今日は渡豪後初の仕事の面接。スーツを身にまとい、完成させておいた履歴書を持って指定されたオフィスへいざゆかん。まず入ってみて最初に思ったこと…。まともにスーツ着てるの俺だけやないか!他にもう1人だけスーツ着てる人はいたけど、グレーベースのなんかやんちゃな感じのスーツだったし、その人髪型もかなりオラオラ系で遊び心満載なご様子で。。。他はみんな私服同然の格好だった。そしてもう一つ準備が無駄だったと思わされたことがあった。仕事の応募者は全員Application Formを渡されてそれに個人情報、これまでのキャリアなどを記入したのだが、これが履歴書代わりに使われる事になり、自分で持ってきた履歴書を渡す機会はなかったのだ(もちろん自分で用意した履歴書を出すように要求してくる会社も普通にあるが)。
しょっぱなから予想外な展開になり少し動揺していた所、応募者は全員別の部屋に移動するように指示された。顎鬚をたっぷり生やした身長190cmはある大柄のトムが登場し、一番前の真ん中の席に座り、それ以外の人はコの字型に並ぶ形で座った。「じゃあ今から面接始めるね」とトム。えっ??個人面接じゃなかったの?この十何人全員でグループ面接するわけ?そんなの聞いてない…(汗)
「それじゃあ簡単に1人ずつ自己紹介してもらおうか。名前と出身、これまでのキャリア、なんでこの仕事に応募したのか、等々」とトムが言うと、早速コの字型に並んでいる応募者の端の方から一人ずつ簡単な自己紹介が始まった。僕は幸い真ん中辺りに座っていたので、自分の番が回ってくるまでにある程度喋る内容を頭の中で整理することができた。そしていよいよ僕の番だ。「日本から来ました、ショーンです。去年は日本で英語の先生をしていましたが、今年の3月いっぱいで辞めてワーキングホリデーでオーストラリアに来ました。メルボルンにはまだ着いてから2週間ぐらいです。人とたくさんコミュニケーションのとれる仕事がしたいと思ってこの仕事に応募しました。」
15人ほどいた応募者の中で、日本人(というか英語のノンネイティブ)は僕一人で、フォーマルにスーツを着ていたのも僕一人。さらにはメルボルンのこれまでの滞在期間がこんなにも短い状態で仕事に応募したのも僕一人だったとあって、僕はあの中でかなり目立つ存在だったらしく、トムからは「へぇ日本から!日本のどこから?メルボルンはどぉ?気に入ってる?」などと色々聞かれた。そして僕の番は無事に終わり、次の人、次の人とどんどん順番が回っていった。ほとんどの人は日本人の僕から見てもそれほど違和感のない無難な自己紹介をしている印象だったが、たしか順番的に最後から2、3番目あたりにかなりインパクトの強い女の子がいた。その子は志望理由で「金よ!!私は金が欲しいのよ!!!!」とやたら金が欲しい事を強調していた。他の事についてもたぶん話していたと思うが、話し終わった後にあの子はお金の話しかしてなかった気がすると思うほど「金よ!」の印象が強かった^^;オーストラリア初の面接でいきなりこんなのに遭遇するとは、やるなぁ(笑)日本のグループ面接ではこんなの見たことないぞ。
応募者全員が自己紹介を一通り終えると、今度はトムが自分の経歴について話し始めた。トムは元々イギリス出身で、イギリスではシェフをしていたのだが、かなりきつい仕事で給料もそこまでよくなかったので、やってられなくなり辞めてしまったのだという。そしてなんとなくオーストラリアに来て、セールスをやってみたらこれが面白いほどに儲かる儲かる!セールスはいいぜぇ。。。といった感じの話を延々と30分ほどし続けた。そしてその話が終わると、今度は仕事内容の簡単な説明に移った。
この会社がやっているのはFund Raisingであり、特に自然保護活動や発展途上国支援などのチャリティ関連に必要な資金を、ランダムに話しかけた人をセールストークで口説き落とす事で確保するのだという。セールスチームは4つあり、どのチームを選ぶのかで何を売り込むのかや勤務条件が微妙に違っていたが、原則は基本給が週800ドルで勤務時間は12:00~20:00だった。僕はどうせ資金集めの活動をするのなら発展途上国の子供のために使われるのが一番ためになると思い、「発展途上国のためのチャイルドスポンサー探し」のセールスを選んでApplication Formに記入した。
その後は質疑応答。「どのセールスチームに入っても、最低限週800ドルは保証されてるんですか」など、仕事に関する質問が飛び交う。そしてそれが終わると、「はい、お疲れさん。じゃあみんなApplication Formを忘れずに提出してから帰ってね」とトムが言い、みんな次々と帰っていく。わけがわからず、他の応募者がみんな帰ってしまった後もオフィスに残っていた僕は、慌ててトムに質問しにいった。
僕:「あの、すみません、僕まだオーストラリアの英語に慣れてないので理解できてたか自信のない所いくつか質問していいですか?さっきの質疑応答で既に説明されてた所だったらすみません。」
トムの反応は予想以上に優しかった。
トム:「バカ言っちゃいけない!いいに決まってるじゃないか!どんな事でも気にせず聞いてくれていいんだよ^^」
よかった~、トムいい人だ。
僕:「ええと。なんかもうみんな帰っちゃってますけど。。。今回の面接で通ったとか落ちたとかってなかったんですか?」
トム:「面接の合否?あぁ、何人かは落ちてるよ。」
何ぃ~~?面接っていっても応募者は自己紹介の所で1人30秒から1分ぐらいしか喋ってないぞ。あとはあんたがひたすら30分ベラベラ喋ってただけじゃないか。それで既に合否決まっちゃってるの??そして僕は恐る恐る聞いてみた。
僕:「あの、ちなみに僕はどうなってるんでしょうか…?」
トム:「君?あぁ、君は合格だ!^^」。
何~~??何を基準に決めたんだろう、この人は?^^;なんだかんだいって僕は目立ってたからかな?けど、仕事決まったみたいでとりあえずよかった~。その後は今後の研修の日時やその際の持ち物等に関して後でその日の内にトムから携帯に連絡が来るということを確認し、トムにお礼を言ってオフィスを後にした。
そしてシェア先に戻ると、ルームメイトたちは僕が週800ドルの好条件の仕事をゲットした事に少々驚いていた。というのも、この人たち、僕がこのシェア先に来た初日かそこらで「オーストラリアには稼ぎに来た」というと、「オーストラリアでは稼げる仕事なんか見つからないよ」とみんな口々にネガティブな事を言っていたからだ。この時僕は改めて思った。みんなホント自分の物差しでばかり物事を語るんだなぁと。まぁ、ワーホリに限った話ではないけど。
オーストラリアのワーホリの仕事探しが上手く行かなかった人は「オーストラリアでは仕事なんか見つからないよ」と言うし、ワーホリ以外でも、例えばこれはネット上で見かけた話なのだが、急に何かの拍子でリッチになった人がいたりしたら、「35歳でまだ貧乏なら、それはあなたの責任だ」とか言ったりするのだ。これもなぜ35歳が基準なのかといえば、自分が金持ちになった(あるいは金持ちになる基盤ができた)のがたまたま35歳の時だったからであって、誰にでも普遍的に当てはまるかもわからない自分の個人的な経験を基準にしてしか物事を考えていないのだろう。こういう人は自分が30歳でリッチになれば「30歳になってもまだ貧乏な人は…」と言い、40歳でなれば「40過ぎてもまだ貧乏な人は…」と言うに違いない。
あくまで自分個人がこういう事にチャレンジしたら成功した/成功しなかったというだけの話なのに、「自分ができたのだから、こんなものは他の誰でもできるはずだ。できない奴は努力が足りないか、ただのバカなのだろう」とか、「自分にできなかったのだから、他の奴にもできるはずがない。できたと言う奴がいたら、それは話をでっちあげているか、本当にできてたとしてもどこかで何かインチキしてるのだろう」とか、自分の物差しでしか物事を測ろうとしない人は少なくないと思う。
人の話を参考に聞く事自体は悪いことじゃない、いやむしろ大抵はいい事だとは思うけど、あんまり一部の人の言ったことを鵜呑みにするのもよくないと思う。だって人から聞いた話がいい話でも悪い話でも、それが自分にも全く同じように当てはまるかどうかはわからないわけじゃない?
さて、オーストラリアに来て1週間で住む場所が決まり、そこから数日で好条件の仕事まで決まってしまった。なんかトントン拍子に上手く行き過ぎて怖いぐらいだ^^;なにはともあれ研修は次の週の木曜日。それまで安心して束の間のフリーダムを楽しもうではないか。
しょっぱなから予想外な展開になり少し動揺していた所、応募者は全員別の部屋に移動するように指示された。顎鬚をたっぷり生やした身長190cmはある大柄のトムが登場し、一番前の真ん中の席に座り、それ以外の人はコの字型に並ぶ形で座った。「じゃあ今から面接始めるね」とトム。えっ??個人面接じゃなかったの?この十何人全員でグループ面接するわけ?そんなの聞いてない…(汗)
「それじゃあ簡単に1人ずつ自己紹介してもらおうか。名前と出身、これまでのキャリア、なんでこの仕事に応募したのか、等々」とトムが言うと、早速コの字型に並んでいる応募者の端の方から一人ずつ簡単な自己紹介が始まった。僕は幸い真ん中辺りに座っていたので、自分の番が回ってくるまでにある程度喋る内容を頭の中で整理することができた。そしていよいよ僕の番だ。「日本から来ました、ショーンです。去年は日本で英語の先生をしていましたが、今年の3月いっぱいで辞めてワーキングホリデーでオーストラリアに来ました。メルボルンにはまだ着いてから2週間ぐらいです。人とたくさんコミュニケーションのとれる仕事がしたいと思ってこの仕事に応募しました。」
15人ほどいた応募者の中で、日本人(というか英語のノンネイティブ)は僕一人で、フォーマルにスーツを着ていたのも僕一人。さらにはメルボルンのこれまでの滞在期間がこんなにも短い状態で仕事に応募したのも僕一人だったとあって、僕はあの中でかなり目立つ存在だったらしく、トムからは「へぇ日本から!日本のどこから?メルボルンはどぉ?気に入ってる?」などと色々聞かれた。そして僕の番は無事に終わり、次の人、次の人とどんどん順番が回っていった。ほとんどの人は日本人の僕から見てもそれほど違和感のない無難な自己紹介をしている印象だったが、たしか順番的に最後から2、3番目あたりにかなりインパクトの強い女の子がいた。その子は志望理由で「金よ!!私は金が欲しいのよ!!!!」とやたら金が欲しい事を強調していた。他の事についてもたぶん話していたと思うが、話し終わった後にあの子はお金の話しかしてなかった気がすると思うほど「金よ!」の印象が強かった^^;オーストラリア初の面接でいきなりこんなのに遭遇するとは、やるなぁ(笑)日本のグループ面接ではこんなの見たことないぞ。
応募者全員が自己紹介を一通り終えると、今度はトムが自分の経歴について話し始めた。トムは元々イギリス出身で、イギリスではシェフをしていたのだが、かなりきつい仕事で給料もそこまでよくなかったので、やってられなくなり辞めてしまったのだという。そしてなんとなくオーストラリアに来て、セールスをやってみたらこれが面白いほどに儲かる儲かる!セールスはいいぜぇ。。。といった感じの話を延々と30分ほどし続けた。そしてその話が終わると、今度は仕事内容の簡単な説明に移った。
この会社がやっているのはFund Raisingであり、特に自然保護活動や発展途上国支援などのチャリティ関連に必要な資金を、ランダムに話しかけた人をセールストークで口説き落とす事で確保するのだという。セールスチームは4つあり、どのチームを選ぶのかで何を売り込むのかや勤務条件が微妙に違っていたが、原則は基本給が週800ドルで勤務時間は12:00~20:00だった。僕はどうせ資金集めの活動をするのなら発展途上国の子供のために使われるのが一番ためになると思い、「発展途上国のためのチャイルドスポンサー探し」のセールスを選んでApplication Formに記入した。
その後は質疑応答。「どのセールスチームに入っても、最低限週800ドルは保証されてるんですか」など、仕事に関する質問が飛び交う。そしてそれが終わると、「はい、お疲れさん。じゃあみんなApplication Formを忘れずに提出してから帰ってね」とトムが言い、みんな次々と帰っていく。わけがわからず、他の応募者がみんな帰ってしまった後もオフィスに残っていた僕は、慌ててトムに質問しにいった。
僕:「あの、すみません、僕まだオーストラリアの英語に慣れてないので理解できてたか自信のない所いくつか質問していいですか?さっきの質疑応答で既に説明されてた所だったらすみません。」
トムの反応は予想以上に優しかった。
トム:「バカ言っちゃいけない!いいに決まってるじゃないか!どんな事でも気にせず聞いてくれていいんだよ^^」
よかった~、トムいい人だ。
僕:「ええと。なんかもうみんな帰っちゃってますけど。。。今回の面接で通ったとか落ちたとかってなかったんですか?」
トム:「面接の合否?あぁ、何人かは落ちてるよ。」
何ぃ~~?面接っていっても応募者は自己紹介の所で1人30秒から1分ぐらいしか喋ってないぞ。あとはあんたがひたすら30分ベラベラ喋ってただけじゃないか。それで既に合否決まっちゃってるの??そして僕は恐る恐る聞いてみた。
僕:「あの、ちなみに僕はどうなってるんでしょうか…?」
トム:「君?あぁ、君は合格だ!^^」。
何~~??何を基準に決めたんだろう、この人は?^^;なんだかんだいって僕は目立ってたからかな?けど、仕事決まったみたいでとりあえずよかった~。その後は今後の研修の日時やその際の持ち物等に関して後でその日の内にトムから携帯に連絡が来るということを確認し、トムにお礼を言ってオフィスを後にした。
そしてシェア先に戻ると、ルームメイトたちは僕が週800ドルの好条件の仕事をゲットした事に少々驚いていた。というのも、この人たち、僕がこのシェア先に来た初日かそこらで「オーストラリアには稼ぎに来た」というと、「オーストラリアでは稼げる仕事なんか見つからないよ」とみんな口々にネガティブな事を言っていたからだ。この時僕は改めて思った。みんなホント自分の物差しでばかり物事を語るんだなぁと。まぁ、ワーホリに限った話ではないけど。
オーストラリアのワーホリの仕事探しが上手く行かなかった人は「オーストラリアでは仕事なんか見つからないよ」と言うし、ワーホリ以外でも、例えばこれはネット上で見かけた話なのだが、急に何かの拍子でリッチになった人がいたりしたら、「35歳でまだ貧乏なら、それはあなたの責任だ」とか言ったりするのだ。これもなぜ35歳が基準なのかといえば、自分が金持ちになった(あるいは金持ちになる基盤ができた)のがたまたま35歳の時だったからであって、誰にでも普遍的に当てはまるかもわからない自分の個人的な経験を基準にしてしか物事を考えていないのだろう。こういう人は自分が30歳でリッチになれば「30歳になってもまだ貧乏な人は…」と言い、40歳でなれば「40過ぎてもまだ貧乏な人は…」と言うに違いない。
あくまで自分個人がこういう事にチャレンジしたら成功した/成功しなかったというだけの話なのに、「自分ができたのだから、こんなものは他の誰でもできるはずだ。できない奴は努力が足りないか、ただのバカなのだろう」とか、「自分にできなかったのだから、他の奴にもできるはずがない。できたと言う奴がいたら、それは話をでっちあげているか、本当にできてたとしてもどこかで何かインチキしてるのだろう」とか、自分の物差しでしか物事を測ろうとしない人は少なくないと思う。
人の話を参考に聞く事自体は悪いことじゃない、いやむしろ大抵はいい事だとは思うけど、あんまり一部の人の言ったことを鵜呑みにするのもよくないと思う。だって人から聞いた話がいい話でも悪い話でも、それが自分にも全く同じように当てはまるかどうかはわからないわけじゃない?
さて、オーストラリアに来て1週間で住む場所が決まり、そこから数日で好条件の仕事まで決まってしまった。なんかトントン拍子に上手く行き過ぎて怖いぐらいだ^^;なにはともあれ研修は次の週の木曜日。それまで安心して束の間のフリーダムを楽しもうではないか。