TOEICではどれくらいのスコアをとればよいか?
それは「英語力をどのように評価されたいか」の目的によって二つに分かれます。
(A) 英語力は不安視されない程度の評価でよい(±0の評価でよい)
(B) 英語力にプラス評価がほしい(プラス材料が欲しい)
この二点に分けて考えてみます。
(A) 英語力の評価は±0でよい場合
目標スコアは730点以上です。
参考とすべきは武田薬品工業の募集要項。
R&D部門では2013年度新卒採用から730以上のスコアを要求しています。
とにかくタケダを基準にすれば、730を下回るようでは箸にも棒にもかからないと評価されます。
この数字の根拠は、公式評価のBランクの評価最低点が730であることでしょう。
このボーダーは「英語ができます」ではなく、「英語を学ぶ基礎ができています」の証明に過ぎません。
タケダがこの判断基準を設定したからには、他社において義務付けがなくても同様に見るべきでしょう。
よく「学歴差別はありません」と説明会で公言する企業はありますが、「英語力は採用に影響しません」という製薬企業は聞いたことがありません。
そんなことが言えないくらい英語力が重要になっているのでしょう。
TOEICで高得点をとっても英語力があるとは必ずしもいえませんが、一方で730もとれないようでは、英語力がないと宣言しているようなものです。
不安視されないようなスコアをとっておくことは、もはや最低限の準備かもしれません。
(B) 英語力をプラス材料にしたい場合
公式評価のAランクは860点以上です。
ひとまずこのスコアを越えましょう。
とはいえ、実際のところ多くのR&D志望者で選考に残る人は800くらい簡単に越えてくるので、本音を言うと900オーバーがベストです。
TOEICという明確な客観的基準がある以上、人物評価で他の学生と並んだときの判断材料で使われることは想像できますよね。
本当に大切なのは、就活のためにさっさと結果だけ出して、860や900なんてちっぽけな通過点だと気付くことです。
そして将来のためにSpeakingやWritingのスキルも磨きましょう。
TOEICは就活で武器になるのか?
ここで誤解をしてほしくないことが二つ。
(1) 英語資格は絶対的な武器にならない
資格アピールをしても意味がないということです。
「上達した英語を活かして~~しました!」というならまだしも、例えば自己PRにTOEICのための努力の跡を書いたりするのは、いかにも就活のために受験しましたって感じが出てるのでオススメしません。
私見ですが、英語は自分からアピールするためのものではなく、資格欄にこそっと紛れてこそ光るものだと思います。
「能ある鷹は爪を隠す」の精神です。
目指すべきは、英語「も」できる人です。
(2) 英語資格がないと内々定をとれないわけではない
TOEICの点数が730に満たなくても外資系製薬企業の臨床開発職の内々定をもらった人はいます。
「プラス材料に乏しいと感じる人はぜひTOEICで高得点をとってほしい」ということがメッセージです。
しかしあくまでも資格は資格なので、書類上でこっそり載せといて、イジられたら話す、という態度が吉だと思いますよ。
プラス材料≠アピール材料です。
【まとめ】
TOEICの高スコアは「プラス材料」にはなれど、アピールできるほどの効果はないと思います。
でも、どうせTOEICの勉強をするなら900点は目指しましょう。
そして資格勉強は、普段の生活や就職活動全体のバランスを失わない程度に頑張ってください。
学生の間に語学力をアップさせることはもちろん、入社後も語学力向上へのモチベーションをキープすることも忘れないことが大切ですよね。
(私もそう自分に言い聞かせています)
【次回予告】
TOEICのオススメ参考書をご紹介します。