第7話
アイダが死んだ…。
揺すっても、叩いても、何をしても反応が無い。
刀を握ったままアイダはもう動かない。
圧倒的な事実。
揺ぎ無い『死』という現実がそこにはあったが一番身近である3人がアイダの死を受け入れられるはずも無かった。
「な…うぅっ嘘だろ…オイッ!!!縁起でもねぇぞ!!起きろよふざけんなよぉ!!」グズグズに顔をゆがめるケンジ。
「ケンジ…アイダはもう戻らないんだ…もう戻らないんだよ!!!」イシは自分に言い聞かすようにしてケンジをなだめる。
「ねぇ…アイダ…覚えてる?ワタシね…アイダが初めてワタシにくれたおもちゃの指輪今も持ってるんだよ…アイダ…ねぇ…アイダ…なんで黙ってるの?ねぇ…」
どれほどの涙が流れたろうか。
どれほどの叫びを上げただろうか。
その間もしっかりと握られていた黒刀が突如として鈍く光を放った。
その光は徐々に強さを増し、周りが真っ白になって何も見えない程の強さになった。
「なんだ!!何が起こってる?」
「何よこれ?眩しい!」
「刀が光るなんて聞いたこと無いよ!何だこれは?」
皆が突然の事に動転している。
そこへ、光の中から…
「お疲れ様でしたぁ…」と聞こえた気がした。
茶目っ気たっぷりではっきり言って今の雰囲気にはだいぶ似つかわしくない可愛い声で。
「な…なんだぁ?」