珍説20・原水協は北朝鮮の核保有宣言(2005)に何も抗議しなかった | 誰かの妄想

珍説20・原水協は北朝鮮の核保有宣言(2005)に何も抗議しなかった

広島原爆記念日なので、反核運動ネタ。


【珍説】
2005年2月10日に北朝鮮が核兵器の製造・所有を宣言したときに、原水禁や、広島・長崎両市はこれに対して抗議したが、原水協は抗議していない。

Wikipedia「反核運動」中の「反核運動の中立性」の項
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8D%E6%A0%B8%E9%81%8B%E5%8B%95
(2009年8月6日時点)


【事実】
珍説とか言う以前に、明確な嘘・デマです。


原水協は、2005年2月15日に談話を出しています。


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http://www.antiatom.org/GSKY/jp/NDPM/G-Doc/05/j_050210_NK.html
北朝鮮の核開発問題についての談話


2005年2月10日 原水爆禁止日本協議会事務局長 高草木博


 報道によれば、北朝鮮政府は、「核兵器を製造した」ことを認めるとともに、今後も「核兵器を増やす」ことや、六カ国協議の無期限中断を発表した。


1、 事実とすれば、言語道断というほかはない。北朝鮮は、ただちに核兵器開発をやめ、保有分があるならそれを廃棄すべきである。核兵器の開発・保有で「安全」を守るなどということは、それ自体時代錯誤な考え方であり、既存の核保有国の誤りを繰り返すものである。この動きは、東アジア全体の平和と安全を脅かす危険な動きだ。


2、 今の事態は、改めて、すべての当事国が六カ国協議の枠組みを尊重し、朝鮮半島の非核化のために誠実に努力すべきことを示している。北朝鮮の核開発問題はもちろんだが、米国も、以前の枠組み合意でも同意したように、新「核態勢見直し」や今回の一般教書にもみられる脅迫政策をやめ、交渉による解決に誠実な努力をすべきである。


3、 5月にはニューヨークでNPT再検討会議が開かれる。重要なことは、核保有国も、「廃絶」の約束を誠実に守り、実行への具体的なアクションを起こすことだ。アメリカなどは、その合意さえ『死文化』するといっているが、言語道断だ。自国の核を合理化し、他国への拡散を抑えることはできない。


4、 日本政府もまた、朝鮮半島非核化のために大きな責任を負っている。我々は、問題の平和的解決の努力を求めるとともに、この問題で前進するためにも、核兵器全面禁止のために努力すべきことを求める。

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こういったデマは単なる嘘ですまず、一般市民に反核運動に対する不信感を植え付ける非常に有害な作用があります。大勢の「どっちもどっち」的日和見を生み出し、反核運動を停滞させ、結果的に核廃絶に向けた動きを妨害するわけです。


こういう妨害は、反核団体に限らず、多くの反戦平和団体に対して行われています。


”核兵器は廃絶した方がいいと思うけど、偏った平和団体しかないので信用できない”とか考えている人へ。


あなたが”偏った平和団体”と判断した大本の情報は、本当に正しい情報ですか?


scopedog