今やすっかり定着したマンガ喫茶やネットカフェ。
果たしてあれって儲かるの?
という疑問を解消すべく、おおくまがファイナンスと店舗経営の観点から検証してみました。
◆マンガ喫茶のビジネスモデルの強み◆
1、店舗の運営コストが削減しやすい。
暗い店内で照明コストの節約、接客の労力や人材育成のコストもかからないので人件費も安く済む。
2、原価が安い
マンガ喫茶は一応飲食店。
しかし飲食の原価は業界で最も利幅が高いと言われるドリンクのみ。
フリードリンクといってもファミレスのように消費率は高くなく、客は飲食以外の作業に没頭するためドリンクはあまり消費されない。
つまり非常に飲食原価が安くあがる。
以上2つの観点から考えると、飲食店としてのマンガ喫茶の収益構造は非常に優れているといえます。
飲食店の最大のコストは食品原価と人件費なので、マンガ喫茶の場合1・2の理由からどちらもかなり低く抑えられるからです。
通常飲食店での人件費・原価の売り上げに占める割合(ML指数といいます)は約60%と言われるので、この2つが抑えられるというのは画期的です。
しかし穴もあります。
それは何か?
◆マンガ喫茶のビジネスモデルの弱み◆
1、客単価が安い
マンガ喫茶の平均客単価は300円/1時間くらいです。
なので客の滞在時間の割に単価がとれないのです。
2、回転率が重要
マンガ喫茶のサービスは基本的に時間あたりでしかお金をとれないので常に客席を満席近い状態に保つ必要があります。
なので立地条件などを考慮して客の入りを常に一定以上に保たなくてはなりません。
飲食店として客単価が低いというのはかなり致命的な欠陥です。
また、客単価が最低でも30分あたりの単価となるので客の滞在時間が長い。
つまり、なかなか席の空かない喫茶店になってしまいます。
時間対売上の効率が悪いんですね。
ただ、滞在時間が時間が長ければ長いほど売上があがるモデルなのでこの部分は補われています。
以上の点を考慮してマンガ喫茶の売上を計算してみましょう。
店舗がビルの2フロア、客席が100席の計算で考えます。
常に8割以上の席が埋まっているとすると客単価300円/1h×80席=24000円/1h
24時間営業の場合24000×24=576000/1日
1日で58万円にも及ぶ売上が出ている計算になります!
そこから人件費が1時間あたり5000円、飲料原価が10%とするとML指数は30.8%!
飲食店としては脅威の数字です。
問題は固定費ですが、集客と回転率の観点から立地はかかせないとすると最大のコストは建物・設備費ということになります。
証明は暗く、厨房設備を必要としない分、ネックは空調と家賃ですね。
駅前一等地のビルの2フロアを借りるとなると家賃は相当なもの。
月あたり200万くらいでしょうか。
日に換算すると7万円くらい。
そして空調等で5万円くらいと考えると1日の売上57万に対しML費が17万1000。
家賃光熱費で15万。
通信費が2万/日
それらを差し引いても利益率の高いモデルです。
この店舗の場合だと1日の利益額は約23万出ることになります。
となると月利益は700万。
年間でいうと8400万!
年商なんと2億を超えるビッグビジネスです。
なんと優秀なビジネスモデルでしょうか。
もっとも、初期投資がかかるので1億くらいは出店時に見込まなくてはなりませんね。
それでも半年で回収できる計算です。
マンガ喫茶が多いわけですね(笑)
まとめに入ります。
マンガ喫茶は儲かる。
ただしそれには条件があり
1、立地条件が良いこと
2、席数に対して常に最低でも7割以上は客が入っていること
3、継続的に客数を確保する戦略を行うこと
などが挙げられます。
その条件さえ満たせば利益率が高く効率の良いビジネスモデルです。
駅前にマンガ喫茶があんなにたくさんあることもうなずけますね(笑)
脅威としては出店競争により顧客の奪い合いになること。
その立地の顧客数がマンガ喫茶の席数の7割を超えているうちは安泰な商売です。
みなさんも、約1億円の初期費用を調達し、マンガ喫茶を始めてみては??
おおくまがやるなら女子店員はネコミミ着用を義務づけますが(笑)