記念写真も終わり、奇妙な共同幻想にも似た連帯感が生まれた一同だった。普段では起きることが滅多にない16:3というシチュエーションを経験したこと。それと少しの罪悪感。それらが絡み合ってできた安易な連帯感は、ホテルを出て駅前で別れる頃には消えていた。

 俺は帰りの電車の中、周りは残業で疲れたサラリーマンで溢れていた。まさか俺がさっきまであんな事や、こんな事をしていたなんて思いもよらないんやろうな。などと自意識過剰なことを考えながらほくそ笑み、いつもよりも感慨に耽りながら回想を楽しんでいた。

 数日後、会長からメールが届いた。HPの写真を更新した旨を伝えるものであった。俺の参加していたサークルはHPで会の写真が見れるようになっていた。もちろん会員専用のパスワードがなければ観覧不可である。今やどこのサークルでもあるサービスであるが、当時としては画期的であった。そんなサークルのHPは会長が一人で作っていた。普通の一般サイトでも認証などのHTLMを組むのが大変だった時代だ。エロは技術を進歩させるな。ビデオもDVDもネットもエロが無ければここまで普及しなかったのを再確認させるHPだった(どんなんやねんw!)。そして、メールの定型文の後。私信のところにこんな文面があった。『吉田さん、先日はお疲れ様でした。先日の会での活躍には感心しました。~中略~もし、よろしければ当方のサークルの支部長をお願いできませんか?今は京都メインで行っていますが大阪での活動を広げたいのです。~後略~』心が揺らいだ!めちゃ面白そうやないか!!

→つづく