オバマ新大統領の唱える新ニューディール政策が、道路や橋梁の修復、学校の近代化、風力発電所建設や太陽エネルギーパネルの設置、低燃費車の製造などによる250万人の雇用創出に留まるとするなら、政策の先行きは暗いものになりそうです。

いわゆる公共のインフラ整備では景気の下支えに限界があるのは、日本の例を見ても明らかなこと。
事業の発注主は、政府なり州なり地方自治体になると思うのですが、これらはすべて借金による発注になります。
つまり公共事業を行えば行うほど、借金が増えるということ。

もちろん、緊急時ですから財政出動を否定するつもりはありません。
しかし、雇用創出だけに囚われると、いつまでも事業を行えば行うほど借金が増える、負のスパイラルからは脱出できません。
そして日本や中国は、アメリカのインフラ整備の為にアメリカ国債を買い続けるのでしょうか?
拙ブログで幾度か指摘しています、アメリカという泥舟とともに日本も沈むかもしれないという危機感は、この構造を根拠にしています。

参考(拙ブログ)
アメリカに貢ぐ実情 だからドルは基軸通貨でなければならない!しかしデフォルトのリスクヘッジは?

アメリカに求められているのは、タイトルにも記しましたように、新しい産業を創造すること、つまりその産業が継続的に雇用と富を生み出す仕組みを創ることが重要なはずです。

記事中で掲げられている項目では、低燃料車の製造が唯一産業創造にあたりそうですが、自動車産業の技術力では既にアメリカの自動車産業は2番手以下のグループ。
戦闘グループに追いつき、肩を並べるまで相当な技術と時間がかかることは必然でしょう。

参考(拙ブログ)
オバマ新米大統領でどう変わる? 2 「新ニューディール政策」の具体性と可能性

金融危機では、アメリカの創造した金融工学が生み出した債券市場そのものが大きなダメージを受けました。
そして、これに代わる新しい産業(古くても世界をリードできる産業)を創造することが求められているはずなのです。

たぶん、インターネットやカーナビゲーションシステムなどのように軍事目的のものを民生用に転用した産業がアメリカを救うのだろうと予想しています。
そして、この新産業の想像こそが、金融危機からの脱出の糸口のはずなのです。

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オバマ新大統領は経済に弱いのかなぁ?

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