宇都宮市駅前通りで２３日、県と栃木労働局が連携して就労相談や職業紹介をする「とちぎジョブモール」が本格オープンした。障害のある人やお年寄りの就労相談に応じる専門窓口もスタート。さらに一人一人にきめ細かなアドバイスをするキャリアカウンセリングも導入。東日本大震災の影響などで依然、厳しい求人倍率の中、状況打開に期待を集めそうだ。【中村藍】
これまでは離職者を対象とした「とちぎ求職者総合支援センター」があったが、３月いっぱいで閉鎖したため、代わりに新設した。別のフロアにあった４０歳未満の若年層向け「とちぎ就職支援センター」や、国の新卒応援ハローワークがすべて同じフロアにそろい、利便性の向上がセールスポイントだ。
総合相談員が常駐し、利用者の悩みや相談を把握する。さらに、専門家が、個別に向いている仕事を勧めるキャリアカウンセリングや専門相談に応じる。全国の求人情報が検索できるパソコンも設置。障害のある人や農林業の希望者向けには、専門機関による相談窓口を週１回～月１回のペースで開く。
栃木労働局などによると、２月の県内の有効求人倍率（季節調整値）は前月比０・０４ポイント増の０・７２倍（全国平均０・７５倍）。全国２６位で、県労働政策課は「東日本大震災以降、若干、持ち直しの動きはあるが、やはり厳しい状態」と話す。
３月卒業の大学生の就職内定率（２月末現在）は、前年同期比０・６ポイント減の７４・４％と、統計を取り始めた９８年以来、同時期としては過去２番目に低い。同課の担当者は「一人でも多くの利用者が希望する職に就けるよう、きめ細かな支援をしていきたい」と話している。
利用時間は平日午前８時半～午後７時。土曜は午前１０時～午後５時。日曜・祝日などは休館。問い合わせはとちぎジョブモール（電話０２８・６２３・３２２６）。