Kindle Direct publishing・・・誰でもタダ同然で電子書籍を出版できる夢のような仕組みです。
出版の手続き自体は非常に簡単なのですが、手続き以外の面で色々と面倒事が多く敬遠している人も多いのが現状です。

Kindle出版の問題点については別記事にまとめています。
Kindleの出版について

その中のKindle出版の源泉徴収税の問題が解決したので、手続き周辺を報告します。
通常30%と表示されるところが、0%と表示されます。

スキゾキッズのひらめきアート人生!


源泉徴収税の軽減も含めた、税金関係の手続きに関して記載します。

長くなるのでSTEPをまとめておきます。

STEP1:アカウント作成時の「税に関する情報」の入力
STEP2:情報の入力とW-8BENの作成
STEP3:SS-4の作成
STEP4:SS-4の送付
STEP5:EIN(雇用者番号)の交付
STEP6:W-8BENへのEINの記入
STEP7:免税完了
おまけ:免税の意味




STEP1
アカウント作成時の「税に関する情報」の入力について

これは、米国Amazonにアカウント作成者の個人情報を伝える作業です。
例えば、住所とか基本的な個人情報です。
Amazonではこの情報に基づいて販売収益の税金の処理をしており、もし(米国の)非居住者であれば、源泉税が徴収されることになります。
入力フォームのすぐとなりにヘルプの「税に関するインタビューガイド」があるので、それに沿って一つ一つ入力していきましょう。
「外国籍の納税者番号」とか「米国人テスト」とかは無視してください。

住所の英語変換は以下のサイトがオススメです。
JuDress 住所→Address変換



STEP2
情報の入力とW-8BENの作成

「税に関する情報」の入力をしていくと、TIN(納税者番号)の入力が求められます。
TINが無い場合に「いいえ」を選ぶと、W-8BENという書類の作成に移ります。

W-8BENとは、「米国源泉税に対する受益者の非居住証明書」です。
字のごとく、米国に住んでいないけど、利益を得ていることを知らせる免税書類です。

それまでに入力した情報がW-8BENに転載されているので、正しいか確認してください。
後は、嘘の有無に関する宣誓をすれば入力完了です。

W-8BENの内容については以下のサイトがオススメです。
W-8BENフォームの記入方法



この段階でようやくアカウント作成が完了となります。
しかし、それだけでは・・・・

免税されません!

上記でW-8BENの提出では、「私は米国に住んでいませんよ~」というのをAmazonに伝えただけに過ぎません。
米国と日本は租税条約を結んでいるので源泉徴収は免除されるはずなのですが、その為には米国の納税者番号を取得して、W-8BENに記入しなければいけません。
アメリカ政府に登録していない人間の税金を、アメリカ政府が免除すると言うのは不可能ですから、当然の話です。

以下から免税手続きに入ります。



STEP3
・SS-4の作成


TIN(納税者番号)にはいくつか種類があり、通常はEIN(雇用者番号)を取得することになります。
SS-4をアメリカのIRS(内国歳入庁)に提出することで、EINを取得します。

SS-4の説明やフォームは以下を参考にしてください。
IRS(内国歳入庁による)EIN申請方法のヘルプ
Amazonのヘルプ
SS-4の記入例
EIN取得のためのフォームSS-4の記入例



STEP4
・SS-4の送付


上記でSS-4を作成した後は、これをIRSに送付します。
海外FAXでも郵送でも、電話でも大丈夫です。
郵送なら送付だけで4週間ほどかかるそうなので、無難にFAXか電話がいいです。

海外FAXなら以下の番号です。
010-1-859-669-5987(国際番号込み)
※変更になる可能性があるので、以下のIRSのサイトを確認してください
http://www.irs.gov/uac/Where-to-File-Your-Taxes--(for-Form-SS-4)

IRSへの電話なら以下の電話番号です
(267)941-1099



STEP5
・EIN(雇用者番号)の交付


上記でSSー4の提出について説明したのですが、どのように交付してもらうかが重要となります。
SS-4を記入する際、FAX番号を記載する欄があります。
FAXの有無で交付にかかる時間が変わるのです。
FAXがなければ、海外から郵送で交付されるからです。

FAXアリ→大体数日
FAX無し→郵送になるので三週間ほど


私自身はFAXで申請し、郵送で三週間以上かかりました。
こんな封筒で送られてきます。
スキゾキッズのひらめきアート人生!

ちなみに電話で申請した場合はその場で交付されます。
私の友人が電話申請をしたので、その様子がtogetterにまとめられています。
ある程度の英語力があればなんとかなるみたいです。
↓togetter
Kindleでの電子書籍出版に伴う免税手続を電話でがんばった人の話



STEP6
・W-8BENへのEINの記入


STEP3と4を経て入手したEIN(雇用者番号)を、W-8BENに入力します。
ここでもう一度、Kindleアカウントの「税に関する情報の入力」画面に戻るわけです。
情報の入力を進めて行くと、TIN(納税者番号)の入力が求められます。
ここでの選択肢で「はい」を選ぶと、引き続きTINの入力画面になります。
そこで、先ほど取得したEINを入力すると、W-8BENにEINが転記されます。
そのまま提出します。



STEP7
・免税完了


W-8BENを提出してしばらくすると、税率の表示が変化します。
通常、税に関する情報の源泉徴収率は30%です。
ところが、表記が0%となります。
これでようやく、免税処置が完了となります。



STEPおまけ
・免税の意味


ここまで免税の話をひたすらしました・・・。
しかし、厳密には免税ではなく「アメリカでの免税」に過ぎません。
租税条約により、「日本人の販売収益からアメリカが税金を徴収するのをやめる」だけのことであって、「収益からの税金そのものを免除する」話ではありません、

アメリカで免税された以上は、日本ではちゃんと税金がかかるのです。
なのでロイヤリティによる販売収益は、所得税として申告しましょう!



長々と読んでいただき、ありがとうございます。
ここまで長く書くつもりはなかったのですが、どうも二の足を踏んでいる人間が多いようで、その方達の背中を押す為に書きました。
あと、ここまで長く書くくらい煩雑な手続きでもあります。
海外の政府機関への書類提出とかがありますので。

今後もよろしくおねがいします。

おしまい