「ねこ~、今日は先生がアトリエ訪問しにくるよ~、

あなた、しっかりしてよね」

「なんで僕がしっかりしないといけないんですか~?

ノアがしっかりしないと意味ないでしょ~」

「あら、あなた男の子だったの?」

「知らなかったの~!ノアはいつもテキトーすぎるよ~」

「私はしっかり者よ!今日だってちゃんと手はずは考えて

あるんだから」

「手はず?」

「そう!手はず」



「いい、先生が入ってくるでしょ」

「はぁ」

「そうすると、上から水の魔法が降ってきま~す」

「は!?何、言ってんの~?」

「だから、先生がこのアトリエに入ると

水の魔法が降ってくるの」

「そうじゃなくて!」

「しょうがないじゃない、降ってくるんだから」

「どうなってもしらないよ~」

「大丈夫よ、先生だし」

「そうじゃないって~…」

「それでね、先生のことだから、

それを打ち消す呪文を使うと思うのよ」

「はぁ」

「すると、今度はその打ち消す呪文に反応して

斜め2方向から雷の魔法が飛んでくるようになってるわ」

「魔法に反応して魔法って、あなた高等な技術持ってるのね」

「私はプログラミングの天才よ!」

「ふ~ん、バカだけどね」

「ねこ!黙ってなさい!」

「は~い、黙ってま~す」

「生意気な子ね~。まぁ、いいわ。

そうすると、最初のを防いでちょっと安心した先生は

油断してるから、それは打ち消せないで、はじく魔法を

使うと思うわ」

……

「ねこ、はじくのと打ち消すので違うの~?でしょ!」

「ノアが黙ってろって言ったんじゃん」

「……言ってないわ!」

「うそつき」

「うそじゃないもん」

「で、どう違うの~?」

「打ち消す魔法ってとても難しいのよ~。

水だったら火の魔法を使うんだけど、

同じ魔力で魔法を打たないといけないの。

とても精密なコントロールと感知が必要なのよ」

「ノアにはできないね」

「私じゃなくてもできないわ」

「ふ~ん」

「ほんとだからね!」

「はいはい」

「で、はじくのは簡単。

魔力を同じじゃなくて、大きくすればいいだけなの。

だから、魔力が大きい人は魔法を跳ね返したり

できるのよ」

「へぇ~、そうなんだ~」

「そうなのよ!それでね、それでね、

先生はそこで安心するけど、

時間差で今度は倍の魔力の水が前から来るのよ!」

「はぁ、時間差ですか~、ノアのプログラミング力は

大したものだね~」

「天才ですから♪」

「バカだけど」

「黙ってて!」

「は~い」

「さすがに焦った先生は、奥義の

魔法を無力化するフィールドを張ると思うのよ」

「そうしたら、もうどうにもできないじゃないの~?」

「甘いわね、ねこ。先生はそのフィールド魔法に絶対の

自信をもってるわ、そこを叩くのよ」

「どうやって」

「実はね、フィールドっていうくらいだから、

フィールドの中があるのよ」

「ほうほう」

「その中はとても無防備なの」

「そりゃそうだけど………」

「わからない?多分、フィールドを張るまでにかかる

時間は2~3秒くらい、先生はそこから動かないわ」

「そうだね」

「場所はドアを開けて一歩入ったここ!

ここに、水が降ってから2~3秒後に

眠る魔法が発生するように仕掛けてあるのよ」

「あぁ!ノアはそういうことに関しては天才かもしれないね~」

「そうでしょう!?先生が来るのが楽しみだわ」

「僕もどうなるか気になってきたよ~」

「先生より私のほうが優れてることが判明する日ね」

「そう上手くいくもんかな~」




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