水中カメラマンのデスクワークな日々 -452ページ目

隅田川花火大会

 今日は、地元の隅田川花火大会でした。
「隅田川花火大会」は有名な花火大会ですが、実はカメラマン泣かせの花火大会で、都内の真ん中でやるものですから、じっくり三脚を構えて写真を撮る場所がありません。
あったとしても、「絵にならない」場所ばかり。。。
もしくは2~3日前から場所取りでもしないと。。。
というわけで、事務所のある最上階から許可を貰って撮影しました。
花火を楽しむにはのんびりできていい場所ですが、花火写真を撮るには特徴的な前景や背景が無くてちょっとつまらない場所です。

隅田川花火大会

隅田川花火大会

隅田川花火大会

ニコンの露出とキヤノンの露出の大きな差

 私はフィルム一眼レフの時代からずっとNikonの一眼レフカメラを使用してきて、フィルム時代は、ポジ(特にベルビア)を使用していたので、露出の決定は、中央重点測光でマニュアル露出というスタイルを通しきました。

 D100からデジタル一眼レフに移行してからも、中央重点測光でマニュアル露出というスタイルを引き継いで、フィルム一眼レフ時代の測光の感覚がそのままデジタル一眼レフでも適用できていたのです。

 しかし、CanonのEOS 5Dで撮影するようになった時、Nikonの一眼レフカメラにおける中央重点測光でマニュアル露出という感覚がまったく通用しない事に気がつきました。

 つまり、ニコンの一眼レフカメラの測光の感覚で、キヤノンの一眼レフカメラでマニュアル露出撮影すると、失敗するのです。

顕著な例をあげると、
白い被写体(雪景色とか、白砂のビーチとか)を撮る時、写真の基本では、カメラ内蔵の反射光露出計の値にプラス補正(1EV~2EV)をするものです。ニコンの一眼レフカメラでは、この写真の基本に忠実に従って撮影すれば、ほぼ正確に適正露出に追い込む事ができました。

 しかし、CanonのEOS 5Dで撮影する時は、プラス補正してはダメだったのです。
つまり、カメラ内蔵の露出計が示した適正値通りに撮影しないとダメなのです。
場合によっては、適正値通りだと白トビする場合があるので、マイナス補正しないとダメのケースもあります。
 つまり、「白い被写体を撮る時にはマイナス補正しなければならない」という写真理論の根本に反する場合があるのです。

↓Nikonならプラス補正する場合でもCanon EOS 5Dは補正不要↓



 幸い、EOS 5Dはデジカメなので、撮影直後に液晶画面で確認すれば、撮り直しが出来たので、ずっと「変だな?変だな?」と思いながらも「これもニコンとキヤノンの違いなんだろう?」とあまり深く追求する事はしていませんでした。

 いつの間にか、そんな事はどうでも良くなっていたわけですが、
先日のロケでご一緒させて頂いた阿部秀樹 師匠とカメラ談義で盛り上がっていた時、 阿部秀樹 師匠がNikonとCanonの一眼レフカメラ(フィルム)を使い分けていたので、「NikonとCanonの露出の差」話を聞いてみました。

 そうしたら、「フィルム時代のEOSのあるバージョンから、キヤノンの測光(露出)のアルゴリズムが変わって、どんな被写体でも測光(露出)の適正値通りに撮れば、補正は原則的に不要になった」のだそうです。

 これって、技術的には画期的な事かもしれませんが、写真理論をちゃんと勉強してきたカメラマンにとっては大きな迷惑な話です。

 実際にこの事を知らずに、NikonからCanonにカメラを変えたプロカメラマンの中には露出の失敗で、撮影フィルムが全滅した方もいらっしゃるとか。。

 これを聞いて、EOS 5Dがデジカメで、つくづく良かったと思った次第です。

 でも、EOS 5Dに慣れてしまうと、今度Nikonのフィルム一眼レフで撮った時、フィルムが全滅って事になりそうで怖いですね。。

水中プロカメラマンNikon D200よりCanon 5Dを支持

昨年秋にCanon EOS 5Dを導入していたにもかかわらず、先日のロケで初めて EOS 5Dでの水中写真撮影を試みました。

5Dでの水中撮影になかなか踏み切れなかった理由のひとつに水中ハウジング 購入前に、Nikon D200との撮り比べを自分手で行って見たかったからです。

私はD200の前モデルのD100から水中撮影していたわけですし、その以前のNikonのフィルムカメラの時代から、水中撮影機材の環境、交換レンズの環境を全てNikonで揃えていましたから、EOS 5Dを導入したとはいえ、5Dは陸上撮影用、D200で水中撮影というスタイルでもいいかな、と考えていました。

そんな感じで、「水中写真はキヤノンの5Dか? ニコンのD200か?」とずっと気にしていたのですが、自分の手で撮り比べをするまでもなく、周りの水中プロカメラマンから、「ニコンのD200よりキヤノンの5Dだよ」との意見が、多くのプロ連中から聞こえてきました。「D200の方が良かった」という意見は皆無です。

 と、言うわけで、Nikon D200との撮り比べを行う前に、5Dのハウジングを導入した次第です。

 ここで、「ニコンのD200よりキヤノンの5Dだよ」と、多くのプロカメラマンが判断したポイントは何だと思いますか?
 チェック項目が沢山あるわけではなく、比較のポイントは、たった1点のみ、

「水中から広角レンズで撮った太陽の周りの階調表現」


これの描写で、水中デジタルカメラとしての良し悪しが判断されると言っても過言ではありません。

 去年の12月にもブログに書いた内容 ですが、D100がいまいちだったので、D200には多くの水中プロカメラマンが期待していたわけですが、どうやら、期待に通りにはいかなかったようです。

 一方、Canon EOS 5D がどうだったか? というと、ざっと↓のような感じです。

 これをどう判断するかは、人それぞれでしょうが、個人的には、「ポジフィルムの原版の階調には、さすがにまだ及ばないけど、なんとか使えるレベルには達したかな?」というレベルでしょうか。。



↓太陽周辺部を拡大



↓太陽周辺部を拡大


 機材は、SEA&SEAハウジング とポートは、ガラス製のコンパクトドームポート、レンズはCanon純正のEF15mmフィッシュアイ です。


 また、一部の水中プロカメラマンは、ワイドダイナミックレンジモードをもつ富士フィルムのFine Pix S3 Pro を使用している方もいます。
 ワイドダイナミックレンジモードでのダイナミックレンジの広さはEOS 5Dを凌ぐものだそうです。
ただし、欠点もありまして、メモリーへの記録時間が異常に長く、連写すると30秒間待たされるとか。。
あとカメラ部の性能もいまいちです。

 そんなこんなで、水中プロカメラマン達は、結局はフィルムカメラがまだまだメインカメラってのが現状のようです。

Apple Final Cut Pro ユーザーの皆様へ

一昨日、Panasonic DVCPRO HD のユーザーと松下電器の技術者との交流会がありました。
 日ごろは、営業の担当者とのやりとりはあるのですが、技術担当者と直接情報交換できる機会がありませんので、本当にいい機会でした。

 その中で話題に出たもので、「Apple Final Cut Pro 」に関するものです。

Final Cut Proは、AppleのMacintosh専用のビデオ編集ソフトで、プロ用途にも充分使用に耐えうる素晴らしいソフトです。そして、Panasonic DVCPRO HDとの相性も良く、リニア編集機では数千万円するようなハイビジョン(HD)編集環境をMacintoshベースで構築できてしまうのです。

 ただ、問題が無いわけではありません。

それは、Apple Japanのサポートのレベルが低いのです。
関係者の方が読まれていたら恐縮ですが、Appleの将来性に希望を込めて言わせて頂くと「映像のプロを相手に、まともなサポートをできる人材が居ない、ノウハウが無い」そのような印象を私は抱いています。

 結局、何かトラブルが発生しても「Appleの日本のサポートに質問しても無駄だ」と問い合わせする事を諦めてしまい、代わりに松下電器の営業の担当者を通して松下電器の技術担当者から情報(=Apple米国本社からの情報)を頂いて、トラブルを解決していた、というのがここ2年位の現状です。

 最近は、AG-HVX200 を使用してFinal Cut ProでP2から映像を読み込み編集しているわけですが、正直言って、現バージョンのFinal Cut Pro 5.1でP2を扱うワークフローの使い勝手は全然良くありません。P2のメリットは、テープよりスピーディに編集できる事が”売り”だったはずですが、現状のレベルは、テープよりも使い勝手が悪くなっているのです。 これは、Apple(OSXやFinal Cut Pro)の問題もあれば、松下電器(P2)の問題もあるので両者が協力して改善して貰わなければならない問題なのです。

 なので私は技術交流会の場でも、いろいろ要望したのですが、この時、担当者の方に言われた事は「お客様の口から直接、Apple Japanにも、同じ情報、意見を伝えてください」との事です。

つまり、私のように「Apple Japanに言っても無駄だ」とユーザーが意見を言う事を諦めてしまうと、Apple Japanは「現状で何も問題が無い」「改良の必要が無い」と思っていまうのだそうです。松下電器がApple米国本社へ要望しても、Apple Japanが「そんなユーザーの声は無い」と言うと要望が聞き入れられないのだそうです。

 なので、Apple Final Cut Pro ユーザーの皆様へ
 現状の、Appleのサポートに意見しても無駄だと思わないで、トラブルはどんどん報告して、改善要望はちゃんと伝えるようにして行きましょう!

デスクワークの日々再び 

 昨夜、無事帰国しました。

 日本は、すっかり梅雨明けして真夏の日差しを期待していたのに相変わらずの梅雨空にちょっとがっかりですね。

 今週はたまったデスクワークをこなさなければならないので、雨空の方が気分的には割り切れて仕事が捗るのでいいのですが。

 さて、たまったデスクワークの処理の他に、ロケ後の新たな仕事が増えてしまいました。
 それは、ロケで撮影したビデオデータのバックアップ作業。

 AG-HVX200はメモリーカード(P2)にハイビジョンのビデオ映像を記録する為、ロケ先ではそれをハードディスクに保存します。当然のことハードディスクはクラッシュのリスクが大きいので安全の為、別々の2台のハードディスクに保存して、特に重要な映像はさらにもう一台別のハードディスクに保存して、という具合に二重三重の安全策を取らなければなりません。

 ここが趣味と違って仕事で映像を撮る身の辛さですね。

 で、帰国後はそのままほったらかし、ってわけにもいかないわけで、次のロケに備えて、撮影データをまた他のハードディスク等のメディアにコピーしなければなりません。

 P2のビデオシステムは、テープレスの画期的なシステムなわけですが、そうは言っても結局は、テープにバックアップするのが一番安心でして、ロケ後に真っ先にやる作業が、映像データのテープへのバックアップ作業です。

 テープへのバックアップは、PanasonicのAJ-HD1200AというデッキにMACからFireWire経由で直接できるので楽でいいのですが、ハイビジョンのDVCPRO HD 60分テープは1本約3千円もするのです。

 今3.5インチの内蔵HDDなら、1万円ちょっとで300GBの物が買えるわけでして、300GBあれば約300分のハイビジョン映像(DVCPRO HD)が保存できます。テープなら5本で1万5千円分です。

 つまり、映像のバックアップコストは、既にハードディスクの方がテープより割安なんですね。
そうは言っても、ハードディスクは二重三重の安全策を取らなければデータが吹っ飛ぶ恐れがあるわけですが、それを考慮しても、ハードディスクの方が割安になる時代が、もうすぐそこに来ているのですね。