現在、「成功はゴミ箱の中に」を読んでいる。

アメリカでマクドナルドのチェーンを爆発的に広めたレイ・クロックの著書である。

柳井さんと、孫正義さんが人生のバイブルとしている本だとの触れ込みで、

さくっと買って読んでみている。


長年一緒にやってきたレイ・クロックと、ハリー・ソナボーンが対立を深めていく様も書かれているが、

その中で、マクドナルドの事業をレイは「ハンバーガービジネス」、ハリーは「不動産ビジネス」と

捉えている、というくだりがあった。


何故不動産ビジネスと捉えてはいけないのだろうか。

論理的に説明出来ることだろうか?


例えば、マクドナルドの店舗をある場所に出して、1000万の値段で手に入れた。

その後、その場所が3000万まで値上がりしたとする。

その店舗の利益は年間400万とした場合、上記値上がり幅2000万円を手に入れるのに、

5年かかる。


その店舗を売って、利益とする、または再投資することはありだろうか?

そういうことを続けていって成長するのはありだろうか?


実際目に見える数字利益を見ると、その方が成長が早いように思えるが、

①ユーザーのロイヤリティ向上による将来利益

②組織力の減退

の観点から、実際は副業で利益を求めようとしてはいけない、と考える。


①店舗統廃合には手間・コストがかかり、従業員教育、その地域のユーザーのロイヤリティ向上も

 時間とコストがかかるものである。

 また、現時点では年間400万だが、チェーン店の強みはどの地域でも同じサービスを受けられること

 であり、数が増えるほどブランド力が倍数的に強まっていく。

 例えば友人同士で家の近くで食事するところに困ったら、無難なマクドやデニーズ、大戸屋等を

 選ぶと思う。

 そのブランド力は、結局店舗増やすごとに客数が足し算以上の増え方をし、1店舗あたり売り上げが

 600万に、それが3店舗以上になれば上記の土地の値上がり率をカバー出来る。

 もっと数を増やせばもっと店舗数少なく上記を取り戻せるだろう。


②ハンバーガービジネスと不動産ビジネスの捉え方の違いで、伸ばしていく事業力が異なる。

 土地一つとっても、人が多くきそうか、地価が上がりそうな土地か、という判断が異なってくる。

 組織は1+1を10にも20にもするから組織であり、連動しなくなれば乗数的に事業力が減退する。

 実際の本質の事業から目をそらすと、本題部分で論理矛盾が起こり、社内反目が多くなり、

 組織力を失ってしまうのだろう。



チェーンストア展開の話なので、上記のような理由から本質的事業定義を追い求めていくことが特に重要なのだろうけど、

他の事業でも②は必ず関係してくる部分だから、最低限の必要な考えなのだろう、と思う。

たとえ副業が短期的にも長期的にもお得なように見えたとしても。