でも、土壌分析のような診断は全く考えておりません。
なぜなら、無肥料栽培には土壌分析の元となる「窒素・燐酸・カリ」という成分は全く必要としないからです。
むしろその成分は、補うのものではなく必要のないものとして考えてます。
土にとっては邪魔者なのかも分かりません。
だから、知らないで今まで入れていた肥料分は全て取り除かなければ、良い作物は出来ないと考えるのが無肥料栽培の考えだと思います。
だから土の診断方法は、いたって簡単です。
まず始めに畑全体に一度、麦や牧草など生育の早い作物を植えます。
そして、その生育状態を見て畑全体の状態を判断するのです。
畑の土の中は、全部同じ状態ではありません。
水がたまる場所があったり
、土が固くなった場所があったり
と意外と平らでもなく凸凹しています
。そのため、畑に植えた麦や牧草(ソルゴーなど）の生育が良かったり
、悪るかったり
する部分があるものです。その結果、その良い部分と悪い部分の土の中を見てみることが必要です。
畑の土を掘るには、だいたい４０センチほど土の中を真直ぐに掘っていくと、土の中の硬い層があったり、逆に砂のような状態で水が全部流れてしまったり、赤土や粘土のように全く隙間の無い土で水が中に入らない状態だったりしていることがあります。
先ず、土つくりの第１歩は、自分の耕作する畑の状態を良く知ることです。
その状態を見て判断してから自分の畑に合った「土つくり」の方法を考えるのです。
ただ、肥料を入れなければよいとか
？他の人がどうしたとか？何でもかんでも全国一律に適応できるわけではありません。
だから畑の中の極、悪い場所の原因に対してだけ「土作り」の手助けをすれば良いのです。
本来、土作りとはおかしいのですよ。
土とは、作物を作る上で充分な肥料分を持った母なる大地のはずです。
その生命を作るという大地を人間が作るなどとは本当はできることではありません。
実際、土というものは何千年何万年もの月日をかけて出来上がった肥料の塊だと思うのです。
これが、無肥料栽培の根本的な考え方です。
話しが脱線してしまいましたが、本題に戻ります。
麦など植えて判断した結果、悪い部分に対して「土つくり」のための手助けをします。
例えば、岩盤のように硬い層があった場合は、岩盤を砕くことが必要ですがそのために大型機械などを入れればまたその機械による重みで岩盤が出来てしまうのです。
手っ取り早く砕くには、サブソイラーなどの機械を用いて深く掘るという方法もありますが、硬い層の深さによっては作物の根の力を借りて硬い層に穴を開けていくほうが時間は掛かりますが結果として良いようです。
また新品種の麦は、麦踏をしなくても良い品種がありますが、昔の麦は麦踏をすることによって、麦の根が土の中に深く入って行くので硬い層に根で穴を開けるのには都合がよいのです。
麦を植えることも一つの方法です。
その他、麦を中心として植える作物での岩盤を取り除くための作物としては、小松菜・さつま芋・落花生・人参・大根・ごぼうなどで少しずつ土の中に深く入っていく作物がよいとされています。
それでは、ここで無肥料栽培の基本３原則をお伝えします。
１．肥料分を抜くこと。
２．同じ作物を同じ場所で同じ時期に連作をすること。
３．出来るだけ近い場所で採種した、無肥料栽培の種を使うこと。
そして、勿論無肥料栽培というのは、肥料は勿論ですが堆肥も使わないほうが良いのです。
しかし、以前に入っている肥料によって邪魔をされている場合で、どうしても悪い条件の土になってしまっている場合に限り止む終えず堆肥は使います。
ですから堆肥というのは、けっして肥料分を補うために使うのではありません。
本来、堆肥の効果としては、下記の３つの効果があるのです。
１．土を固めないため。
２．土を暖めるため。
３．土乾きがする場合に敷いておくと湿り気が保つから乾きを防ぎ得る。
そして、堆肥を使う場合の方法としては、
第１に、土が冷えている場合は、作物を植えたときに藁などを使って被服します。
第２に、砂のように水が土の中にたまらないで流れてしまう場合には、根の周りに土乾きがおきてしまうので、作物を植えたときにはその作物の周りに藁を相当敷いておくと水乾きを防ぎます。
第３に赤土や粘土のように隙間のない土の場合には、最初の２～３年でよいので植物性だけで作った完熟堆肥(藁は入れてはいけません。）をその場所だけに入れる。
以上の方法を使って、無肥料栽培に取り組めばよい結果が得られるのは事実です。
次は、具体的な作物ごとの方法について書きます。
何かありましたら、何時でも連絡ください。