- 新たなる資本主義の正体 ニューキャピタリストが社会を変える (HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS) (HARVARD BUSINESS SCHOOL PRESS)/デイビッド ピット‐ワトソン
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この本の基本命題は下記の二つ。
「これまで市民を分断していたしくみを暴き、行方不明の貯蓄と雇用の謎を解明する」ことと、
「歴史の流れを大きく変えるある現象、つまり資本主義の新たな姿に備えて市民が必要な技術とは何か
を探る」こと。
【スナップショット】
・真の「市民社会」の実現
=「新資本家」層が会社の行動方針に影響力を持ち始めている
=ひとりひとりの個人の影響力の高まり
・現在、米国企業の株式全体の過半数(52%)はファンド(資産運用会社)が所有
=機関投資家の数も激増中
・英米の人口の55~65%の人は何らかの形で資本市場に参加している
=一般的な投票率以上
→この割合は世界的に高まっている=新資本家の台頭
・新資本家のコーポレート・ガバナンスに対する厳しい監視
→年金基金などのアクティビスト・市民運動の存在↑
=経営者としては、ガバナンスを改善すれば、会社の資本コストが下がる
→ガバナンス調査の専門サービス機関の増加=市民経済型の監視機関
・一方で、コーポレートガバナンスファンドの登場:例)ハーミーズ
=あえてガバナンスの低い業績不振会社に投資する
→アクティビストを通して、経営改善圧力をかける=アクティビストファンドとも
→他の投資機関を巻き込んで、さらに強力な圧力になる
・新資本家にとって真に必要な情報とは何かという問い
=評価する対象(企業・経営者)に対する評価を自ら管理、指標の在り方、投資家としての認識などを
根底から改める可能性がでてくる。
=企業がどのくらい効率的に株主価値(または破壊)するかを評価する必要がある。
→効果的に価値を創造しているかどうかは、従来の会計方式により解明可能
←一方で「株主」にとっての価値を創造することについては、別の指標・情報が必要
・真の忠誠を進んで誓ってくれるファンドを選ぶことが市民経済の投資家として最も重要
=料金体系のみならず、ファンド自体のガバナンスを格付けする機関にあたること
・議会と規制当局は新資本家への権限移譲が必要
←これができない国家・政府は衰退へ