Eurogamer TV:PS Vitaの本来のミッション | みらいマニアックス !

Eurogamer TV:PS Vitaの本来のミッション



EurogamerのVita紹介。アンチャ、LBP、モタスト、AR系ゲーム、リアリティファイター等、欧州向けのロンチタイトルが、開発者インタビューと共に登場する。


紹介されているタイトル自体は既出ながら、興味深い内容だ。

全体を通じて強く感じられるのは、スマートフォンとどう戦うか、それがVitaの最大のポイントなのだということだ。1stのタイトルも、開発者のコメントも、Ryan氏のコメントも、全てがスマートフォンを強烈に意識している。

日本におけるVitaは携帯版PS3であり、PSPの後継機だ。
だがこのインタビューから見えてくる、欧米におけるVitaのポジションはそれとは全然違う。
VitaはPSPの後継機ではなく、携帯版PS3ですらない。台頭する汎用機に対して、ゲーム専用機とはどうあるべきなのか、それをゼロから考えたものがVitaなのだ。PSPの名前が無いのはその現れだろう。

iPhone/iPadに対して生き残ること、ゲーム専用デバイスとして独自のポジションを確立すること、つまりそれがVitaの本来のミッションなのだ。

これはiPhoneやiPadが次世代のプラットホームとして立ち上がってきていること、そのことの恐怖を肌で感じている欧米人の発想だと思う。iPhoneは電話でしかなく、iPadは普及すらしていない日本からの発想ではない。Vitaがどことなくバタくさいのは、おそらくはそこに原因がある。

Vitaには、iPhone/iPadと差別化できそうな機能は、できるものは全て突っ込まれている。
プラットホームホルダとして、デバイスメーカーとして、iPhone/iPadを最強のライバルと認めた上でのソニーなりの勝負手なのだろう。

ソニーからはこれまで、Vitaへの強い自信を感じるコメントが数多く出されている。重要な新製品を投入するメーカーとして当然なこととは言え、単ににそういったレベルでは片付けられない入れ込み様だ。

だがソニーの自信は、絶対にVitaが成功するということへの自信ではあるまい。そうではなく、携帯ゲーム機としてベストなものを用意したということへの自信、これ以上優れた携帯ゲーム機は存在し得ないという自信、そういった自信であるのだろう。


あくまでも自社ソフトの優劣こそが勝負を決める点であり、プラットホーム・インフラやハードの性能で勝ち負けは決まらないと考えている任天堂とは、携帯ゲーム機としてiPhone/iPadと戦うという目的は同じながら、アプローチが全く違うのは、実に興味深いことだ。


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