人は変わるものだ。

ここ数日で僕はだいぶ変わったと思う。

明るくなった。あの不破もビックリだ。

彼が驚くことなんてあまりない。

恋はするものでだね。

人生の大きな喜びの一つだ。

僕はその喜びに酔いしれている。このまま酔っていたい…。

僕は、この酔いが醒めることはないと思っている。

多分、誰もはどこかで醒めるのものだろう。

でも、僕は姉さんに酔っている。

僕は他とは違う、純粋で深く姉さんを愛している。

これが醒めるなんてことは無い。

そう…もし、醒めるとしたら…。

あぁ、今はそんなこと考えたくないね。

今日は、姉さんとデート。



それは数日前。


「姉さん、誕生日は明後日だね。僕がどこかへ

連れて行ってあげるよ」


「まぁ、ほんとに!?じゃあ、連れて行ってもらおうかな」


そして、吉祥寺に来た。

今日は土曜だから人が沢山いる。

僕は姉さんと一緒にサンロードを歩く。

さて、他からは僕たちはどう映っているかな。

姉弟?いや、恋人どうしだね!



「やっぱ、休日は混んでるのね。歩くのも一苦労だわ」


「もう少し寄り添っていいよ」


「フフッ、じゃあ甘えて」


「他の人から僕たちはどう映ってるかな~」


「そうねぇ、姉弟には見えないんじゃないかしら」


「じゃあ?」


「じゃあ、なんでしょう?」


「う~ん、何だろう?ハハハッ」



何で姉さんはここまでしてくれるのだろう?

そう考えると、答えは一つしか出てこない。

しかし、そう思うのは僕の自惚れじゃないか?とも思う。

でも、普通の関係でここまでするのだろうか?

その、普通がわからないのが痛いところだが、

普通を考える時点で僕たちの関係は普通じゃない?

それとも、これが普通?

まぁ、どちらにせよ、僕は先に進むしかないってこと。

進み続けて何がある?そこには…姉さんがいて欲しい。

それならば、どんな険しい道でも進める気がする。

これが、恋かな。

まぁ、酔ってるから細道は危ない。

酔ってるから…周りが見えない?先も見えない?

これが盲目?



「お姉さん、お腹がすいてきちゃった。

お昼はどこにしましょうか?」


「そうだね、パスタなんてどう?」


「いいわね、そうしましょう」



パスタを食べに店に入る。

姉さんはカルボナーラ。僕はミートソース。



「あら、圭君ったら、まだ子供みたいね」


「そう?昔からよく食べてたから、好きなんだよ。

姉さんは女性らしいね」


「それは、女性ですもの」


「そうでした!」


「酷いわ、圭君」



こんなた他愛の無い会話も楽しい。

もっと話したい。

もっともっと、姉さんに近づきたい。

僕は、人生の喜びに満ち溢れている。