ドラゴンクエストXはなぜオンラインか(4): ライト層向けなのに月額課金? | みらいマニアックス !

ドラゴンクエストXはなぜオンラインか(4): ライト層向けなのに月額課金?

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前エントリで、Wiiかつオンラインというのは、ほぼ必然的な選択であったものと述べた。
しかし本当に問題なのは、その先だ。

一体なぜ、DQXは月額課金という一見最悪の形をとったのだろうか?

これまでのDQの伝統と、月額課金形式のMMO-RPGはどう考えても水と油だ。普通に考えるとDQXが月額課金というスタイルをとっている理由をうまく説明するのは難しい。

これについて、関係者のコメントはなかなか興味深い。インタビューや公開情報を総合すると、コアの極北とも言える月額課金MMOを作ろうとしたフシは全く見られない。むしろDQの基本にブレがないという印象が強く感じられる。

プラットホームとしてWiiを選択したこともこれを裏付けている。もしもっと一般的なMMO-RPGを作りたかったのであれば、最初からPC、XBOX、PS3といったプラットホームを選択したはずだ。月額課金で廃人プレイをしそうなプレイヤーはむしろそちらにいるからだ。Wiiを選んだ以上、そのアプローチはなさそうに思われる。

結局DQはあくまでもDQであり、廃人御用達のMMO-RPGではないようだ。


ライト層向けなのに月額課金。

この矛盾は、DQXがもともと月額課金を想定していなかったと考えればある程度説明できる。
つまりDQXは月額課金という形式を、開発途中でやむを得ず採用したのだ。

理由はプラットホームと開発時期を見れば容易に想像できる。
Wiiの失速だ。

DQチームがプラットホームにWiiを選択した時期は2009年末頃だと考えられるが、まさにそこはWiiの最後の天井だった。当初DQXはだいだい400万本程度のセールスを目標としていただろう。
Wiiの失速が明白になるにつれて目標達成は難しくなり、パッケージの売上に更に数字を上積みできる方法が求められるようになったのではないか。

その方法とは?

DQチームの解答はソーシャル・ゲーム化だった。DQにソーシャル・ゲームを載せ、そのプレイに課金するのだ。それが月額課金という形式なのは、フリーミアムが時期尚早だったからだろう。DQXは当初からオンラインでのプレイを想定していたので、その方向性を発展させたわけだ。


もしこの推定が正しければ、DQXについて、次のようなことが言えるだろう。

DQはDQであり、基本はかわらない。個々のプレイヤーはストーリーを追ってプレイする。ランダムなクエストはもちろんあるが、ストーリーのキーになるイベントを達成することで個々のプレイヤーのストーリーが先に進む、これまでのDQと同じようなシステムが採用されているだろう

ソーシャルなパートはストーリー進行中も当然プレイできるが、むしろクリア後に遊ぶことが期待されている。ソーシャルなパートは、DQ本編クリア後も長く遊んでもらえるような内容である。位置付けとしてはDQ7の神様編やDQ9の地図探しプレイと似ている

・3DSとの連動機能があることが明らかにされているが、これは「クリア後もずっと遊べる」ための施策の一環である可能性がある。スマートフォンでライトなゲームをプレイするのと同じ感覚で、3DSでDQのソーシャル・ゲームをプレイしてもらう。月額課金を呑んでもらうには、それなりのサービスが必要なのだ



一連のエントリの冒頭で、DQXはMMOでなく、RPGでもなく、ソーシャルなのだと述べた。
予想のストーリーは、一応以上で終わりだ。


それにしても、発売前からここまで叩かれた大作ナンバリングも珍しいように思う。

だがその批判の多くは、情報が出る度にひっくり返されていくはずだ。
(万一そうならなければシリーズはここで終わりなので)
どこまで痛快な逆転劇を見せてくれるのか。
今後DQXに関する情報は続々とでてくるのだろうが、それが楽しみでしかたがない。

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