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避難生活の中で、「親同士のネットワークが必要」と語る金原ひとみさん=岡山市北区駅元町のホテルで、2011年10月7日、坂根真理撮影 |
震災発生翌日の3月12日、原発事故のニュースをテレビで見ていると、そばにいた夫と父親から避難を勧められた。その日のうちに長女(4)を連れ、祖母が生前住んでいた岡山市内に向かった。臨月だったのですぐ戻るつもりだった。しかし原発事故が収束しないことに不安を感じ、4月、東京には帰らずに同市内の病院で次女を出産した。今は、長女を保育園に預けながら次女の世話をしている。
震災前は育児も家事も手を抜いていた。家事代行サービスを利用し、料理も週に1度作る程度。金原さんは「長女は生後6カ月で保育園に預け、仕事と育児、遊びを全て堪能していた」と振り返る。しかし今は、次女に母乳をあげているため外食を控え、自分で料理を作るようになった。「とにかく、子どもを守ることが大事だと思っている」
金原さんは今、2人の娘と兄らとの5人暮らし。周囲では、放射線被害を心配する心理を理解してもらえず、苦しんでいる人も多いという。金原さんは避難した母親が子どもと2人きりになり、孤独に陥ることも心配しており、「もっと母親同士がつながれるといい」と力を込めた。金原さんも避難した当初、不安から電話で夫と口げんかをし、ストレスがたまった。
震災後、放射線に関する本を大量に読みあさった。金原さんは「多くの人が原発の問題点を知らないまま生活し、その間に原発の危険が増した。同じことは他にもあるだろう。今回をきっかけに、他の問題にも目を向けるべき時期ではないか」と訴えている。
「この記事の著作権は毎日新聞に帰属します。」
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