「清流記」 | ファンタジー小説「清流記」

ファンタジー小説「清流記」

アクアブロガーが、なんとなく始めた小説ブログです。
小説というより、絵のないマンガです(笑)
絵がない分は、効果音で誤魔化されています(笑)
拙き文章ではありますが、宜しくお願いします♪

9話  「王子 マッシュ」

クライド「・・・・。」

グルミィ「うぅ・・・。リヴちゃぁぁ~ん(涙)」

タカ「いつまで泣いておる!戦場ではもっと辛い現実が起こりえるのだぞ!!生きておればいつでも会える!!しっかりせんかぁ!!」

グルミィ「でもぉぉぉぉ~(涙)」

クライド「グルミィさん・・・。 リヴは本当にいい娘だった・・・。 だからこそこれで良かったんです・・・。 僕らの任務は各国の無法者の討伐。 常に危険が隣り合わせにある・・・。 リヴを危険に晒す訳にはいかないですから・・・。」

グルミィ「うん。グスっ・・。そうだね・・・。アタシ寂しいけど、我慢する!」

クライド「寂しいのはみんな同じですよ!さぁ、先を急ぎましょう!」

グルミィ「うん♪」

タカ「あやつめ・・・。我が言っても聞かんくせに・・・。まったく・・・。」

クライド「タカさん・・。ちなみに王子ってどんな人なんですか?」

タカ「フフフッ・・・。言うよりも会ってみればわかるわい。 だが一つ言える事は、この命を預けるに値する素晴らしいお方よ。」

グルミィ「王子は凄~く、いい人だよぉ~♪アタシとも仲良しなの♪クラチンもきっと仲良くなれるよ~♪キャハ♪」

タカ「このバカモンがぁ!王子に向かって仲良しだと!貴様は側近の騎士だろうが!自覚が足らぁぁーーーん!!!」

クライド「へぇ~ 二人がそう言うんだ、きっと素晴らしい人なんだね! 僕も会うのが楽しみになってきたよ♪」 

タカ「ウム。宿まではもう少しだ。 王子が待っておるやもしれん!先を急ぐぞ!!」

・・・・・。
・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。


一行は続く畑道に馬を走らせる。

・・暫く走ると、向かいから馬に乗った老婆とその馬を引く青年が歩いてくる・・・。

それを交わし横を通り抜ける一行。
走る馬の後には土煙が・・・。
その土煙がたちまち老婆達を巻き込む。
そしてグルミィはやや後方から、食べ物を片手に何か食べながら着いて来ている・・・。

青年「おっおい!!」

クライド「すいません・・・。先を急いでいるもので・・・。ホントすいません・・・。」

タカ「はいやぁぁーーー!!」

グルミィ「あーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」

クライド、タカ「!?」

グルミィ「王子ぃぃーーーーーー♪♪」

クライド「何!?」

タカ「なにぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

グルミィ「王子ぃぃぃぃ~♪♪ ひさしぶりぃ~♪♪」

マッシュ「おいおい、お前達・・・。そんなに慌てて馬を走らせたら、通行人の迷惑だぞ!!」

タカ「王子っ!!このようなところで一体何を!!」

マッシュ「いや、このおばあさんがこの先に用があるというので送ってあげてるところだ。」

タカ「王子!あなた様がなさるようなことではありませんぞ!しかもそれは名馬「東錦」!!庶民を乗せるようなものではございません!! 老婆よ、ここまで来ればあとは大丈夫だな?これから先は歩いていくがよい」

マッシュ「何を言うタカ!!困っている者がいれば手を差し伸べる・・・。その道徳の精神こそが、戦なきこれから時代を創る力なんだ! このおばあさんは先の大戦のいわば被害者・・・。今を生きる同じ「人」として見過ごすわけにはいかん!」

タカ「しかしですな王子・・・。なにも王子自らがそのようなことを・・・。」

マッシュ「とにかく、私はこの先まで共に行く。お前達は先に宿に戻っていてくれ。   ・・さぁ、参りましょう♪」

老婆「すまないねぇ~ ありがと~う・・・。ありがと~う・・・。」

マッシュ「いいんですよ♪しっかり摑まって♪」

クライド「あ・・・。あの・・・。」

マッシュ「ん?」

クライド「はじめまして王子。私はクライドと申します。父からこの任務に参加するように申し付けられまして、今回同行させて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。」

マッシュ「おお♪君がクライドが!話は聞いているよ!会えて嬉しく思う♪ よろしくな♪」

クライド「はい。私も王子とお会い出来て光栄です。よろしくお願い致します。」

マッシュ「う~ん。その堅苦しい言葉使いはやめてくれないか? 君は僕と同じ18だと聞いている。 タカとグルミィはともかく、君は私の臣下ではない。 そして今回の任務は王子という素性を隠してのもの・・・。 言わば僕らはこれから旅を続ける仲間なんだ!私もその同じ仲間として接してくれないかい?」

クライド「しかしですね・・・。」

マッシュ「君は真面目な性格なんだね(笑)。 わかったよ!それじゃあ、こうしよう!!」

マッシュ「クライドよ、王子として命じるっ!!金輪際、私に対し敬語は使うな!今度使ったら、今回の任務から外れてもらう!いいな!!」

クライド「・・・・・。はい・・・。わかりました・・・。」

マッシュ「敬語はなしだと言ったろ!」

クライド「・・・。 (これがマッシュ王子・・・。でも、ホントにいいのかな・・・。)  わかったよ王子!よろしく頼む!」

マッシュ「よし! あと、王子もなしだ! 私の事はマッシュと呼んでくれ! こちらこそよろしくなクライド♪」

マッシュ「タカ、グルミィ!お前達もだ!せめて王子はやめてもらうぞ!!」

タカ「しかしですな王子・・・。我ら臣下がそのようなことを・・・。」

グルミィ「わ~い♪よろしくぅ~♪マッシュチ~ン♪♪キャハハハ♪♪」

タカ「グルミィ!!!クライドはともかく、我らは臣下であるぞ!!チンではない!せめて様で呼ばんか!!!」

グルミィ「え~・・・。今いいって言われたのにぃぃ~」

タカ「うるさいっわ!     ・・とにかく王子・・。いえ、マッシュ様。これからのご無礼お許し頂きたい・・・。」

マッシュ「いいんだ・・・。君の忠誠、嬉しく思う・・・。」

タカ「王子・・・。」

マッシュ「おっと!お待たせしてすいません。 さぁ、参りましょう♪」

タカ「我らもお供致します。」

マッシュ「いいって・・・。先に帰って、宿で疲れを取るんだ!」

グルミィ「ハ~イ♪マッシュ様やっさし~い♪♪ クラチン行こっ♪♪」

クライド「いえグルミィさん、ここはみんな一緒に行きましょう!」

グルミィ「ブ~早くお風呂に入りたいのにぃ~             ・・・そういえばさぁ~クラチンもアタシに敬語使うのやめてよぉ~♪ もちろん名前もグルミィでいいよん♪ アタシのが年下だしぃ~キャハ♪」

クライド「いや~なかなかタイミングがなくて・・・。じゃあ、グルミィ・・・。行こう!」

グルミィ「よ~し♪ゴーゴー♪♪」

マッシュ「そうか・・・。ならばみんな共に行くとしよう。」

タカ「・・・・。マッシュ様。マッシュ様は東錦にお乗り下さい。 さぁ老婆よ、今度は我の馬に乗るがよい。」

マッシュ「タカ・・・。」

タカ「それでは参りましょう!」

マッシュ「・・・・。うむ。」



マッシュ王子・・・・。
王子でありながらも、身分に関係なく同じ「人」として接するその様は、この国の希望と呼んでも過言ではないのかもしれない・・・・。
タカやグルミィの信頼は、主、臣下の壁を越えたものであり、命を掛けると言ったタカの言葉は真実そのものであろう・・・。
クライドもまた、この国を担うマッシュの力になれることを誇りに思うのであった・・・。






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