「君は僕だ!………ハハハハハッ!最高!」


「からかわないでくれ!」


「すごいわね、そんなこと言われたら好きになっちゃいそう」


「だから!?」


「まぁ、彼女はほんとに一般論を語ったわけだよ。

あれが、普通の人の反応さ」


「不破…君はほとんど最初から聞いてたのか!?」


「あぁ、面白そうだったから…ハハハハハッ!」


「悪趣味ねぇ」


「で、大丈夫かね?確かに、周りが騒ぎ始めたから

止めたわけだが……君がやばそうだったから止めたんだぜ」


「あぁ、助かった。ありがとう。大丈夫だよ」


「しかし、彼女には驚かされたね。あれはどういうことだ?

空っぽ…って?」


「ああ、それか…僕があんなこと言ったのも、

彼女がそれを言ったからなんだけど…仕様がない、

僕の話をするよ」


「あぁ…」


「僕は勉強が少しできて、まぁ、変な話、優等生に

見えるかもしれないが、実は……」


僕は不破たちに話した。

姉さんの意思を汲んで僕が行動し、

僕の意思は姉さんの意思だったこと。

それが、ずっと続いて、

僕自身の意思はほとんど無くなってしまったこと。

だから、今でも自分の意思は姉さんへの積極的な想い

しかないこと…。


「そうだったのか……気づかなかった、すまん」


「いや、変に気をつかってもらうよりは、

今までの方が楽で、不破には随分と助けられたし

感謝しているよ」


「そうか……」


「ねぇ、じゃあ彼女は」


「あぁ、彼女はあの性格だ、箱入り娘ってやつだろ?」


「箱入り娘?」


「親が溺愛しすぎて、榎の言葉を借りると

親の意思で今までやってきた…ってとこだろ。

で、大学もここだ、いいとこ入って、

さて、これからどうしよう?ってとこで、気づいたんだろ」


「なんだか、可哀想ね」


「でも、少なくはないだろ、自分の積極的意思を持たない

人間なんて…特にこれから多くなるんじゃないか?」


「そうね……」


「そしたら、名言になったりして…君は僕だ!

ハハハハハハッ!」


「おい!」



なんか、気分が楽になった感じがした。

不破たちに感謝しなければいけないと思う。

今の僕があるのも彼らのおかげ。

中学の頃は無かったが、友情は必要であると知る。

少し遅かった?まぁ、これからかな……。