壬生寺での個展も残すところあと2日となりました。
今日は、展覧会タイトル「すくいとなるもの」に込められた意味を少しお話したいと思います。
私にとって寺社で開催させていただく初めての個展、そして仏塔のお地蔵様の前で制作をさせていただけるというとても有り難い環境。どのようなタイトルをつけたらいいか、直前までとても悩みました。
そんなとき、「私にとって、寺社仏閣や、作品をつくることはどういう意味を持つのだろう」と原点に立ち返り考えてみたときに出てきた言葉が「救い」でした。
信仰や宗教とは、宗派によって解釈の違いはあっても、誰かにとっての「救い」となるものであるということは共通の存在理由としてあると思います。
そしてまた同時に、そのような信仰の対象に限らずとも、日々の中で「救い」となるものはきっとたくさん有る。それは例えば、美味しいご飯を食べたり、音楽を聴いたり、人と話したり、自然に癒されたり…何気ない些細な瞬間。
私達は皆、そんな小さな「救い」によって、日々生きながらえている。当たり前のようでいてとても尊い救いの数々を、大切にしていきたい。
そう思ったときに頭に浮かんだのが「すくいとなるもの」という言葉でした。
作品をご高覧いただいた方が少しでも、日常の中にある「すくい」に改めて目を向けて、心が落ち着く時を過ごされていたなら幸いに思います。
そして私にとっては、芸術も、表現することも「すくい」です。このような大変貴重な展示の機会をいただけたこと、改めて心より感謝いたします。
展覧会は残り10月28日(土)、29日(日)の2日間。それぞれ開場10~17時。(28日12~16時はお抹茶の呈茶がございます)
最後まで皆様のご来場をお待ちしております。