八幡にある我がショップは二階建て貸し店舗の
二階の一部屋であり
一階部分は
「花恋(かれん)」と「まさき」という居酒屋が隣り合っていて
毎日毎日、夕方になると
ショップの開けた窓からは、居酒屋の焼き魚や煮物、その他料理諸々の
い~においが漂ってきてそれはもう、一日働いて空腹、
さらに、匂いに敏感なオレにとっては
口の中から唾液が出るわ、匂いで気が狂いそうになるわで
まるで拷問なのだ。
そして20時過ぎ頃になると、
どこからともなく、八幡の町からふらりふらりと幽霊のように現れた
常連であろうお客さん(オヤジ)が
それぞれの店に飲みに集まってくる。
二店共、十人も入れば“ほぼ満席”になるような
小さい居酒屋であるが、いつもいつもお客さんが来ていて
さびれた八幡の町の居酒屋にしては、
結構“ヤッ”てるなー。と感心さえする。
そして始まるのが「カラオケ」であり
20時過ぎてショップで残業しているときは、
床を挟んだ下から、歌声なのか鼻唄なのか分からないが
「ん゛~~んん゛~~~♪」と
“こぶし”のきいた魂の声が聴こえてくるのである。
「音楽は耳で聴くものではない。心で聴くもの」とよく言うが、
他人で素人の酔っ払いオヤジの歌声なんぞ心にはな~んも響くわけもなく
ただただ、うるさいだけであるが
もともと一階にはカラオケつきの居酒屋がある事を知っていたし
こうなる事も予想できた上で、
二階の部屋を借りているわけだから文句は言えるまい。
まぁ特に気にもならないし、迷惑でもないからいいんだけどね。
たま~に、仲間のBンノグとオヤジの歌声を、面白おかしく真似して
ふざけて笑い合ったりと、
むしろ“ネタ”にさせてもらっているので、
まぁ“おあいこ”ということで。笑
思うことは、
自分も将来、オキニ(お気に入り)の
小さな居酒屋を見つけて、毎晩のように飲み通うことになるのだろうか。ということで
今のオレとしては、チェーン系の大きな飲み屋で、
ワイワイガヤガヤ飲むほうが断然好きなのだが
やっぱり小さな行きつけのお店で、“しみじみ”飲むことに
だんだんと魅力を感じるようになるんだろうな。
常連風に
「やってるうぅぅ~~」って、のれんをくぐる技は練習済みである。
いやいやまてまて、
オヤジになっても
飲むんならうるさい所でうるさーく飲みたいし、
クラブにも通うぞ。
一人で飲むなら、都会の洒落たバーや質の良い居酒屋で
ウイスキイーや日本酒を、ガンガン飲み散らすほうがやっぱり
オレには“合う”のだ。
(別にショップの下の居酒屋の質が悪いと
言っているわけではないのであしからず)
ただ、そういう町の小さなお店でも
やっぱり飲んで“楽しい”事は間違いないわけである
から、「楽しみ方」の一つとして
飲みに行けるようにしたいな。
そして24時頃。
酒も飲んで、歌も歌ってご機嫌な親父たちは
満足した足取りでふらふらと
幽霊のようにそれぞれの家路につくのであった。

酔っ払い図鑑↓↓ オレは酔っても酔ってなくても、おっぱいにしか目がいかない。