大阪府高槻市の淀川堤防斜面の草むらで4月29日、同府豊能町の職業不詳・宇野津由子さん(36)の遺体がポリ袋に入れられて見つかった死体遺棄事件は、発覚から13日で2週間が経過したが、謎は深まるばかりだ。

 宇野さんには多額の保険金が掛けられていたが、事件とどう結びつくか不明だ。「ネットで知り合った」という人と養子縁組をするなど、宇野さんの行動や周辺に不可解な点も浮上し、府警は解明を進めるため、家族などへの事情聴取を続けている。

 ◆動機

 捜査関係者によると、宇野さんが生命保険に加入したのは、遺体となって発見される数か月前。複数の保険に加入し、死亡時には数千万円の保険金が支払われる契約だったという。

 ただ、保険金目的の事件と決めつけるわけにはいかない。遺体は、ポリ袋に入れて遺棄されており、当初から明らかに事件性をうかがわせるものだった。司法解剖の結果、死因は窒息死と判明、府警は殺人事件と断定した。

 こうしたケースでは、保険金はすんなり支払われることはない。府警は、宇野さんが保険に加入した経緯に関心を寄せているが、捜査幹部は「保険金目的の事件では、事故死や病死を偽装することが多いが、この事件ではそうした工作が行われた形跡がない。多額の保険金がどういう意味を持つのか、現時点ではわからない」と首をかしげる。

 ◆人間関係

 宇野さんは今年に入り、実父と暮らしていた大阪市西成区の実家を離れ、豊能町の戸建て住宅で血縁関係のない7人家族と同居。今年2月頃には、3歳しか年の離れていない、この家に住む男性(39)と養子縁組した。付近住民によると、宇野さんはほとんど外出せず、テレビゲームをして過ごすことが多く、「口数も少なく、のんびりしていたので『かめちゃん』と呼ばれていた」という。

 捜査関係者によると、宇野さんの転居は、インターネットの求人募集をしていた、男性の内縁の妻(35)から「住み込みで働かない?」と誘われたことがきっかけだったという。

 養親となった男性は「宇野さんが『養子にして』と言ってきた」と府警に説明していたが、知人らには「妹が職を失い転がり込んできた」と話していた。

 「住み込み」の仕事もはっきりしない。3月初旬、自宅近くの食料品販売店の面接を受けたが採用されず、4月上旬には、自宅から約1キロ離れた養親家族の知人が経営する飲食店で働いたが、1日で店を辞めていた。

 一方、養親家族の周りでは、一昨年10月、親族の女性(当時52歳)が階段から転落して死亡。発見者は、養親が経営する会社の関係者で、女性が死亡する数か月前に千数百万円の保険金が掛けられていたことから、府警は当時、事件と事故の両面で調べたが、事件性ははっきりしなかったという。

 ◆物証

 宇野さんの遺体は、90リットル入りの透明3枚、黒色1枚の計4枚のポリ袋に四重に包まれた形で遺棄されていた。指紋は検出されなかったが、袋から、宇野さんのものとは、長さや色合いが違う毛髪が採取された。府警は、犯人特定の重要な手がかりとみて調べている。家族が5月10日、豊能署を訪れた際の説明では、宇野さんは4月20日、「恋人ができた」などと言い残して豊能町の自宅から外出。4月27~28日までは携帯電話で連絡がとれていたという。

 府警は、宇野さんの家族らから引き続き事情を聞くとともに、関連先として自宅や、家族らが使用していた車の捜索・検証を行い、手がかりの発見を急ぐ。

首相動静(5月12日)(時事通信)
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