スコットランド独立の是非を問う
運命の住民投票、本日が投票日・・・!
とはいえ時差の関係で私の中では
『投票日は明日』みたいな認識なのですが。
明日の今頃はまだ『集計中』で
結果がわかるのは明後日でしょうか。
我々の生きている現在は
未来の人々にとっての
歴史の瞬間でございますね!
と、いうわけで、本日は
昨日の記事からの宿題、
「なぜスコットランドが欧州連合に
加盟出来ないかもしれないのか」
について述べていきたいと思います。
本日の住民投票で
スコットランドの独立が決定した場合、
スコットランドは欧州連合(EU)への
加盟を求める予定です。
サモンド氏は独立スコットランドは
エネルギー資源と漁業資源の豊富さで
EUに経済的に貢献できる、と主張。
エネルギー資源ってそれは主に
北海油田のことを意味すると思うのですが
独立後にあそこのエネルギーを
スコットランドと英国でどう分割するかは
まだ決まっていませんよね、
という突っ込みはさておきまして。
EUへの新規加盟にはそもそも
加盟国すべての同意が必要です。
そしてこのたびスコットランドから
加盟申請があった場合、
一部加盟国はその申請を
拒否する可能性が
高いと言われています。
それは何故かと申しますと、
今回のスコットランドの
「地域に住んでいる住民の
投票の結果次第でその地域は
国家として独立できる」という
考え方を認めてしまいますと、
今度は自分たちの国で
同じ運動が起きたときに
それを否定することが難しくなるためです。
そうした火種を実は
欧州の多くの国家が抱えている。
え、でも、『独立』は尊い意志だし、
その地域がそう望むのなら
望むとおりにさせてあげるのが
大国の矜持じゃない?
とお考えの澄んだ精神をお持ちの貴方。
その地域が独立した後に
テロ組織や元・母国の敵国と親交を深め
元・母国に対しテロ攻撃を仕掛けたり
宣戦を布告したり
経済的・政治的圧力をかけてきたり、
もしくは独立後の政策の舵取りに失敗し
情勢不安定化したところを
他国に侵略されたりした場合。
その地域に住む人々、
元・母国に住む人々は幸せでしょうか。
たとえば私がスペインの
国家転覆を願う立場の人間なら
今回のスコットランド独立後
「まず大事なのは独立だ!」と主張し
スペイン国内の不満分子を
まずはバスクに集結させます。
そしてそれら不満分子を
『地域住民』として公式に登録します。
そしてスコットランドのひそみに倣い
地域住民投票を実施、
数の力でバスクの独立を勝ち取った後、
カタルーニャやアンダルシアなど
他の独立希望地域から駆けつけてくれた
不満分子仲間をそれぞれの地域にお見送りし、
そして今度は彼らを国家として支援します。
北の国に住むひきこもりが
こんなことを考えているのです、
独立闘争に身を投じている現場の皆さんが
この程度のことを思いついていないわけがない。
これが欧州規模で起きる可能性がある。
EU現加盟国がスコットランドの
EU加盟を認めない可能性は
非常に高いと私は考えます。
そうなると
独立スコットランドはどうなるのか。
EU非加盟がすなわち
国際的孤立を
意味するわけではありません。
しかしスコットランド独立派が計算している
加盟による経済的恩恵は
取らぬ狸の皮算用になってしまう。
スペインの欧州問題担当相は16日に
「スコットランドのEU加盟には
少なくとも5年かかる」
「その場合スコットランドの通貨は
ユーロになって当然」と述べました。
「少なくとも5年」ということは
もっとかかる可能性だってあるということです。
「しかし『その場合スコットランドの
通貨はユーロになる』はまあ妥当な案だよな、
独立派はどうして英国ポンドにこだわって
ユーロ使用を主張しないんだろう」
疑問を口に出す私に夫(英国人)が
「記憶が薄れてきたとはいえ
ギリシャ危機を我々は忘れていません、
ユーロへの参加を主張したら賛成派は
大衆の支持を失うと
考えてのことではないでしょうか」
ああ・・・
なるほど・・・
独立の暁、EU加盟の予定が未定となり
通貨・行政も英国とは異なるものとなり
経済的・軍事的に
スコットランドが弱体化した場合。
「それでも問題ない、大事なのは
独立を求める尊い心だったからだ」
とスコットランドの人々は納得できるのか。
それとも元・母国である英国や
手を差し伸べてこないEUを非難するのか。
あるいは正しいリスクを提示しなかった
一部の政治家を糾弾するのか。
しかし一部政治家を糾弾してどうなるのでしょう、
彼らが責任を取って表舞台から退いても
問題はそこに残ったまま、
誰かがどうにかして解決しなくてはならない。
スコットランドの人々の未来が決まる
住民投票が始まります。
本日の記事内容を
夫に英訳して読み聞かせたところ
「今日の君は
ちょいとエモーショナルですね」
あら、そうかしら
ところでここから
ちょっとふざけた書き方になりますが
スコットランド独立賛成派の皆様は
「英国は俺たちスコットランドに
独立してもらいたくないみたいだぜ、
俺たちは愛されているぜ、
でも俺たちは英国を愛してないぜ、
でもあいつらは
俺たちの憎しみにもかかわらず
俺たちを愛しているみたいだぜ」
とお考えなご様子、ええ、まあ現時点で
それは正しいのでございましょう
英国の国益を考えると
スコットランドを失うことは非常に痛い
一生一緒にいてくれや!
が、スコットランドが
根性で独立を果たした際、
英国側は果たしてその『愛』を
保ち続けるでしょうか?
夫としての責務を果たしてきた配偶者に対し
「でも私は自立した女としての自由が欲しいの、
確かに貴方は私にそれほどひどいことは
しなかったけど、これは気持ちの問題、
貴方は私を庇護してくれたけど、
私、最近、『人形の家』を読みましたし!
私は自分の可能性を試したい、そう、
他の男の人とおつきあいすることも含めて」
とか言って妻が離婚を求めてきた場合、
夫はそりゃ最初は妻を引きとめるでしょう、
しかし最終的に本当に離婚という事態になった場合
夫はその瞬間に妻への愛を放棄するのでは
なあ奥さん、そこまでの啖呵を
切ってしまったからにはまさか
『失敗した場合は笑顔で復縁』なんて
虫のいいことは考えていませんよね・・・?
でもなんとなくこの奥さんは
そんな甘いことを考えている気がするの!
というわけでコメントありがとうございます
昨日の記事、コメント数ゼロを予想していた
私の見通し力のなさといったら
その流れでこの私の
スコットランド独立の際の未来に対する
暗い懸念もあたらないといいな、と思いつつ
お帰りの前に1クリックをいただけますと幸いです
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運命の住民投票、本日が投票日・・・!
とはいえ時差の関係で私の中では
『投票日は明日』みたいな認識なのですが。
明日の今頃はまだ『集計中』で
結果がわかるのは明後日でしょうか。
我々の生きている現在は
未来の人々にとっての
歴史の瞬間でございますね!
と、いうわけで、本日は
昨日の記事からの宿題、
「なぜスコットランドが欧州連合に
加盟出来ないかもしれないのか」
について述べていきたいと思います。
本日の住民投票で
スコットランドの独立が決定した場合、
スコットランドは欧州連合(EU)への
加盟を求める予定です。
サモンド氏は独立スコットランドは
エネルギー資源と漁業資源の豊富さで
EUに経済的に貢献できる、と主張。
エネルギー資源ってそれは主に
北海油田のことを意味すると思うのですが
独立後にあそこのエネルギーを
スコットランドと英国でどう分割するかは
まだ決まっていませんよね、
という突っ込みはさておきまして。
EUへの新規加盟にはそもそも
加盟国すべての同意が必要です。
そしてこのたびスコットランドから
加盟申請があった場合、
一部加盟国はその申請を
拒否する可能性が
高いと言われています。
それは何故かと申しますと、
今回のスコットランドの
「地域に住んでいる住民の
投票の結果次第でその地域は
国家として独立できる」という
考え方を認めてしまいますと、
今度は自分たちの国で
同じ運動が起きたときに
それを否定することが難しくなるためです。
そうした火種を実は
欧州の多くの国家が抱えている。
え、でも、『独立』は尊い意志だし、
その地域がそう望むのなら
望むとおりにさせてあげるのが
大国の矜持じゃない?
とお考えの澄んだ精神をお持ちの貴方。
その地域が独立した後に
テロ組織や元・母国の敵国と親交を深め
元・母国に対しテロ攻撃を仕掛けたり
宣戦を布告したり
経済的・政治的圧力をかけてきたり、
もしくは独立後の政策の舵取りに失敗し
情勢不安定化したところを
他国に侵略されたりした場合。
その地域に住む人々、
元・母国に住む人々は幸せでしょうか。
たとえば私がスペインの
国家転覆を願う立場の人間なら
今回のスコットランド独立後
「まず大事なのは独立だ!」と主張し
スペイン国内の不満分子を
まずはバスクに集結させます。
そしてそれら不満分子を
『地域住民』として公式に登録します。
そしてスコットランドのひそみに倣い
地域住民投票を実施、
数の力でバスクの独立を勝ち取った後、
カタルーニャやアンダルシアなど
他の独立希望地域から駆けつけてくれた
不満分子仲間をそれぞれの地域にお見送りし、
そして今度は彼らを国家として支援します。
北の国に住むひきこもりが
こんなことを考えているのです、
独立闘争に身を投じている現場の皆さんが
この程度のことを思いついていないわけがない。
これが欧州規模で起きる可能性がある。
EU現加盟国がスコットランドの
EU加盟を認めない可能性は
非常に高いと私は考えます。
そうなると
独立スコットランドはどうなるのか。
EU非加盟がすなわち
国際的孤立を
意味するわけではありません。
しかしスコットランド独立派が計算している
加盟による経済的恩恵は
取らぬ狸の皮算用になってしまう。
スペインの欧州問題担当相は16日に
「スコットランドのEU加盟には
少なくとも5年かかる」
「その場合スコットランドの通貨は
ユーロになって当然」と述べました。
「少なくとも5年」ということは
もっとかかる可能性だってあるということです。
「しかし『その場合スコットランドの
通貨はユーロになる』はまあ妥当な案だよな、
独立派はどうして英国ポンドにこだわって
ユーロ使用を主張しないんだろう」
疑問を口に出す私に夫(英国人)が
「記憶が薄れてきたとはいえ
ギリシャ危機を我々は忘れていません、
ユーロへの参加を主張したら賛成派は
大衆の支持を失うと
考えてのことではないでしょうか」
ああ・・・
なるほど・・・
独立の暁、EU加盟の予定が未定となり
通貨・行政も英国とは異なるものとなり
経済的・軍事的に
スコットランドが弱体化した場合。
「それでも問題ない、大事なのは
独立を求める尊い心だったからだ」
とスコットランドの人々は納得できるのか。
それとも元・母国である英国や
手を差し伸べてこないEUを非難するのか。
あるいは正しいリスクを提示しなかった
一部の政治家を糾弾するのか。
しかし一部政治家を糾弾してどうなるのでしょう、
彼らが責任を取って表舞台から退いても
問題はそこに残ったまま、
誰かがどうにかして解決しなくてはならない。
スコットランドの人々の未来が決まる
住民投票が始まります。
本日の記事内容を
夫に英訳して読み聞かせたところ
「今日の君は
ちょいとエモーショナルですね」
あら、そうかしら
ところでここから
ちょっとふざけた書き方になりますが
スコットランド独立賛成派の皆様は
「英国は俺たちスコットランドに
独立してもらいたくないみたいだぜ、
俺たちは愛されているぜ、
でも俺たちは英国を愛してないぜ、
でもあいつらは
俺たちの憎しみにもかかわらず
俺たちを愛しているみたいだぜ」
とお考えなご様子、ええ、まあ現時点で
それは正しいのでございましょう
英国の国益を考えると
スコットランドを失うことは非常に痛い
一生一緒にいてくれや!
が、スコットランドが
根性で独立を果たした際、
英国側は果たしてその『愛』を
保ち続けるでしょうか?
夫としての責務を果たしてきた配偶者に対し
「でも私は自立した女としての自由が欲しいの、
確かに貴方は私にそれほどひどいことは
しなかったけど、これは気持ちの問題、
貴方は私を庇護してくれたけど、
私、最近、『人形の家』を読みましたし!
私は自分の可能性を試したい、そう、
他の男の人とおつきあいすることも含めて」
とか言って妻が離婚を求めてきた場合、
夫はそりゃ最初は妻を引きとめるでしょう、
しかし最終的に本当に離婚という事態になった場合
夫はその瞬間に妻への愛を放棄するのでは
なあ奥さん、そこまでの啖呵を
切ってしまったからにはまさか
『失敗した場合は笑顔で復縁』なんて
虫のいいことは考えていませんよね・・・?
でもなんとなくこの奥さんは
そんな甘いことを考えている気がするの!
というわけでコメントありがとうございます
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