全国高校サッカー選手権は山梨学院の優勝で幕を閉じました。
負けて泣き、そして勝っても泣き、毎日毎日サッカーに打ち込み、すべてをサッカーに注いだ者しかあの涙は流せません。
一昨日のブログにも書きましたが、私の次男も九段の某学園で小学校から9年間、サッカー部でプレーしていました。
今の高校サッカーのチームはほとんどがサッカーのために他県から集めた生徒を中心にしていますが、息子の学校は普通に入試をやって入学した生徒だけ。
その生徒を育てていくのですから、大変です。
それも東京のど真中の学校ですので、グラウンドは狭く、サッカーのピッチ1面がとれません。
ですから練習試合も必ず、どこかの学校へ行ってということになります。
さらにグラウンドすべてが人工芝ですので、下は硬く、9年間もやっていると皆どこかに支障を抱えてしまいます。
恥骨炎、低温やけどetc.・・・
うちの息子はディフェンダーでしたので、練習中ボールをクリアしたあと勢い余って校舎の柱に激突。
唇を縫う怪我もしました。
仕事柄歯は大丈夫かと心配しましたが、ラッキーなことに唇を切っただけの怪我で済み、ほっとしたことも思い出されます。
昨日の番組中、「最後のロッカールーム」 というのがありましたが、息子が東京都決勝戦で負けたあともあのようなロッカールームだったといいます。
出てきた時はもう目は真っ赤。
喜んで帰る国士舘高校の生徒を見るのも嫌というので、タクシーで最寄駅まで帰りました。
そして言ったのが、「9年間、有難う」
そうなのです。
プレーヤーは色々な人に支えられています。
もちろん監督、コーチ、トレーナー、マネージャー、試合に出られない選手たち。
それに加えて友人、家族。
お正月も2日から練習でした。
春休み、夏休みもほとんど毎日練習です。
ですから家族で旅行に行くことも出来ずの9年間でしたが、この一瞬のためにそれがあったのだと終わってから思いました。
本当に貴重な体験でした。
そしていい思い出です。
もうこれから先こんなことは味わいたくても味わえないでしょうね。
今回のこの高校サッカー選手権に出場した高校3年生は、今頃練習もなくなり、糸の切れた凧のような状態でしょう。
何をしたらよいのか放心状態だと思います。
親の私自身でさえそうでした。
悔しさも波のように忘れたかと思うとまた押し寄せ・・・
でもある人からこう言われました。
「次だ、次!」
これで私は吹っ切れました。
いい経験が出来たこと。
これが一番の宝物です。
私にとって全国高校サッカー選手権はそんなことを教えてくれ、そしてまた思い出させてくれるものとなりました。
今頃はもう来年に向かって新人戦の準備。
新チームの編成の時期ですね。
ラスト一年の高校2年生。
是非是非頑張ってくださいね。
苦しいし大変だけれど、お金では買えない、そして今でしか味わえない素晴らしい経験ができると思います。
志田歯科