アクリル画家、北川さんは法隆寺育ち。もちろんローカルな話題に花が咲く。
夜9時。
以前、二度ほどお酒を酌み交わしたアクリル画家である彼のオープニングパーティに
参加した帰り道、またキャンドルの灯に魅せられてフラフラとカフェに立ち寄ってしまう。
元来、夜遊びが大好きときているから、まあ、こればっかりはしかたがない。
ジョッキを頼んで、金曜の夜を目一杯楽しんでいるドイツ人を眺めるだけでも
気分が良くなってくる。
良い気分ついでに、そのまた帰り道、今度はクララ公園で行われていたWASSER FEST
(直訳すれば、水祭り)を見物してきた。
ステージを見ると、出演バンドはジーサン連中だっていうのにとってもカッコいいのである。
いつも、こんなクールな音で体中を漬物のようにしていると、こんなカッコいいジーサンが
出来上がるのか、、、なんて、ワケのわからないことを演奏中、真剣に考えたりした。
それにしても、ドイツ人は熱い。
舞台の袖では、たくさんの客がノリノリのダンスを踊っていた。
でも、中には何を勘違いしたか、天皇皇后両陛下がステップを踏んでいらっしゃる
かのような社交ダンスを披露している方々もいた。
でも、ここはドイツ。
なんでもかんでもOKな土地柄なのである。
ところが、なんでもかんでもOKなんて、日本人にとっては許されないモノがあったのだ。
それは、、、、、打ち上げ花火。
舞台が終わり、今度はゾロゾロとみんな川岸へ集まる。
どうやら、今からクライマックスの花火が盛大に打ち上がるらしい。
静々と6艘のボートが定位置に着く。
流れ出す荘厳な調べ。
そして、ドーン!!
夏の夜空に彩る花火達・・・
ところがどっこいだ。
哀しいほどに崩れた形の花火がドンドンと咲いては散っていく。
そう、散る前からすでに崩れている悲惨さである。
おまけに単色ポッキリだ。
精緻な美しさで万人が思わず溜息を漏らす日本の花火とは、月とスッポン。
そのスッポンを夜空に見上げながら、想うのはやっぱり日本の夏。
美しきニッポン、である。