HIPHOPうんちくん

先日、52回目のGrammy賞が発表されましたね。
色んな方がすでにぷろんしているので、あまり多くは書きませんが
Beyonceが6冠に輝きました。
これは女性ソロアーティストとしては至上最多なんだって。

しかも、彼女の曲である"Single Ladies(Put A Ring On It)"が最優秀楽曲に。
ダンサブルでアップテンポなR&B楽曲がグラミーに輝いたのも初めてなんだって。

これまでにグラミーを受賞したR&B楽曲は
Alicia Keys "Fallin'"
Luther Vandross "Dance With My Father"
の二曲で、どちらともミッドなバラード。

しかもビヨちゃんのこの曲ってば
「あんたがとろとろしてるからあたし別れたのよ!
あのときあんたがあたしに結婚指輪をプレゼントしてくれてたら変わってたかもしれないのに。
今ごろ、あたしのこと恋しいって思ってるんでしょ?」
ってな内容。
Single Ladiesってタイトルもまんま「彼氏いない女子~!」ってことだからね。

痛快!

今回のGrammyでビヨちゃんは通算16個目のトロフィーをゲトったとか。
これはアレサ・フランクリンの18個に次いで、女性アーティストとしては第3位。
快挙ですね。

正直、10年前に「Destiny's Childのビヨンセ」として聞いてたころは彼女がこんなに
大きな存在になるなんて思わなかった。
しかもちょいハデすぎる存在が苦手だったなー。

でね、思わず今回のビヨちゃんの快挙を受けて思い出しちゃった作品。

(書籍だよ)

「黒人として女として作家として」(高橋茅香子 訳)晶文社

HIPHOPうんちくん


かつて社会的に、そして人文的にも「黒人」であり「女」であることは
二重苦とされてきたんですね。
人種差別そして性差別もダブルパンチで襲ってくるから。
フォークナーらの米文学作家の作品に「黒人女性」が出てくると、それってつまり存在自体がブルージーで
なにかしら「負」の要素を体現した存在だったの。

有名な黒人女性作家であるアリス・ウォーカーの代表作に
「カラー・パープル」という作品があります。
スピルバーグ監督によって映画化もされてるしブロードウェイでもロングラン公演さ
れてるから(しかもFantasiaとかstaringしてるんだよ)
ご存知の方も多いはず。
(余談だけどスピルバーグ版はアリス自身が意義を唱えているため筆者未見。
あのオプラ・ウィンフリーのスクリーンデビュー作としても有名)
主人公は南部の黒人女性、セリー。
奴隷のような生活を送るセリーなんだけど、ある日会った事もない男性、ミスターXの元に無理矢理嫁がされるの。
たった独りの妹とも生き別れて苦しい生活を強いられるセリーなんだけど…
ってあらすじなんですが、これぞまさに「黒人として女として」二重苦に耐えながら一筋の光を信じて、って内容。

翻訳版の文庫が集英社から出てるので興味ある方はぜひ読んでみて。

現代だと、話題の映画「Precious」が同じようなテーマを扱った作品だと思います。
(川口真紀先生のつぶやきによると、この作品の日本公開が決定したみたい!5月くらいかな?)

そんなわけで、ネガティヴの記号であった「黒人として女として」という条件を、見事成功の符号(の一つ)に変えたビヨンセ。
前にハル・ベリーが黒人女性としては至上初のアカデミー主演女優賞を受賞したときと同じような気持ちになったな。

ビヨンセ自身も、普通のブラックよりもマイノリティとされる仏系のクレオールの血を引いてるし、そんな彼女がアメリカのナショナルかつシンボリックなアイコンDIVAになった、ってのは興味深いトピックだよね。
なんかBARAK OBAMAに通じるものを感じる。

なんて大げさ??

なんでこんな小賢しい事書いたかってゆうと、今月、2月ってアメリカでは「BLACK HISTORY MONTH」と呼ばれていて、黒人教育月間なの。
アフリカンアメリカンの歴史についてみんなもっと学ぼう!ってシーズンね。
なので、今月はちょっと小賢しいネタも書いて行きたいなーと思います。

ちなみに去年もいくつか同じようなトピックでちょびっとだけぷろんしています。
興味がある方は右サイドバーの「THEME」から「B.H.M」を選んでね。

ほんでは!