投資家、運用会社、投資先企業の人がテーブルを囲んで言葉を交わすという、面白い趣向のパネルディスカッション。


想いがのせられた投資信託ならば、この三者の間で交わされる言葉や空気感は、こんなにも柔らかく、優しいものになるのだなぁと思いました。


きっと、「普通の」投資信託に関わる人たちを並べた図をイメージしても、あの空気感は想像がつかないと思います。



一番時間をかけて語られていたのは、「鎌倉投信がどのようにいい会社を探し当て、評価しているのか」ということでした。


いい会社、というのは悪く言えばあいまいな表現で、イマイチイメージがしにくいですからね。



運用責任者であり、実際に企業訪問をしていい会社さんを探し当ててきている新井さんがおっしゃっていたこと。


ヒマワリ前経営者と現経営者が「そっくり」な会社、すなわちDNAのつなぎがいい会社はぶれがなくて信頼できる。


ヒマワリ会社の元気度CHECK(「人」指標の評価)法は、その会社の社内報を送ってもらうこと。


ヒマワリ地域に根差し、愛される会社かどうかはタクシーの運ちゃんに聴け。



日本中を駆け回り、たくさんのいい会社を体感してきた新井さんの言葉には重みがあります。




そして、「投資先企業」のひとつ未来工業さんの瀧川代表がおっしゃっていたこと。


ヒマワリノルマが良い循環を断ち切ってしまう。


従業員800人弱の会社でありながら、一日に新商品が平均2つできるというものすごい会社、未来工業さん。


未来工業さんでは、開発さんにも、営業さんにノルマを強いらないそうです。

理由は、「売れないものを無理やり売ってもらっては困る」から。


売れるもの、必要とされるものは、ノルマなんかなくても勝手に売れていく。


ノルマを作ると、本当は必要とされていないもの、どこか改善点があるものも無理やり売りこまれてしまって、「ここがこうだったら買うのに」とか「ここがいただけないんだよねぇ」みたいな飛躍の種となるお客様の声をもって帰ることができなくなってしまうから。


考え方を変えると、仕事って楽しくなるんだなぁってことを、瀧川さん代表のこの言葉から感じました。


最後におっしゃっていた、「仕事は自己実現。管理されてするものではない。従業員一人ひとりが楽しんで仕事できる環境を整えたい」という言葉とともに、人を活かす組織の在り方を改めて考えさせたれた時間でした。




鎌倉投信さんでは今回の総会のように、さまざまな場で投資先企業さんの素晴らしい活動をご紹介くださっています。

自分の投資したお金が、どのように使われているのか、また、どんな人に使われているのかがわかるというのは、大きな魅力だと思います。


昔「消費はお礼を体現するための行為だ」と教えていただいたことがありますが、投資も応援したいという気持ちを体現する行為なのだなーと、鎌倉投信さんとお付き合いしてきて考えるようになったので、投資先企業‐運用会社‐投資家の3者の顔の見える関係性をつくろうとしてくださるこの試みを、本当に素晴らしいと思いました。