国際恋愛に苦戦

奥田英朗の『マドンナ』を読んでいる。四十男が、妻子ある身で部下に片思いし、夢想するだけの話なのだけど、一見クールを保っている40過ぎのいい男でも、こんな下らないことで日々を楽しんでいるのかと思うと、嬉しくなってくる。
アメリカに来てしばらく私の夢想は止んでいたが、最近になってまた再発してしまった。相手は、娘のホッケーリーグのパパで、Facebookで調べたら、名前はRobbieと言うらしい。グレイズ・アナトミーのDr.Linkをもう少し素朴にした感じで、先週、娘と彼の息子の着替えが隣同士になったのを機に、あっという間に夢想が始まってしまった。
離婚に踏み出せない私は不倫、Robbieは一人息子を持つ男やもめ、という設定なのだけど、それがどうにも恋愛に進展しない。ホッケーの送迎シーンからなかなか抜け出せない。身勝手な夢想だから、身勝手に展開すればいいものを、ここでも言語の壁が邪魔をするのだ。私の英語は相変わらず片言だし、彼が日本語を話すこともなく、夢想なのに会話は挨拶止まり。なかなか進展しないから長く楽しめそうだけど、実現不可能なこと(恋愛も言語習得も)は想像すらできないのだと実感した。

納得できない子供の頃のルール

毎食時、牛乳を飲まされていた。マグカップ1杯。おそらく250～30㎖くらいはあったと思う。給食は200㎖の瓶の牛乳を飲んでいたのし、朝昼晩本当に牛乳しか飲めなかった。文句も言わずに飲んでいたけど、正直好きじゃなかったなあ。大きくなって欲しい親心だろうけど、結局大して大きくなれなかった兄と私。飲み過ぎで、すっかり牛乳嫌いの大人になってしまった。大した結果が出せなかったのに、同じことを娘に強いる。彼女もまた牛乳嫌いになりかけている。

リスニングスキル

iPhoneでNBCテレビの動画ニュース見ている横で、耳だけ傾ける娘。ニュースが終わるや、首を横に振って‟No～”とジェスチャーした。マスクなしもソーシャルディスタンシングなしもダメだと言って怒っていた。画面を見ていないのに、よく理解している。ニュースレベルならリスニングはばっちりのよう。自粛が長いけど、とりあえずは何とかなってる。

I don't careは禁止

アメリカの子供たちの会話を聞いていると、「I don't care」という言葉をよく耳にする。エドシーランとジャスティンビーバーの曲にもなっているI don't care. “私は全然気にしないよ！”という感じなのだけど、娘がアメリカ人を真似てI don't careを連発する。髪がボサボサだと指摘しても、足が臭いと言っても、部屋を片付けろと𠮟っても、いつもI don't care. スライム触った手を洗ってきてと言っても、もちろんI don't care. 気にしないと言われても、その手を放置されてはこっちが気になるんです！とつい声を荒げてしまう。
あんまり言うので、とうとう夫が「I don't careは人を成長させない」と言って娘にキレてしまった。人から指摘されたことを気にしないで放っておくのは、自分も成長できないし、周りを不快にもさせる、らしい。素直に受け入れてcareしなさいと怒っていた。普段怒らない夫が真面目に怒っていたので、さすがの娘もその時はうつむき加減で黙って聞いていたけれど、殊勝なのはその時だけ。親の顔色を伺っては、やっぱり娘は相変わらずI don't careを連発する。

学校再開は難しい

4th of July(独立記念日)後、1週間の休暇を置いて、世間が何やら動き始めている。私の言う“世間”は娘の学校がもっぱらで、ちっぽけなものだけど、昨日から教育委員会や学校からアンケートが届く。通学やマスクについての聞き取り調査。今日届いたのは失業中かどうかの内容だった。医療保険に加入しているのか、している場合はその種類まで聞かれた。今のところ、週2通学、週3ホームスクーリングで話は進んでいるらしいけど、間違いなく揉めているな。ロサンゼルスの公立学校が、新学期を完全オンライン化したことはどう影響するだろう。コロナと学校。悩むなあ。

ダイバーシティ

お友達とうまくいってなくて、空元気な娘。親として放って置くことを自分に課す代わりに、2体目の人形をつい買ってしまった。突然のサプライズが嬉しくないわけがなく、「Adopted party」をするんだと言って喜んでいる。娘のベストフレンドも中国から来たAdopted(養子縁組)で、マイノリティの彼女たちは、初めて会った時から、急速に求め合った(恋愛？)ような気がする。
白人か黒人で迷った娘だけど、かなり迷って、2体目は黒人に決めたよう。白人のお人形が可愛いなんて教えたことないのに、どうして白人に手が伸びるんだろう。アジア人の人形は置いてなかったけれど、アジア人だけ売れ残っているのも、見たくない。それにしても、Adopted partyをしたいなんて、すっかりアメリカナイズされている。

No mask=トランプ派？

アレビアのママに新学期の通学をどうするか聞いたら、まだわからないと悩んでいた。彼女はパートタイムだし、時間にある程度余裕があるのに、わざわざ危険を冒してまで娘を学校にやることはないか。ふんふんと聞いていたら、コロナも怖いけど、マスクがね、と言い出した。Face mask feeling uncomfortable. マスクが快適じゃないのも悩む理由の一つだと。
マスクが息苦しいのは分かるけど、とりあえず今現在はマスクが一番の予防策なはず。というか、マスクしかない。快適じゃないからという理由を前面に持ち出されると、一瞬、あなたも共和党？って思ってしまう。やっぱりトランプ派なのかなと疑って、その後はあんまり話が耳に入ってこなかった。No mask=共和党というのは安直だけど、マスクしかないのに、頑なにマスクに反対するアメリカ人を見ていると、そうなのかなあと疑ってしまう。昨日だったか、トランプ大統領も公務で初のマスク着用したわけだし、息苦しいなんて身勝手な理由を持ち出さないで、もうちょっと人のことも考えてほしい。

Pill for birth control

パンデミックになってから、食料の買い出しは夫の役目。ついでに、スーパーに併設された薬局に、月一でピルも受け取りに行ってもらう。
初めて受け取りに行った3月末、「ピルでは通じなかった」と苦戦して帰ってきた。Pill＝錠剤だもんね。何の？と聞かれたらしい。Pill for birth controlと教えてから、今日で受け取り6回目。さすがにスムーズに受け取れるようになったらしいけど、まさかの半年、外出自粛。

Girl drama

あと1時間足らずで38歳になるけれど、問題は私の年齢ではなく、娘のこと。
今日、ベストフレンドの誕生日会に呼ばれて行ってきたけれど、思ったほど楽しめなかった娘。ずいぶん前から楽しみにしていたのに、行ってみたらそれほどでもなかったらしく、2時間のうち、1時間は顔が怒っていた。わたしの一番はアリビアなのに、アリビアの一番はわたしじゃなかったと言ってへそを曲げる。誰の一番になれなくても、間違いなくあなたは私の一番だけど、それだけじゃ、まだ愛は足りないのかな。先週お泊り会をしたアドレンとは、ケンカ別れしたまま音沙汰がなく、メールを送っても返事がないのも気になっている一因みたい。
38歳になったって、女のいざこざからは抜け出せないのだから、仕方ない。これから長く長ーく付き合っていくこの問題、英語ではGirl dramaと言うけれど、悩んで、人生から逃げ出さない程度に苦しんで、うまくやっていくしかない。
Youtubeで“Girl drama”を検索したら、How to deal with Girl Drama(対処法)がいっぱい出てきた。国は違えど、悩みはみんな同じ。見守るしかない。けど、気づかないふりしてiPhoneを眺めていても、画面の文字はちっとも頭に入ってこない。