駅のホームから見た夕焼け。
ピンクと橙を混ぜてきれいな水で薄めたみたいな色。
ふうわりと金木犀が香って、
たのしいような、せつないような。
ふと見た手の甲が気づかぬうちに乾燥してカサカサになっているのを見て、
なんだか、ずいぶんとおくまで来てしまったなー、これからどこまで行くんだろう、どこに行くんだろう、
なんて、また
たのしいような、せつないような。
秋って空気がどんどん透明になってゆくから、こちらもそんな空気を全身に受けて、どんどん透明になっていくような気がする。
今年の初柿。
うすぼんやり甘くて、やっぱりちょっと秋っぽい味。
佐藤寛子