ライプチヒ歳時記-はしご車


今日はダンナの会社の工場見学の日だ。
社員の家族が招待されていて、総勢20名が来るらしい。
昨日サトシは、化学工場にいつも待機している消防車のはしご車に乗れる事を聞いて、
思いっきり興奮状態だった。

アウトバーンで30分ほど車を走らせたところに工場がある。
初めて見るダンナの働く場所だ。
施設の中へと案内され、安全メガネにヘルメット、青いジャケットを着用した。
しかしこのジャケット、いくらなんでもデカ過ぎだよ、と受付のオバチャンに
そのまま突っ返したいくらいダブダブ~だった。
だけど、ドイツ人ってどれだけデカイのかが身にしみてよく分かった。

それから、そのジャケットを引きずるようにして皆の後をついていく。
工場見学といっても、パイプが縦横無尽にあるだけでサトシ達には面白くもクソもない。
この後、ドイツ料理のレストランへと招待されていたので、リカには真っ白なスカートを
はかせていたというのに、、、、
そのサトシとリカは、口角泡を飛ばして汗をかきかき説明しているダンナの同僚ミーシャ
(注:オッチャン)のすぐ裏手で、泥水に向かって石を投げ飛ばしケラケラ笑っていたんだった。

約1時間後、黒い水玉模様入りのスカートをはいたリカは、うれしそうにコーラを飲んでいる。
そうか、うれしいのか、、、。薄汚れた格好してたから入店を断られるかと思っていたけど
レストランに入れてよかったね、リカ。

予約していた料理は、これぞ本場のドイツ料理とばかりにシュニッツエル(名前はスゴイが、
ただのトンカツだ)とポテト、それから春の野菜の代名詞、白アスパラガスが勢ぞろいだった。
この地へ越して来てから初めて食べたドイツ料理。
この国の料理はマズイという噂ばかりが先行してたのに、この店はとても美味しくって、
うちの家族は全員大満足だった。
現地で長いこと暮しているミーシャだからやっぱり美味しい店はよく知ってるんだねえ~
なんて事をダンナと話していたら、のんびりとした景色が車のガラス越しにふと見えた。

追記。
40メートルの上空まで延びるはしご車に乗った私たち家族は、だだっ広い草原の広がる
ライプチヒの景色に、ただ圧倒され続けていたのだった。



ライプチヒ歳時記-ドイツ料理