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2004年11月~2010年3月の記事は


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2012年02月23日 12時04分02秒

灰色の水曜日

テーマ:ブログ
「ああ、今年もやってきたんだな」
地球が1周。

それは毎日のことなんだが。
昨日だって1年前の昨日から1周。
あしただって。

それなのに考えるのはいつもこの水曜日。
クリスマスでも、
独立記念日でも、
自分の誕生日でも、
元旦でも、
サンクスギビングでもなくて。
ハロウィンであろうはずもなく。

春の訪れをどこかで予感してる、
そんな気持ちのときだからか。

水曜日は午後から外に出る。
今日も、今年も。
先週も、来週も。
エレベーターを降り角を曲がる。、
365日のめぐった実感が身体をすりぬけていった。
ゆっくりと。

室内灯に照らされた顔。
「んっ?」
異相か?
いや額だ。
ああ水曜日か。



ニューオリンズではマルディグラの真っ只中。
リオやトリニダード・トバゴにはまだ祭りの熱が立ち込めてるだろう。
そういえばトバコが大好きでとうとう住み着いてしまったMさん。
今日は誕生日のはず。
2のゾロ目、いやでも憶える。
オメデトウ。

日中15度まで上がりコートの下で汗をかく。
そのせいかな。
あの人も、この人も。
灰で描かれた額の十字架がどこかおかしい。
汗でにじんでる。

灰で描かれた十字架。
Ash Wednesday
灰の水曜日。
灰色の水曜日。



そんな灰色の水曜日の朝。

ブラインドに映る人影。
何をしてるんだろう。
ぼんやり動くシルエットはどこか幻想的だ。
子供のときに見た影絵のように。

庭の向こう。
こちらに背を向け並ぶビルが作リ出す壁の中。
あかりの灯るのは影絵のブラインドだけ。

昨夜の余韻をひきずってるのか。
それぞれの宴の。

このエリアは朝寝坊が多い。

黒い窓の奥でほんのわずかの睡眠をかじる。
暗い窓。
半分だけ開かれたカーテンの下。
ロンゲの猫が今朝も庭を見つめている。

「!?」
静止した風景の中では動きは増幅されていく。
黒く長い非常階段だ。
薄明かりの中、目を凝らしてみるとやはり。
止まってはまた動く。

うちの猫くんだ。
庭に向けて跳ねるように下りてくる。
昨日誕生日を迎えたハナP。

3年前のあの夜。
やはり非常階段からウチへ上がってきた。
仔猫。

小さな足で。
1段ずつ。
板に抱きつくようにして上がりながら。
頭に去来していたものは何だったんだろう。

恐怖に好奇心が打ち克ち、
そして出会った。

後を追うように、
次から次に猫くんが現れるようになり、
今では4匹がウチで暮らす。

ゴロゴロ寝転んで。
ゴロゴロのどを鳴らす。

そんなハナPがまだ明けぬ空の下を歩く。



その窓に気づいたのは3日前のこと。
いや厳密に窓の跡というべきた。

斜め前のビル。
2階の3つある窓の真ん中。
コンクリートに塗り固められていた。
白い壁面に浮かぶもう2度と開くことのない窓。
壁になった窓。

それはなぜか白色ではなく、
ペパーミント・グリーンに塗られている。



秋の頃にブルーシートで覆われていた時期があった。
ひどい雨漏りでもしてたのか。
それもいつか取り払われていたのだが。

雨漏りと窓を天秤にかけた結果が壁だったのか。
人間の歴史から考えてみる。

壁はなかった。
壁ができた。
明かりが、空気がほしい。
壁を切り抜こう。
板を立てかけとこう。
開閉できるようにしようか。
時を経ち板はガラスとなる。

そして窓は壁になった。
数千年という長いビデオテープを巻き戻すのように。

どうして窓を埋めることにしたんだろう。
そのときの心情は。

ペパーミント・グリーン。
中で暮らす者が決して目にすることはないであろう。
それはこちら側に住むぼくらに向けられたものなのか。
その中にメッセージを読み取ろうとするんだけれど。

わからない。

「そんなに深く考えるなよ」苦笑いしているようにも見え。
やっぱり禅僧に問いを投げかけられているようにも見える。



窓がなかったら。
ぼくは猫くんたちと出会えていない。
ガラスでなかったら、
たとえ室内を向いて座ってても気づくことはなかった。
開けることができなかったら、
手の届くところにいて触れることはできない。

そしてガラス窓は開けられた。



電車を降り、ベンチでタバコを吸ってると。
ズボンの窓が全開だった。

そんな灰色の水曜日。



階段をのぼるとき、猫くんたちは何を考えているんだろう。
階段をのぼるとき、ぼくは何を考えてるだろう?
階段は不思議な空間だ。



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2012年02月22日 12時06分51秒

アジャスタブルな関係

テーマ:ブログ
決めかねてる。
どの道をたどるのか。
2ヶ月と経たないうちに1年になるというのに。

長いものに巻かれてみたり。
たまに奔流に抗ってみたり。

長いものに巻かれるのだって楽じゃないんだ。
自分を殺してれば。
いつか天国へ行ける夢を見つづけることはできるんだけれど。
遠くに見え隠れする気のする光。

「幸せになることができる」
人は言う。
かすかではあるけれど、
たまに手応えのようなものを感じることだってある。
やっぱり天国はあるみたいだ。



それともやっぱり支配者になろうか。
さわるものすべてをねじ伏せて。
「冒瀆」
揶揄されても耳を貸さず。
ときに自然の力さえも服従させて。

しかし支配者としての天国は長持ちするのかな。
不測のことも起こるだどう。
「想定外」
と自ら言う事態に瀕したら。
原発を見れば暴君支配の天下が続かぬことは歴然としている。
諸行無常。



では、天国を目指し歩いて行く決心がついたかといえば、
そうでもない。

いまだ揺れている。

自分をあわせるのか?
それとも相手をあわせさせるのか?
右手と右足が同時に出ようとも、
タオルを首に巻いてついていく覚悟はあるのか。
疲れてしまうと腕をつっぱり、
引き分けに持ち込もうとしないか。
自から腰を落とし寝技に誘い込まないか。



この1本。
高価なものじゃない。
それでも、そう言える万年筆を買ってから10ヶ月あまり。

自分の書き方を大多数にあわせるのか。
時間をかけてペンの方を自分になじませるのか。
まだ決めきれない。

もちろん万人の握り方のほうに利点は多いだろう。
字だって上手になるかもしれない。
疲れも少ないだろうし。

それでも50年近く自分の中で普通でありつづけたものを、
「くしゃくしゃ」
丸めて捨てられはしない。
愛着だってある。
今じゃ身体そのものが、
それにあわせて形作られているようにさえ感じる。
50歳で左ハンドルの国に放り込まれるのとはわけが違うんだ。



それでもなかなかいい場所が見つかりそうな予感はしてる。
ぼくの方からも。
あいつの方からも。
少しずつ歩みより。
互いに快適で長所を引き出し合える点が。

1でも、0でもない。
点である必要すらなく。

そりゃ時間はかかりそうだが、
きっと自分だけの場所が。



アジャスタブルな、
フレシキブルな関係というのはいい。



点でものを見るのはやめよう。
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2012年02月16日 12時03分16秒

ふんどしの日のあとに

テーマ:ブログ
昨日はバレンタイン。

ふんどしの日でも、煮干の日でも、ネクタイの日でもあったらしい。



Charlie O's Steak Houseという店があった。
入ったことはないけれど、ぼくの中ではステーキ・ハウスというよりも、
アメリカ人修学旅行生徒たちの朝食風景を思い出してしまう。

普段、朝は閉まっているのだが、旅行代理店と契約でもしてるんだろう。、
夏、シーズンになるといつもは暗い朝の店内にライトが入っていることがある。
ティーンエイジャーたちを詰めこんで。
そんな店も半年ほど前に看板を下ろした。

今朝は小雨。
こんな朝は公園ではなく屋根のある場所へ向かう。
その途中にあるCharlie O'sは新しい店になっていた。
Caffe Beneという名のコーヒー屋に。

広大なスペースをぜいたくに使って。
雨の朝小さな発見。

調度類は使い込まれた加工をほどこしてある。
3つに区切られた細長い空間の奥。
ブロードウェイから一番離れたところは図書室風に。

一面こそストリートに面したガラス張りだが、
残る三面の壁は天井まで伸びる造りつけの書架が埋める。
もちろん本はある。
こんな空間なら朝からコーヒーを飲みに寄るのもいいかもしれない。


図書館にかぎらず、
本に囲まれた空間は心を落ち着かせる。

紙の匂い。
刻まれた人類の叡智、
失敗、
歴史、
小さな声で語りかけてくる。
そんなものに囲まれているからだろうか。

表紙の奥が英語であれ、日本語であれ。
不思議と心を鎮める空気が、そこには少しだけ重く立ち込めている。

これはイランへ行っても、
ボリビアへ行っても、
チベットでも。
きっと同じだろう。

言葉がわかる、わからない云々ではなくて、
本に詰め込まれた空気がそこにはあるはずだ。
どんな人間が読む、どんな言葉であろうと。



ここ最近。
電子書籍が気になって色々と調べたりしてる。
買ったり、取り入れるのは少し先の話になりそうだけれど。

電子化された図書館というのには、
どんな空気が流れ、立ち込めるのだろう。
どんな人たちが集うのだろう。

無色透明無臭。
バラバラの重力を持つ空気がカクテルされることはなさそうだな。

そこでは均一な空気がエアフィルターを介したように循環していて、
誰にも微笑みかける。
そんな感じだ。
書架のない広大な空間に椅子とテーブルが点在し、
腰をかけるのは人間ではなく仮想空間に棲むアバターたち。

それとも電子化できないものの番をするだけの空間なのか。
そこに、今、はないのか。

移動図書館は消え、
手垢や、コーヒーのしみもない。
ページの間に電車の切符をみつけることもない、
ガラスケースの中の文字たち。

たまに見かけるMP3形式のジュークボックス。
小さいんだ、これが。

「オラオラ、ジュークボックスならもっとデンと構えろヨ!
壁なんかにかけられてんじゃネーぞっ!
ジュークボックスってのはなー、でんとかまえて腕くんでなきゃいけねえんだ!
客に迎合しちゃ、店に溶けこんじまったらだめなんだ!」

暴力的になってなんだか叩き壊したくなった夜があった。
閉じ込められてる音楽たちを解き放したくて。
電子書籍図書館はそんなものをも内包してしまうのかもしれない。


古臭い佇まいの図書室をガラス越しに眺めながら、
無菌室のような図書館に思いをめぐらせていた。


*ネットで調べてみるとこのコーヒー屋、韓国の大手チェーン。
すごいな韓国。
わが家では朝鮮漬けだった。
いつからキムチを呼ぶようになったんだろう。

$ニューヨーク狂人日記
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2012年02月15日 12時11分37秒

都会の環

テーマ:ブログ
木は葉を落とし。
実を食べた動物たちはフンを落とす。



49丁目を歩いていた。
なにかがゆっくりと落ちてくる。
水気を失った大きな葉のように。

木はない。
ちょうど窓から手が引っこむところだった。。

道路脇にとまる大きなトラック。
でかすぎて運転席は見えないが、
指は男のものだった。

窓から落ちてきたヒラヒラも木の末裔。
白い紙ナプキン。
仕事の合間に朝飯でも食ったのか。

ゴミ収集車だった。
ゴミを落とすゴミ車。
都会の連鎖。リサイクル。
環は閉じられているように見える。



大通りの信号を渡る。
大きな唸りがこだましながら近づいてくる。
道路清掃車が、拭き上げたチリを吸い込みながら近づいてくる。
環は閉じられた。



宙を舞う白いヒラヒラを思い浮かべながら自分のことを考える。

歩道でするウンコ。
自称・主人が拾ってくれる。
他人んちのポリバケツに入れたり、
街角のゴミ箱に放り込んだり。
コンクリートの上じゃ環が閉じない。
別の環を作ってあげなきゃ。

主人とは名ばかりで拾わないやつもいる。
犬より悪い。
引き合いに出されたこちとら犬だって迷惑だ。
それにしても昔も今も道に落ちるウンコの数は変わらないな。
どうしてだろう。
拾ってる人間をけっこう見かけるんだが。

そうそう。
あれは人間だったのか?
トラックの運転台にいたのは。
それともワシらと同じ犬だったのか?
ワシらは紙は使わない。
ワシらはハンドル握れない。
も少し指が長かったら……。
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2012年02月14日 12時07分42秒

ガッデム!

テーマ:ブログ
2ヶ月か。
気になってて今もたまに思いだす。
右上の奥歯の間につまったニラのように。
ぶら下がった葉を舌先でたしかめてみたり、
「なんとかとれないか」
舌先を器用に動かしてみたり。

まだとれない。



そんなに長い時間ではなかったろう。
それでも次の言葉が出てくるまで、
かなりの時が流れたような気分だった。

"Goddamn!"
......
......
......
"Are you all right?"

信号が青に変わり横断歩道を渡りだした。
ギリギリに止まるバスから一歩踏み出したときに。
「どすん」
猛スピードの自転車が陰から突っ込んできた。

彼が最初に発したのが、
"Goddamn!"
日本語なら畜生というところだけれど、
ちと違う。

畜生という言葉もきらいだけれど、
そうそう耳にも、目にもするもんじゃない。
長いことライブで聞いてない。

一方"Goddamn!"はよく耳にする、
とっさのときに出てくる人が結構いる。

右上奥歯にぶらさがるこれは。

あのとき、彼は何に言葉を向けていたのか。
そのことが気になってる。

信号は青だったけど、
バスの前を通り抜けるときに左右を確認しなかったぼくなのか?
赤信号へ突進した自分、無謀、そのバカさ加減にか?
そんな場面を設定した(彼にとっての)神への呪いなのか?

それにしてもどうしてとっさにこんな言葉が出てしまうんだろう?
ぼくだったらたぶん無言。
でたとしても
「ゲーッ」
「おーーーっ!」
「えーーーーっ」
くらい。

多くの日本人もきっと。
それは宙に向けて撃つ空砲のようなもので、
何も狙ってはいないし、ただの音、息にすぎない。

こんな場面での「畜生!」を
少なくともぼくは聞いたことがない。

彼にしても意識的に言葉を発したわけではないが、
それは彼という人物の歴史の中に、固定されてしまった回路であることは確実だ。
"Goddamn!"の言葉を持って生まれてくる者はいない。

装填された実弾は照準を持つ。
あるいは周りが探そうとする。

そんな意味のある言葉、あるいは意思。
どんな経緯で固定されるに至ったのか。
とっさのとき銃口はどこへ向けられているのか。
そこのところに興味がある。

弾丸には、
"Oh my God!"
"Jesus Christ!"
"Shit!"
宗教的な意味のあるものが多いけれど、
そこに宗教色はない。
どちらかといえば、この国の文化・思考法に根ざしている。
ただ、弾丸が絶対的多数の神を勝手にかつぎ出しているだけで。



なぜ銃を持ってるのか?
なぜ弾をこめておかなければならないのか?
なぜ引き金をひくのか?
どこに照準をあわせているのか?




6番街の人ごみの中でとっさにふり返った。
すれ違った男も同時に。
男の左手に持たれたタバコが、黒いコートの袖口にあたった直後に。

ふりむきながら男の口から飛び出してきた弾丸。
"Are you all right?"
インド系の若い男だ。

次の角を曲がりながら考えている。
ぼくならあの場合
「あ、ゴメン」
と出ているだろう。
実際には相手のことを気づかっていたとしても。
直截的な言葉が出るのは二番目になる。
非を認める。
しかし、それ以上に大切なことがある。



ぼくにできる日は来るだろうか?
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2012年02月12日 12時35分53秒

ジライヲウメタ

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ニューヨーク狂人日記







1月間出頭したオーム真理教の元幹部。
潜伏はやはり都会だった。
人ごみの中の人間。
なかなか見つからない。
物を隠す鉄則だろう、これは。

そう。
文字を隠すなら文字の海の中に。

上に書き並べたのはドラッグ・ストアのレシートを埋める文字、文字、文字。
これだけの文字が幅5センチほどの紙を埋める。
ひげ剃り3本パックのレシートは65センチ。
その心は?
(ちなみに写真左はスーパーで9品を買ったときのもの)

つい最近まで読んだりしなかった。
誰も教えてくれないし。
たまたま、ヒマで読んでみてお宝発見。
文字の中に文字を隠す。
文字の中に埋もれた文字。

長くて、うっとうしくて、いやになる。
邪魔だからすぐに丸めて捨ててしまいたくなる。
お宝はそこにあった。

文字量の多さは確信犯だろうが、
この不必要なまでの長さもやはり確信犯なんだろう。

ひとつを疑いだすときりがない。
たった2週間の有効期限だって、
破れやすい紙質、
消えやすいサーマルプリントだって、
その向こうでほくそ笑む男の横顔が見え隠れしてしまう。

疑心暗鬼。
いけないな。
すべてが信じられなくなってしまう。
そんない悪い世じゃないと思いたい。



それにしても値段ってなんなんだろう。

「もう、そろそろ……」

ひげ剃りの刃の交換を考え始めてからどれくらい経ったことやら。
3ヶ月?半年?
とにかくかなり経つ。
いつもそうだ。

ひげ剃りの刃の替え時にはいつも頭を痛める。
あれって、明らかに切れなくなるわけではなく、
剃ろうと思えばまだまだ役に立つわけで、
ガス欠と違ってなかなか踏ん切りがつかない。

あるのにない。
ないのにある。
悩み尽きぬ風呂場。

10年でまず10回も替えてない。
だって高いから。
あんなちっぽけな奴が8本入って25ドルというのは納得が行かない。
25ドルのバーボンはすぐ買っちゃうのに。
8年で25ドルば高くはないんだが。
掌に感じる重さにこの金額。
踏ん切れない。、
それで幸せになるわけでもないし。

「ウッ、シッシ……」
たまたまその軸を買ってしまったがために、
高価な替刃を買い続けなければならない破目に。
軸は壊れない。
刃のない軸を何に使えというんだ。

替刃の箱の向こうに悪徳商人の顔が見え隠れして。
気に食わない。
やさしい笑顔で最初のの注射をサービスする、
覚醒剤の売人に見えてくる。

負けないぞ。
負けたらあかんで。



そんなわけで先送りにしてた替刃。

やっと買った。
というのも、文字に隠れたお宝を見つけたから。
とはいっても替刃ではなく、
同じ刃を持つ使い捨て3本パックを。
$10.99也。

掌には3ドルオフのクーポン。
3本で8ドルなら悪くない。
税込で1年3ドル。
1日1セントで釣りがくる。



「はっ?」
キャッシャーのネーちゃんの告げる数字が。
納得いかない。
「はっ?」
あと一度彼女の顔を見つめ、
それでも信じられなくて、
レジの表示に目を移す。

$4.61
税込みで。

1日0,4セント以下。
3日で1円。
ひと月10円。

でもどうして買い物って前払いなんだろうね。





税込12ドルのものが5ドル以下に。

値段ってなんなんだろう。

しかももらったレシートを見るとそこにも
1ドルクーポンが。
やはり文字に埋もれて。



なにがなにだかわからなくなってきている。


ニューヨーク狂人日記


それししてもこのGillette Mach3というのは息が長い。
知ってるだけでも15年くらい同じ形で。
しかも昔の軸でも今の替刃が使える。
よく練れた商品なんだろうな、きっと。
15年前のシビックに今の部品は使えんだろう、きっと。
49年たったぼくの身体には今の靴下が履けるし、
江戸時代の旅だって。
いい商品なんだな。



さてさて。
今回も文字まみれの日記。
何が隠されてるんだろう?
宝か?
地雷か?
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2012年02月11日 12時44分33秒

春色の金曜日

テーマ:ブログ
GUMBOは

時が流れるだけの退屈な金曜日。
その真裏を行った素晴らしいライブだったらしい。

大牟田での白浜久さんは。

観たかったな。



さあ、思い出して、夢に生きてた頃を。
これからも夢を生きていきます。

ありがとう。

P.S ニューヨーク。今宵は雪の予報。
とはいっても3インチだけ。
降りはじめたら雪の中を散歩しようかな。
また、ほろ酔い加減で。

まだニューヨークには冬が来ない。

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2012年02月10日 12時09分11秒

アイについて

テーマ:ブログ
「苗字と名前、同じなの?」
よく訊かれる。
電話で。

ぼくの名前は
さかいせいき
ローマ字でつづると、
Sakai Seiki
パッと見、同じに見えないこともない。

発音の方はもっと大変らしい。
特に<i>。
アイ。

こちらの人は<i>を「アイ」と発音する。
Mikeは
「ミケ」ではなく「マイク」
三毛猫はマイク猫。
池はIke。
Ike & Tina Turnner

ぼくの名前をスペル通りに発音すると
サックアイ セアイクゥアイ
となってしまう。

名前の方だけでもちゃんと発音してもらうためにあみだしたのは、
「Say Keyと呼んでね」
つけ加えること。



アメリカ人の手書きには今も苦労するけど、
あっちだってそうなんだろう。

外国人の書く、
きちんとは書いているけれど、どこかトーンはずれの文字。
それよりは同じ文化で育った下手くそな字のほうが読める。
左肩に<怨>なんてTatooの青黒い文字入り女を見ていると、
そんなこともわかる気がする。
なんかちがうんだよな。

そういったわけでここでも苦労が。
某デルタ・エアラインのマイレッジ・カードは今も、
Seikl Sakal
セイクル サカル。

つい先日までぼくのアメリカでの公式名は、
Seili Sakai
どうして<k>が<l>になったかそこんとこはわからないが、
とりあえずぼくの名前はセイリだった。

日本で言うところの国民背番号。
ソーシャル・セキュリティー・カードの名前がセイリ。
4週間前に再発行の手続きを取った際にやっと。
ついでに修正しておいた。
20年ぶりに。
セイリはセイキになった。
普通は20年かからないかもしれない。
まあ、いい。

とにかく「アイ」に苦労してる。
アメリカ人の助言に従いいついかなる場面でも、
大文字を使わなくてはいけないところでも、
<I>ではなく<i>」と小文字で書くようにしたら間違いは消えた。
i love youと。
L love youでは伝わらないから。
近頃のぼくはセイリではなくセイキ。



「アイタイ」
火曜夜からずっと思い続け四六時中念じてた。

「アイタイ」
会いたい。
逢いたい。
遭いたい。
相対。
愛体。
ちなみに九州弁で「愛たい」というのは、
「愛だよ」ということ。

「アイタイ」
今日も湯船の中でひげを剃りながら考えてた。

「んっ?」
聞こえてくる。
「ビャ~ッオ~~っ!」
「んっ?」
混乱してしまった。

次にタオルも巻かず風呂場を飛び出す。

ウチには4匹の猫がいるんだけど、
1匹が火曜夜から帰って来ない。
気になっていて。

心配し。
念じ。
中学の頃夜中に帰ったり、無断で外泊をしたり。
「こんな気持ちだったんかな~」
カーチャンのことを考えてみたり。
いや、
「人様に迷惑をかけてませんように」
と念じていたんだろう、きっと。

「アイタイ」
そして会えた。
帰って来てくれた。
うれしい。



さて、あとひとつ。
「アイタイ」がある。
それはどの「アイ」で、どうなっていくのだろう。



「アイ」をめぐるお話。
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2012年02月09日 12時07分34秒

いよいよ明日。春が来る。

テーマ:ブログ
雪の音がする。
台所の庭側の窓を開けて。

夕方から降りはじめた雪。
ほかに聞こえる音はといえば、
時折「ゴロゴロ」のどを鳴らすネコくん。
静寂の音。



今年も2月14日は平日。
バレンタイン前の週末の夜を、
白浜久さんのアコースティックで、
静かで強い歌声で過ごすのもいい。
というか、過ごしたい。

赤レンガ倉庫のライブハウス、
Studio GUMBOで。
揺れる薪ストーブの灯りを眺めながら。

共演は博多のシンガー・ソング・ライター・オカーサン。
智子さん。

ゲストは吉田ユキヒロさん。



ひとごとだけど「雪がふればいいな~」と思っています。
春がくる前に。



白浜久@大牟田:Studio GUMBO

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2012年02月08日 12時11分13秒

コケタ

テーマ:ブログ
いつ以来だろう。
あの派手さは。
小学生のときだったような気がする。
小コケは日常茶飯だけれど。
とにかく派手すぎたな。

5分くらい立ち直れない。
精神的にね。
肉体的にはたいしたことない。
手甲と髪の生え際あたり。
どっちも右の方を擦ったくらいで。
打撃が強烈だった割りに傷は軽い。
20分程痛んでたけどもうはどうもない。

おかしなこと。
頭を打った直後に何を考えていたか。
「やばい。ここんとこ生えてこないんじゃない?」
怪我じゃなくてハゲ、毛が、のことを考えてた。



自転車で派手にコケた日は今も覚えてる。
10年ちょっと前、秋の夜。
猛スピードで駆りながら湿って積もった落ち葉の上でスリップ。
ダイヴ。
5m飛んだ。
物理の授業で習った慣性の法則のことを考えながら。
人間、とっさの時ってこんなもんらしい、どうも。

そのときは身ひとつであり、スピードもあり。
空中を回転しながら見事に受け身が決まって、
周囲からの拍手喝采を浴びたんだけど、今回のはいけない。
「ズボんッ」
斜め30度で打ち込まれた重い杭のように。

頭から打ち込まれて止まった。
両手はふさがってる。
たたらを踏む足が自分のものではないみたいに見えていた。

反射神経がおとろえてしまったのか。
それもある。
でも、それ以上に思いあたる。

仕事で外へ出た帰りで大事なものを持っていた。
世間的な価値は低いけど。
こわれて、もしものことがあったらモシモシ。
洋服もあんまり汚したくない。
あと3時間は人前にいなきゃなrないから。

だからふんばった。
ふんばった。
地球に。
宇宙の摂理に。
物理学に。
抗おうと。
守ろうと。

自転車のときは違ってた。
ここでも自然に自分の身体を守ろうとはしていたのだけれど、
守るためにあえて飛び込んでた。
ふんばるんじゃなくて。
自分の意志が、身体の自由さが、
わずかながら残っていた。



守ることは大変だ。
守らなきゃいけないものは、
やっぱり守らなくちゃならない。

でも、ふんばるばかりが守りじゃない。
流れに身を挺して守ることもできる。
犠牲を出して守らなければならないことがある。
守らねばならぬものがある。
すべてを手にするのではなくて。
すすんで小さな自由を手にするために。
すべては手にできない。



機械油にまみれ日々を過ごす時期があった。
あのときスーツに革靴、
Yシャツの袖口が汚れることを気にしてたらどうだったろう。
リノリウムの床に膝を、背中をつくことをためらったら。
1日の仕事も3日、4日は間違いなくかかっていた。

汚れてもいい格好。
汚すための格好。
自由が生まれる。
自由はそこにある。

汚れることは恥ずかしいことじゃない。
手を、顔を洗えばいい。
作業服を着替え洗濯機に放りこめばいい。



中学授業での武道必修化で騒いでいる。
柔道を危惧する。
頭を打って死に至るケースがかなりあるらしい。

受身をしっかりと指導することはあたりまえ。
あとひとつ。
投げられることは決して恥ずかしいことじゃない。
それを教え、わからせること。

スポーツで盛り上がる。
受験勉強に没頭する。
就職で一喜一憂。

勝敗であふれかえる。
勝つことを誰もが喜び、そして目指す。
勝つことのみに価値を見出す。

勝つ。
それがすべてじゃない。
勝つ勝てないことがある。
負けなきゃ勝てないこともある。
それを学ぶだけでも柔道をした価値はあるはず。



身を守るのは勝つためだけじゃない。
いかにうまく投げられるか。
これも大切。
いや、これが大切。


と、コケてとぼとぼ歩きながら考えた冬の午後。
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