家族と私の本音 | PANSAKUのブログ

家族と私の本音

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ぱんです。

のどはまだ腫れていますが、熱はひいて、

やることあって動かなきゃいけないのに、雨降りー。(苦笑)

でも、PANSAKU事務のことで、

無事用事をたすことができてよかったです。


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昨日は、一番上の姉が、

姪っ子と甥っ子を連れて家に来ました。


実家に置きっぱなしだった、エレキギターやギターアンプ、

皮がやぶれたボンゴ、ドラム椅子などを届けてもらいがてら、

はじめて我が家に招きました。


そこで、本当にいろんな話をして、

よい時間が持てました。


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小さい頃、本当にいろんなことがあって、家族に心を閉ざしました。


思春期になると、「明るい優しい優等生」を演じきれなくなり、

ものすごく生きることが嫌になり、自分がわからなくなり、

将来をイメージできなくて、

自殺衝動、リストカットしまくっていた思春期。(苦笑)


友達の前では、なんとか輪に溶け込まなきゃと、頑張っていて、

家に帰ると、家族とのさりげない会話やコミュニケーションはありつつも、

本当に、深いところの意味では、孤立していた末っ子の私。


大学卒業して、公務員になりなさいと言い続けてきた親に反発して、

さんざんバカにされながらも、音楽とパンを作る仕事を譲らず、

自分のやりたい道を突き進みました。


その後、大きな病気をして、手術して、

家族の、私に対する心配が増す中で、

2004年のレイプ事件が起きました。


家族は、ショック、犯人への怒りやぶつけどころのない葛藤があり、

ひとつ屋根の下で暮らしている私に対しては、

一線、距離を置きながらも、あたりさわらず、

不器用に見守っていました。


私にはその空気感が逆にとてもつらく、

家族の前ではいつもどこか気を使っていました。



私は、もともとあった家族での孤立感もあって、

性被害に遭ってからは特に、家族の前では、

なかなか本当の苦しんでいる自分を出せないでいたと思う。



「おまえが弱い人間だからだ。」

父にそう言われて、傷つくのが怖かったから。


一方、自分の心が正直になれる場所で、

その私の混乱した全ての感情を拾い上げて整理させてくれたのが、

友達であり、仲間の存在でした。




2010年、「STAND」を発表し、性被害をカミングアウト、

TVや新聞など、メディアがすごい勢いで取り上げる中、

家族は、猛烈に反対してきました。


一時期は、絶縁状態にもなりました。

最初は、一人暮らしをしている住所も言えないほど、

家族と距離をおいていました。


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そんな家族との長い道のりの中で、


母の三回忌がきっかけで、久々の再会を果たし、

その後、何か必要があるときだけでも、

お互い、連絡を取り合うこともできるようになりました。


2012年の年明けには、今まで、

どこか萎縮してしまってできなかった兄弟喧嘩も、

20年ぶりぐらいにできました。(笑)






数年前、家族と断絶状態になりながら

性被害のカミングアウトを決めた時、


いつか家族と、もっと家族らしく、

本音でぶつかって、考え方の違いも尊重しあえるような、

自然な家族関係に修復できるといいなと願っていたこと、


昨日は、それが自然にできていました。





姉が、こう言ってくれました。


「あんたが性被害に遭ったこと、それは誰よりも、

 あんた自身が一番傷ついて、辛かったこと。


 自分のことだから、生きて、乗り越えていくために

 向き合わざるを得ない状況がきっと今までにいくつもあって、

 だから今は、こんなに元気になれたんだと思うよ。

 
 私ら家族は、あんたが被害に遭って、ただただショックだったし、

 処理できないいろんな感情があったけれど、それと向き合うってこともなかった。

 だから、本人よりもこの出来事を受け入れて回復していくスピードが違うのかもね。


 メディアに出ることに関しては、

 まだなんともいえない複雑な気持ちもあるけれど、

 あんたが恥ずかしい人間とは、思っていないよ。

 自分の人生、自分決めた生き方なら、それでいいと思う。

 同じような痛みを持つ人たちのためにもやっている活動を、

 私は、今は応援していきたいと思っているよ。」


その本音を聞いて、すごく嬉しかったです。



不器用な家族が担いきれなかった、私の不安定な時代を

周りが家族同然の愛で支えてくれて、

私は恐れず自分と向き合うことができました。


そして、やっとひと皮むけた自分で、

いま家族との関係が自然に落ち着きつつあります。



2010年にSTANDの曲を作って

地道に歌いながらもうすぐ2年。。。



「与えること」よりも「与えられること」の方がはるかに多く、

たくさんの素晴らしい出会いの中で、

私の内側もまた少しずつ整えられてきた気がします。



数年前に本気で悩んでいたこと、、、

気がついたら、今は悩まなくなりました。



数年前、こうなったらいいのになと

願っていたこと、、、


気がついたら、

現実になっていました。



・・・ただただ、感謝です。