佐藤さんと打つとバインの佐藤サンと出て来るバインの佐藤サンへ | サイプレス上野とロベルト吉野オフィシャルブログ「ボンクラの詩」by Ameba

佐藤さんと打つとバインの佐藤サンと出て来るバインの佐藤サンへ

  BLACK SWAN代表の佐藤 将さんが亡くなられた。

 こんなかしこまった言い方するとムズ痒いから【バインの佐藤サン】が死んじまった。俺のPCや携帯は同期しているからか『佐藤』と打とうとすると【バインの佐藤サン】と出て来る。他にも佐藤サンは居るのに紛らわしいことこの上ない。この【バインの佐藤サン】ってのはDJ KAZZ-Kに連絡先を聞いたときこの名前で送られて来てそのまま登録した。バインはもちろんP-VINEの事。

 P-VINEという会社は日本語ラップ好きやデビューを目指すものには憧れの的だ。いつかここでCDを出したいという気持ちは凄かった。むしろその為に活動している様なもんだった。そんな中、CROWN28というユニットに参加出来形としては一応CDデビューは果たす。が、あくまで先輩方の賑やかしであり自分の力ではない。いつか自分の力でデビューしたいという気持ちは更に強くなった。
 そんな中、『BLAST』という雑誌に同世代のイケてる奴らが選抜されるの【HOMEBREWER'S】と言うコーナーがあり、遂にはコンピCDも出た。そこに当然俺達の名前は無かった。悔しくて、所謂シーンを無視しようと決意した。自分に力も無いし、頑張っても無いのに若さだけでこっちから縁を切ろうとした。が、どうしても現場には足を運んでしまいそこでデモをやっぱり配っていた。そんな怨念が実を結んだのか【HOMEBREWER'S】に名前が載り、第二弾に誘われた。そのREC現場には磯部さん、古川さんコンビにもちろんバインの佐藤サンも居た。
 バインの佐藤サンとは何処で会ったかもう忘れたけど、俺がやっていた<建設的>のゲストに韻踏合組合を呼んで欲しいといった流れだったかもしれない。もうRECする時には仲良くなっていて、わきあいあいかつ一応指摘はしてくれた。そのコンピのジャケットはイルドーザーの石黒さんで、予定通り納期が遅れバインの佐藤サンがソワソワしていたのを思い出す。石黒さんに頼むのは、頼んだ方にも責任があるのは周辺の常識だったのに!マゾかと思った。

 その後も俺達を(というかアンダーグラウンド日本語ラップ全体を)献身的にサポートしてくれて、気がつけば普通に友達になっていた。DJ KAZZ-Kと三人で行きつけの店に行き全部奢ってくれて『ここデートにつかえそうだろ?』とか女も居ないのに言って来たり、「秘蔵PVがあるんだ」って見せてくれたのがマジ秘蔵なブツで驚愕した。
 そんな事をしてくれている中、俺達は『ドリーム』を出し次の契約先を探していた。そこでバインの佐藤サンが『CKBと同じレーベルだけどどう?』といって誘ってくれた。ハマッ子の俺達にとってこんな光栄な話しは無い!あれ、いつの間にかP-VINEの事は忘れてたな。同じ会社だし、ま、いっか。って気持ちだったと思う。そして遂にバインの佐藤サンがディレクターとなり『WONDER WHEEL』の制作が始まった。多分困難だったんだろうけど、スタジオから帰りは必ずBMWで送ってくれて、腹減ってたら『エル、アミーゴ』でガンガンメシ喰って帰った。全部バインの佐藤サンのおごり。制作費から引かれてたのかな?(笑)で、気がつけばヤサの皆とも仲良くなっていて俺に何も言わずに麻雀やりに来てたよね?負けてばっかで皆が『バインの佐藤サンはカモだ!』って喜んでたぜ。金のないガキ相手にわざと負けてくれてたのかな?優しいもんな。でもツアー中にやってたのはムカついたぜ!俺が10万借りて返す前にMAC買っててごめんなさい。ちゃんと返せて良かった。吉野は返した?向こうには持っていけないけど返してなかったら一緒に持ってってもらうよ。

 実感湧かないから五時に夢中流しながら書いてたら思いのほかしっかりかけたけどやっぱダメだわ。書いてるとダメになる。まだ認めたくないけど。思い出話しはまだとっとくよ。『最近ろくな事ねーっすよ』って相談したかったけど最上級の上乗せやめてくれよ。神様、人生はきついね。まだまだ言いたい事たくさんあるよ。でも『よっしゃっしゃっす〆』のリリックで『お前等が皆の夢を見さすって言える様になって嬉しい』って言ってくれてありがとう。俺達はボンクラだし迷惑かけっぱなしだったけど、またやる事増えたぜ。とんでもないお土産の残しやがって。言わば発掘&育ての親だし、戦友、そして単なる友達。そんなバインの佐藤サンが発掘したコイツ等マジで行くとこ行ったってなるまでぶっかますから。
 五時夢から『乳首』って単語が聞こえて来て我に返った。なんでDRM忘年会来なかったんすか?『エル、アミーゴ』の姉妹店『エル、カリーニョ』で馬鹿騒ぎしたっすよ。んで、今年ZZでアルバムとか出そうって誓ったから。色々ワガママ聞いてくれてありがとう。
 
 ほんといつもそわそわして落ち着かなくて、なのに笑顔で皆のケツ拭こうとしてくれて大変だったと思います。時代とかも有るかもだけど、ぶっちゃけ今までで一番売れたアルバム、一番大きな会場のワンマンを一緒に経験出来たのを誇りに思います。これからは羨ましがらせる事に専念するので見守っててください。

 お疲れ様でした。安らかに。

 上野