今日は脂肪由来幹細胞の少々おカタイ？お話ではありますが、
幹細胞を用いた脂肪注入での豊胸をお考えの方にはひじょうに
有用な情報かと思いますよ。
というのも、最近、とてもエキサイティングな研究論文
が発表されました。
内容は簡単に申しますと、
脂肪から幹細胞を抽出するシステムのうち、市場に
出ている４製品について、幹細胞の「量」や「質」
を含めてズバリ比較検討を行った、という論文です。
南カリフォルニア大学のAronowitz JAらによるものです。
この論文は医学雑誌PRSの最新号に掲載されています。
PRSとは正式にはPlastic and Reconstructive Surgeryといって
形成外科領域では世界的に最も権威のある一流医学雑誌です。
PRS vol.132 issue 6, 2013
さて代表的な４製品とは、
１. PNC's Multi Station
クリーンベンチ内で幹細胞の抽出を手作業で
行うもの
２. CHA Biotech社のCHA-STATION（韓国製）
３. Medi-Khan社のLipokit with MaxStem（韓国製）
これは、いわゆる「コンデンスリッチ」として
知られているものですね。
４. Cytori Therapeutics社のCelution800/CRS System（米国製）
これは、言わずと知れた、私たち聖心美容外科で
使用している「セリューション（セルーション）システム」
ですね。
抽出し得た幹細胞を含む再生細胞の数（「量」）としては
それぞれ1gあたり
、
セリューションが241,000個
Multi-Stationが107,000個
Lipokitが35,000個
Cha-Stationが5,000個
と、セリューションシステムからが圧倒的に
たくさんの
脂肪由来幹細胞が抽出できるという結果が。
また、新鮮な状態（いかに活性型の細胞であるか）の細胞では、
その表面に、CD31-/CD34+/CD45-などの表面抗原マーカーという
物質が強く発現することが知られています（難しくてゴメンナサイ）。
その特性を利用して、それぞれの製品から得られた細胞がどのくらい
活性化された状態であるかについても比較検討されています。
さらに、活きた幹細胞があるのならば、血管（内皮細胞）にも分化
できるはずなので、どれだけ分化するかについても評価されています。
要するに、「質」についての評価ですね。
上のグラフはこれはCD31-/CD34+/CD45-細胞の発現をみています。
一番右側がセリューションで、他と比べると高発現です。
このグラフは内皮細胞の発現をみています。
右端のカラムがセリューションによるものですが、
他を圧倒しているのが明らかですね。
あと、ものすごく大事なことなんですが、脂肪組織内に
含まれている幹細胞を抽出するには、酵素処理という
ステップが重要なのですが、最終段階で酵素が残存している
と安全性が大きく損なわれます。
そういった残存酵素がどれだけあるかを比較したのが下の
グラフになります。
セリューションでは残存している酵素は限りなくゼロに近いです。
一方、Lipokitはかなり酵素が残ってしまうという結果が出ています。
以上の結果から、セリューションシステムは他の製品と比較して
「量」・「質」ともに圧倒して優れているということが、あらためて
明らかになりました。それは、つまり安全性、正確性に優れていると
いうことではないでしょうか。
もう一つ特筆すべきことは、この研究が、独立した施設での
研究（南カリフォルニア大学）であり、かつ利益相反（利益関係が
予想される特定の企業との関わり）が厳正に管理され透明性が確保
された研究であるということです。
つまりセリューションのCytori社が出資した等という研究ではない
ということです。
正直、ここまで他を圧倒しているとはびっくりですが、
あらためてセリューションの良さを認識できて嬉しい限りです。
今後も、自信を持ってセリューションシステムによる活性型幹細胞
を用いた脂肪移植を皆様にご提供してまいります。
というわけで、前置きがひじょーーーーーーーーーーーーうに
長くなりましたが笑、最後にモニターでお受けになった患者様を
ご紹介いたします。ご協力有り難うございます。
40代女性 術前
術後2ヶ月
授乳により痩せてハリがなく下垂したお胸が、若々しいハリのあるバスト
になりました。
今後も、質の高い医療を提供できるように頑張ります。
本日は長々お付き合いいただき、感謝申し上げます 笑
よろしければボタンをクリックいただけると幸せです。
