善。

しかし!
ベッドに手の平を付けてもらうと・・・。

示指(人差し指)の爪に注目してください。

親指側が欠けています。
しかも、両手とも同じ。

そして、手の平を見ると、示指と中指の付け根に、皮膚の硬質化が見られます。
これも両方。

聞いてみると昔からのようです。
根本的に何故こうなったのかは、私にも分からず・・・ですが。

しかし、これだけ情報があれば、色々と分かってきます。

まず、両手とも示指が他の指より捻じれて短縮している。

爪が欠けている事により、指で掴む動作の際に一定方向へベクトルが掛かり続けたと考えられるのです。
爪は指先に力を入れるのに、必須である組織だからです。

この偏った爪の状態により、真っ直ぐに指を曲げる事が今まで出来なかったはずなんですね。

そして、結果としてイラストの方向に両方の示指が回旋。

この状態で施術し続ければ、示指と中指の付け根がわずかに突出し、押圧時の皮膚の刺激が多くなります。

その継続した刺激により皮膚の硬質化が起こったと考えるのが自然かと結論しました。

施術は指先を施術して、手全体を整えて終了。
実技の内容は、講座に参加していただければお伝えしますね。

今回は、特殊な例かと思いますが、こういったアクシデントは大歓迎です。
先日参加した皆さんも、思わぬ経験が出来て良かったですね。

セミナーは、参加者全員で作るものです。
今回のように、横道にそれるので。
しかし、メインの内容はしっかりやっていきます。

これからも、参加者に合わせて柔軟に指導させていただきますね。

参加の皆様、お疲れ様でした。