本日の参議院本会議で、政治資金規正法改正案について会派を代表して
討論の場に立たせていただいた。
冒頭、一連の不祥事について、まずは国民に対する謝罪をさせていただいた。
そもそも政治家は、国民の命と暮らしを守るために、日々、政策を立案、遂行し、
結果を出さなければならない存在であり、その在り方は国民の模範と
なるべきである。
しかし、政治と金の問題で国民に多大な不信感を抱かせてしまっていることは、
痛恨の極みというべきである。
国民の政治不信は、国会が定めた法律や制度への不信にもつながる。その様な事態を
防ぐため、政治家は今回の件を深く反省し、襟を正し、不正への抑止力と政治資金の
透明性を高める政治改革を何としても進めなければならない。
そのため、本年1月、岸田総理の指示のもとに政治刷新本部を立ち上げ、
実効性のある措置や法改正に向けて議論を進めてきた。
その結果、制限する「規制」ではなく正す「規正」という意味で、
今回の政治資金規正法改正案を提出できたことは、大きな前進と言える。
ただ、これで全てが解決するわけではなく、やはり政治家はより高い遵法精神と
意識改革、そして強い責任感を持って政治に取り組まねばならず、それこそが
政治への信頼回復の第一歩であると強く申し上げたい。
今回の改正案の主なポイントは次の通り。
①いわゆる連座制の導入により、不正への抑止力を向上させる。
政治団体の責任者が、「自分は知らなかった」と言い訳をしたり、会計責任者に
責任転嫁することができない制度とした。
②不正による資金を政治家の手元に残さないことで、不正への抑止力を高める。
虚偽記載に係る収入の国庫への返納や起訴された場合の政党交付金の交付停止を定めた。
③政治資金の透明性の確保
政治資金パーティー券購入の際の氏名公表基準額を引き下げ、さらに収支報告書の
オンライン提出の義務化やインターネットでの公表などを定めた。
④政策活動費について
記載対象の拡大と、支出に係る「年月」を記載事項として追加した。
⑤外部監査の強化
「派閥」と呼ばれた政策研究団体を国会議員関係政治団体にするとともに、
収入の翌年への繰越金を監査の対象とする。
以上の他、法案の附則では次の事柄の政党間協議も求められている。
・独立性の高い第三者機関の設立とその内容
・政策活動費の上限額の設定と領収書の公開制度
・外国人等による政治資金パーティー券購入の実効的な規制の在り方
・自身が代表を務める政党選挙区支部に対する寄付への税制優遇の適用除外
すなわち、法案成立後もスピード感を持って本改正案に「魂」を入れて
実効性を上げていくことが重要であり、そのための努力が政治家には求められる。
今回の法案審議の中では「政治資金は自由な政治活動を支える重要な基盤であり、
民主主義のコストである。だからこそ、不断の議論が必要」との見解を参考人の
方々からいただいた。
併せて、「政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制し、民主主義を
衰退させることのない様に注意する必要もある」との発言もあった。
この法案の下、国民の皆様からの信頼を回復し、民主主義の発展を促すことが
できる様、我々政治家はより高い意識と責任感を持って、政治改革と意識改革を
成し遂げなければならない。