☆「キミも偉くなったんだね………」

これも以前ブログで紹介したもの。

私が極真会館総本部夏合宿で初めて隊長を務めさせて頂いた時の大山総裁とのエピソード^_^。
合宿では200人前後の大所帯で食事をするのですが、隊長になると1番前で、大山総裁の隣で食事をすることになり、余りリラックス出来ません。

その時のおかずに魚がありました。そして、食事が終わりそうな頃、総裁が私の方を向いて「キミも偉くなったんだね」ポツリと一言・・・・・。

私は「オス・・・・」と返事をしながら考えること3秒。3秒後に意味がわかりました。
私は内弟子卒業後、静岡に戻り同じ内弟子出身の大先輩のところで5年ほど稽古をしていましたが、総裁から再び総本部指導員をやらないかというお話を頂き、総本部に戻って3ヶ月後にこの合宿でした。

内弟子の頃には魚の食べ方が決まっていました。サンマ、アジ、サバとにかく頭から全部食べる・・・静岡に戻っているうちに忘れていたのです!

合宿の時の魚がサンマなのかアジなのか忘れましたが、頭と背骨を残して綺麗に食べていたのでした。

総裁の言った事の意味が分かり、大慌てだった私^_^。

捉えようによってはただの意地悪な皮肉ですが、昔の方々の教えはこんな感じでした。ヒントは与えるが、答えは自分自身で導き出せ・・・・というものです。
ひとつの事から考えて10も20もプラスを得ろということです。

空手の技も同じです。一つの型を2時間くらいずっとやらされます。アドバイスもほとんどありません。自分自身で体験し考えてプラスを見つける・・・私にとっては総裁からの「表面的には何も教えて貰っていない」ように見える、この「教えて頂けない”教え”」こそが総裁から頂いた最大の「宝」となりました。

総裁は「基本は私が教えるが極意は自分自身で掴むもの」とよく言っていました。総裁のこの「教えて貰えないという”教え”」が自分自身で道を切り開くという能力を身に付けるのに最大の効果をもたらしました。

私は本当に良き師に恵まれたと思います。昔の剣術の道場でも、道場主の名人、達人がある程度まで細かく教えているところは、もちろんそのレベルまで行ける人間が多いですが、そこからは自分自身で上にあがれないので、名人、達人が出ず、逆に道場主の名人が殆ど教えずヒントのみで、本人に見よう見まね的に、とにかく自分自身で考えさせて精進させた道場では、名人、達人がポツリ、ポツリと育ったといいます。

どれが良いかは人それぞれでしょうが、うちの道場は完全に大山総裁タイプです。もちろん時代が違うので多少細かくは伝えますが、極意は自分自身で掴むべく、自分で何とかするように敢えて遠回しなやり方をしています。それがわからずに不満を持ってやめていく人間が多いですが、うちの道場が伝えなくてはいけないテーマだと思っていますので、ブレることなくやっています。

☆写真は黒帯研究会の時の大山総裁と、大山総裁の車のドア開閉をしている私^_^。

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