増加したのは不正受給なのか? | 誰かの妄想

増加したのは不正受給なのか?


印象操作の典型ですな。
2001年の不正受給:46.7億に対し、2005年の不正受給:71.9億、というと不正受給が1.5倍に増え、まるで生活保護受給者が悪質化しているかのような印象を受けるのだが、では母数となる生活保護費総額を予算で見ると、2001年生活保護費予算:1兆3091億、2005年:1兆9230億でこちらもほぼ1.5倍。不正受給率について言えば、0.3~0.4%で推移しているに過ぎません。


素直にデータを読むなら、生活保護対象者が4年間で1.5倍に増えた、と解釈するべきところでしょう。

問題とすべきは、小泉政権下で生活保護費が1.5倍に増えたことであって、付随的に増えた不正受給額ではないでしょう。”お上から頂いた”情報をただ流すだけの作業をすると、こんな記事ができると言うわけですな。
この記事を参照したブログもいくつかあるけど、もう少し背景を見る努力をした方が良いと思いますよ。特にマスコミ批判をするのであればね。


生活保護そのものの制度にも問題はあるでしょうしね。(詳しくはないですが、最低生活費未満の収入ならあってもなくても生活レベルが変わらない、とか)



生活保護不正受給、4年で1・5倍に増加…厚労省
3月6日1時52分配信 読売新聞


 2005年度の生活保護費の不正受給額は、前年度を約10億円上回り、約71億9000万円だったことが5日、厚生労働省のまとめでわかった。

 01年度(約46億7000万円)と比べ、約1・5倍に増加している。

 厚労省によると、件数も1万2535件で、前年度比で1624件増加。内訳を見ると、働いて得た収入をまったく申告していなかったケースが53・4%と最も多く、働いて得た収入を過少申告していたケースも加えると、63・5%だった。「各種年金などの無申告」も15・5%あった。

最終更新:3月6日1時52分