Wii U： 任天堂、審判の日（1）

コア・カジュアルどちらにも任天堂の新ハードが安全な賭けでない理由

任天堂は世紀の変わり目にコアとなるユーザを失い、別のマーケットで十年の間、大きな成功をおさめた。そして任天堂は今、Wii Uがロンチすれば何百万もの古いファンが戻るというロマンチックな夢を追っている。


新しいコンソールにおいてそれは任天堂の過去最大のチャレンジではない。しばしば "カジュアルなユーザとも呼ばれる一般大衆が何千万台ものWiiを買ったときに、任天堂はその歴史の中で最も繁栄する道に踏み込んだ。

Wii Uの英国のTVキャンペーンはコンソールのユニークな特徴を分かりやすく説明した。だがカジュアル層は気まぐれだ。これまでのところ事実上何の反応もなかったため、大衆がどのようにWii Uに反応するかは議論が分かれたままだ。ただ沈黙があるだけだ。ソーシャルネットワークを渡る熱気のある興奮もなく、マスメディアの報道もなく（米国のロンチから今ちょうど100時間が経過したところだ）、通常ならロンチで取られるような広告キャンペーンも、遥かに小規模なものにとどまっている。

コア・カジュアルどちらにとっても、今回は安全な賭けにはならない。Wii Uはコアとカジュアルという2つのユーザ層の交わる端っこに、ためらいがちに置かれた大きなチップの山だ。もし123歳になる京都の企業が既に不安に苦しんでいないとすれば、大いに不安であるべきなのだ。

一方でDSとWiiの両方の驚異的な成功は、多くの識者が任天堂のチャンスを一笑に付したところから始まっている。

市場の潜在力についての任天堂の洞察力を過小評価してはならない。そもそもWiiが実現したのは、なによりもまずこの洞察力によるものだったからだ。だがE3プレスカンファレンスで立て続けに醜態をさらしたことは、Wii Uでやっていることを任天堂の幹部でさえ本当に理解しているかについて、疑問を投げかけている。

Wiiがなぜ成功したか、そもそも任天堂は理解しているのだろうか？確かにシステム自体の目新しさや優れたマーケティングキャンペーンは大いに役立った。だがWiiがセンセーショナルだったのは、一つのアイデアを実現しようという任天堂の信念によるものだったのだ。

Wiiはできるだけ多くの人々にゲームをプレイするチャンスを与えるものだった。この明確なビジョンの下で、任天堂は気取らずに安価、素晴らしくシンプルで、そして革新的なコントロールシステムを作り上げた。

トリックはコンソールを目立たなくすることだった。クリスマスのリビングルームで棒を振り、プラスチックハンドルを操作し、体重計の上に立つのは子供のような至福だった。控えめでのんきな楽しみだったし、1億人近い人々がそのアイデアを買ったのだ。

ある意味でWii Uはその戦略から出発している。タッチ·スクリーン·コントローラは、新しい可能性を開くかもしれないが、これはプレイヤーとテレビの間に立つものでもある。任天堂は、タブレットとコンソールの組み合わせで、Wiiと同じような手間のかからない絵図を描くという大きな難題に直面している。コントローラは周りに投げつけられることはなくなったものの、他の人に慎重に、どうやって使えばいいのかについての長い説明とともに手渡されるようになった。かつてはするべきことは「腕を振ってみて」といったシンプルなものだった。しかし、もはやそうではない。

NS：　CVG　　Wii U: Nintendo's day of reckoning