ライプチヒ歳時記

               こんな大通りにも無い横断歩道。


こちらへ引っ越してきてから驚いたことがある。といっても毎日が驚き桃の木、以下カット。
それは、横断歩道がほとんど無い、ということだ。

交差点など主要なところには、大体ある信号機。
だけど、日曜日や祭日にはその信号がうんともすんとも言わない。

向かい側へ行くときには子供達の手をしっかりと握りしめ、「せーの!」で一斉に走り出す毎日だ。
リカがトロいのでサトシは怒ってるし、車には轢かれそうになるしで、
怖い思いをしたことが今までに数回ある。

こちらの人は、車が近くまで来てても平然と歩いている姿をよく見かける。
以前にも書いたようにドイツ人はよく訴訟を起こすので、運転手は最善の注意を払って
歩行者を最優先にする。
だから、そんなに暴走して運転する車はいないのだ。
だけど、道路の両側には車、車、車。まるで車が行進してるような眺めである。
そのせいで視界は悪いわ、車は突っ込んでくるわで、いくら車が歩行者に気をつけている
といっても怖いことには変わりない。

それからドイツの信号機は、日本のように青の点滅で「早いとこ渡っておくれヨ。」と
暗に知らせてくれる親切なものじゃ決してない。
息つく間もなく青から赤に変わるのだ。
ひどいとこだと、渡る時間がわずかに5秒。
杖をついてヨタヨタ歩いているお年寄り達が、たった5秒で歩ける訳ないっちゅーねん。
老人の足にインラインスケート靴でもはかせろというのだろーか。
サトシでも「早すぎやあ~!」と驚いてるってのに。

市民には手厚いケアをしっかりしてるはずのドイツ。
だけど、もうちょっと信号機が増えてくれればいいのにな。
そして今日も「リカ、早く走れよっ!」という息子の合図で、車の来ない合間を見つけて
三人で固く手をつなぎ、一斉に駆け出している火曜日の朝だった。



               街のいたるところで見られる落書き
ライプチヒ歳時記-落書き