ライプチヒ歳時記-雪
ライプチヒの郊外。目の覚めるような真っ白さだ。


ライプチヒに来てから、初めての美容院へ行った。
この10ヶ月の間にお洒落っぽい店へ行ってみよう、と何度か試みたことがある。
でも、在住日本人に聞いてもこんな答えが返ってきたものだ。
「え?美容室?? そうネエ~、年に一回、日本へ帰国した時にしか行かないよ~」
口を揃えていうのにはワケがある。
そう、、、以前、サトシの耳ちょんぎり事件があったが、あれはきっと日常茶飯。
彼らは、日本人のようにあの流れるような手先の繊細さがどうやらカンペキに欠如しているようだ。
例えば、ハサミを縦にいれてカットするとは思い浮かばないようで、ひたすら横へ、
ひたすら直線に切る。
だから、こちらの日本人は帰国した際か、日本人美容師のいるデュッセルドルフ、ベルリン
あたりまで髪を切りに行くしか方法が無い。(そこは日本人が大勢住んでいる)

でもウチの家族は、当分の間、日本へは帰国しない。
それまで山姥のように伸ばし続けるのも、やっぱり嫌だし。
というわけで、この地でカットしようと一大決心する。

ドイツでも日本と同じように、美容室へは前もって予約する。
この店は、学校で一番お洒落なリカのESL担任、ウィメット先生から情報を仕入れた。
彼女のセンスならきっと大丈夫だろう、、、、、、かすかな期待を抱く。

カランカラ~ン♬
ドアを開けると、担当者がにこやかに出迎えてくれた。
ドイツ式の固い握手を交わした後、彼女はさっそくこう言った。
「アナタの名前は、ミドレ、ですか?」
おや? 私の名前が音階になっている。
電話ではどうやら正確に伝わっていなかったようだ。
紙とペンを持っていたので正しい名前を書いた。
でも彼女、東洋人の名前がとにかく難しいらしく、どっちが名(first name)でどっちが姓
(last name)か、さっぱり分からない様子。
三度も聞き直し、やっと理解してくれた。

それから、らせん階段の続く二階へと案内してもらう。
いよいよ、ドイツでの美容院初体験が始まる。ちょっとドキドキしてきた。。

明日へ続く。