ライプチヒ歳時記-パーティー



知り合いの誕生日パーティーに家族で出席した。
その当人には内緒でサプライズパーティー、ということで、典子さんという方の家で
ライプチヒ大学生その他もろもろ総勢10名が、息をひそめて彼が到着するのを
いまかいまかと待っていた。
昨年末にナニー係(子供の世話をする人のこと)としてお世話になったアレックスちゃん
手作りの美味しそうなチョコケーキの上には、沢山のロウソクが並べられている。
だけど、当人がなかなか現れないものだから、すでにケーキはロウソクのロウまみれ
になって、サトシとリカが心配そうな顔になっていた。

数分後やっと現れた彼は、みんなの盛大な拍手と歌で迎えられ、びっくりしていたと同時に
とても嬉しそうだった。
そのあと、それぞれに持ち寄った料理の数々を、ワインやビールと共に
みんなでワイワイ楽しく食べて団らんしていた、まさにその時のこと。

「うおおおおおお~~っっっ!!!!!!」
男性陣の雄叫びが上がる。
いったいどうした!
ちょうどその時、私は別の部屋で赤ちゃんと遊んでいたので慌てて皆のいる部屋へ行く。
見ると、向かい側のアパートで、透け透けの窓越しに若い女性がスッポンポンのポンになっている。
彼らの目はもう裸の彼女に釘付けだ。
案の定、ウチのダンナまでが首を30センチほど伸ばして食い入って、るように見えた。
この健全だった誕生日会の部屋が、突如「覗き部屋」と化して・・・・

「いやーマイッタなあ~。ココに野郎がたくさんいるって知ってて、わざと脱ぎやがったナ。」
「毎日この時間にココへ来たら、彼女を見れるかなあ~?」
みんな好き勝手に色んなことを口走っている。

とんだパーティになったが、そろそろおいとましなければ。
リカはすっかり熟睡してソファーに横になってたので、彼女を抱きかかえて
小雪のちらつく夜道を駐車場まで少しだけ歩いた。