RED ONE はパソコン!? | 水中カメラマンのデスクワークな日々

RED ONE はパソコン!?

RED ONEに関しては昨年から展示会や西華産業さんのトレーニングルームでいろいろいじくりまわして来たので、今さらファーストインプレッションではありますが、RED ONEをあまりご存知で無い方の為にファーストインプレッションをまとめてみました。

RED ONEを使ってみて最初に驚くのは、電源を入れてからの起動時間の長さです。
起動に約90秒かかります。(実際計ってみたら70秒程度だったのでやや短縮)

まるでパソコンです。起動中はパソコンの起動画面のようにファームウエアのバージョン、ドライバ?のバージョンが表示されます。

そして電源ON状態では大きなファンが回っています。デスクトップパソコンのようにカメラの発熱をファンで放熱しているのです。
(ただ、録画中はファンが止まり静かになる)
なので、真夏の炎天下で長時間使っていると熱でシャットダウンする事もあるらしい。。でも、再起動で復帰するので、熱暴走で壊れる事は無い、とのことです。(ちなみに、EOS 5D Mark IIはパプアニューギニアの炎天下で動画を撮影中、熱暴走してそのまま二度と復帰ぜず。。)

また、ファンの放熱用の空気穴が本体に沢山空いていたり、各種コネクターの接続端子が本体側面にむき出し状態なので、野外、とくに海辺やボート上での使用は潮風対策が必要です。潮風対策にはレインカバー付けっぱなしがいいのですが、放熱を妨げると熱暴走するので注意が必要ですね。。

発熱やファンで、消費電力が気になる所ですが、標準バッテリー(10.4Ah/153Wh)で約90分とのことですが、実際使ってみて感じた事は、録画している時より録画していない時の方が電池を消耗しているような感じです。MENU操作をいろいろいじっていると結構早く電池が無くなっている印象を受けたのですが、実際いろいろ撮影してみるとそれ程電池の消耗を感じませんでした。
おそらく、録画していない時は常にファンが回っているからなのでしょう。

MENU操作に関しては、慣れれば比較的直感的MENU操作なので、わりとすんなりなじめました。
なによりRED ONEで嬉しい所は、映像がRAWデータで記録される所です。
デジカメのRAW DATAと一緒で、ホワイトバランス、カラースペース、ガンマカーブ、コントラスト、彩度、ISO等等の色作り、トーン全般に関するパラメーターがMETAデータとして記録されるだけなので、撮影時の設定が適当でも、RAW現像処理でいかようにも修正できるのです。
今までのビデオカメラで一番やっかいだった設定(プロの世界ではカメラマンでは無くビデオエンジニアVEという専門家の役割)から開放されたのです。RED ONEの最大の魅力は、4Kの解像度よりも動画のRAW DATA記録ではないでしょうか?

最後に、最もRED ONE のパソコンライクな所はファームウエアのバージョンアップ毎に機能が進化する所です。
最近のデジタル機器ではかなり当たり前のようになってきましたが、ビデオ(ムービー)カメラでファームウエアのバージョンアップで機能がアップするモデルはあまり無いですね。そして、インターネットの掲示板/フォーラム(reduser.net)でユーザーに混じって開発者も一緒に情報交換し合いファームウエアに反映させていく企業の姿勢にも非常に共感が持てます。
日本メーカーでは考えられない事ですね。