RED ONE v.s.Canon EOS 5D Mark II | 水中カメラマンのデスクワークな日々

RED ONE v.s.Canon EOS 5D Mark II

RED ONEを導入して2週間少々、ちょっと梅雨のような天候が続いてなかなかロケに出かけれずうずうずしているこの頃なのですが、RED ONE導入の旗揚げ?として、「Shot on RED ONE DEMOREEL」を作りました。

Shot on RED ONE デモリール (HQ版)
Shot on RED ONE デモリール (HD版)

さて、表題の「RED ONE v.s.Canon EOS 5D Mark II」
「RED ONEをEOS 5D Mark IIなんかと比べるんじゃない!」とRED ONEユーザーから怒られてしまいそうですが、今日比較するのは、5D Mark IIの動画機能ではなく、5D Mark IIのインターバル撮影(Time-Lapse)した写真のRAWデータから動画化した映像との比較です。

結論から言うと、インターバル撮影(Time-Lapse)動画(4Kサイズ)は、5D Mark IIの方がぱっと見綺麗ですね。
と、言っても考察すべき点は沢山あります。
まず、単純に解像度の件。
RED ONEの4K(16:9)は、4096×2304(944万画素)に対して5D Mark IIは、5606x3744(2100万画素、3:2)
5D Mark IIから4Kの動画を作る場合、2100万画素から944万画素へ縮小するので、解像感は非常に高い4Kの動画か作られます。
RED ONEの4Kをピクセル等倍で見ると、それほどシャキッ!とした解像感ではありません。でも、それは解像度が甘いというのではなく、エッジ処理がなされていない素材のまま、だからです。
RED ONEはRAW DATA記録です。現像処理のソフトによってはRAW DATAの素の状態の映像を見る事ができるのですが、「RAW DATA」の味気なさにびっくりする事があります。
色彩や解像度が味気ないのはまだわかるのですが、「熱ノイズが結構発生している」のです。
もっとも、熱ノイズが目立つのは、夜景をスローシャッターで撮った映像だったので、当然といえば当然なのですが、「RAW DATA」を見ると「まるで星空」という感じの赤や青や白のドットが確認できます。
でも殆どは現像ソフトのデフォルトのままで熱ノイズは消えます。さらにNR(ノイズリダクション)機能でほぼ完璧に消えます。
「熱ノイズ」に関しては5D Mark IIにも同様に発生している現象なのですが、Canonの賢い所は、「ユーザーにバレてしまう前に巧みに消している」ところでしょうか?(でも、時々ボロがでてますが。。)

熱ノイズに関しては、両者ともソフトで処理できるのですが、低照度での暗部のディーテールの再現が両者ともイマイチな感じです。
5D Mark IIは写真としては、高感度に強くノイズの目立たないカメラとして評価されていますが、その写真を並べて動画化すると結構暗部のノイズが目障りなのです。
もともとCMOSというデバイズはノイズに弱い特性(だったはず)を、信号処理技術(=画像処理エンジン)で補っていると私は思っているのですが静止画ではごまかせても、動画ではまだ不自然さが残ってしまうのでは?と、想像しています。
(CCD方式のビデオカメラでゲインアップした時のノイズとは異質なノイズです)
おそらく、そのせいで5D Mark IIの動画は、ノイズが目立ちそうな暗部の階調をばっさり切り捨てて記録している、そんな挙動をしています。
RED ONEの場合、後行程で何かしら処理する方法はあるとは思いますが、これはこれからの研究課題です。

実際、夜景をインターバル撮影(Time-Lapse)で撮り比べて感じた点は、夜景を撮るなら5D Mark IIの圧勝です。
1秒以上のスローシャッターが設定できる、電池が長持ちする、実際の映像も夜景となると5D Mark IIの方が綺麗です。
(もしかしたら、RED ONEで夜景を綺麗に撮る設定を私が知らないだけかもしれません。)

夜景以外で5D Mark IIの方が優れている所は、太陽の軌跡を撮るインターバル撮影でしょう。
ミラーとシャッター幕のおかげで、CMOSの太陽光によるダメージを最小限に抑えてくれるからです。

「夜景」と「太陽の軌跡」以外では、RED ONEですね。
5D Mark IIはシャッター幕方式が今度は仇となり、露出を固定しても1コマ1コマで微妙に露出がバラツキます。(5Dの動画機能やRED ONEは電子シャッターなので大丈夫)
また、RED ONEのTime-Lapse機能は最小1秒からなのですが、1秒以下のTime-Lapse撮影は、バリアブルフレームレートの設定で1フレーム単位で細かく設定できます。
ちなみに、5D Mark IIのインターバル撮影も最小1秒ですが、連写で撮ると約4フレームの撮影が可能です。(ただ、RAW記録は無理)
高速CFを使えば、MサイズのJPEG記録で、確か5分くらいの連写ができたので、「RED ONEのCFを使えばもっと長時間の連写ができるのでは?」と期待して5D Mark IIに入れてみたら、RED ONEのCFは5D Mark IIではフォーマットすら出来ないのです。

もっと大容量のRED ONEのCFが出て来たら、今の16GBを5D Mark II用に二次使用しようかと思ったのですが、無理だったようです。

最後のもう1点。
5D Mark II発売当初、ネットで大問題になった「高輝度の黒点問題」(現状はファームで対応済み)
RED ONEでもありました!!
でも、RED ONE では放置されたままなんですね!?!?
「プロなら黒点問題が発生するような撮り方をするな!」って事でしょうかね。。