25年度予算に対する意見開陳 | 佐藤美樹(さとうみき)のサトミキ☆ブログ

25年度予算に対する意見開陳

昨日で第1定例会終了。最終日の本会議で各会派からの25年度予算に対する意見開陳がありました。
「未来あらた世田谷」としての意見をここに記載します。
ちなみに、昨日で「未来あらた世田谷」会派としての1周年でもありました☆

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平成25年度世田谷区予算・各会計全てに賛成の立場から意見申し上げます。
賛成するにあたり、款・項別に要望・意見等申し上げたいところですが、総務管理費・児童福祉費を中心に述べたいと思います。

まず、総務管理費。財務会計システムのシステム改修関連です。委員会では、当システム改修で電子決済化するに際し、不正ログインなど職員ID・権限の管理、チェックについて問いました。特に、各所管での支出命令~送金までの流れにおいて、不正ログインのまま架空の支払いが実行されてしまうようなことはあってはならないので、システム内のID権限情報と実在する職員との照合というようなチェック・監査が重要であると申し上げました。ご答弁ではセルフチェックというようなお話でしたが、不正に関するリスクについてはやはり外部による監査でないと十分にリスクを低減できるとはいえません。現在年次で実施している情報セキュリティ監査(外部監査)での対応を要望します。
 この電子決済化は、「新公会計制度にむけての財務会計システムにおける環境整備の一環」というような説明を何度か耳にしました。確かに対象となるシステムは同じですが、別に複式簿記での記帳(入力)を可能にすることは、電子決済化がなされなくても可能なはずです。「電子決済化によるペーパーレス化は、複式簿記導入と異なり確かな効果・メリットがあるから実行した」という話だと理解しています。
 複式簿記の導入については、以前もとりあげました。なかなか実現が具体化なされないのは、「複式でとらえた財務データが何の役に立つのか、活用できるのかというあたりの実務レベルの納得感がない」からだろうとみています。
ある家族にたとえて話します。お父さん・お母さんが自営で小学生・中学生の子どもがいます。お子ども達が何かせがんだ時のお母さんの口癖は「ウチはお金がない(ん)だから」というもの。この家には自宅以外に空き家と化している別宅があり、子ども達は「別荘もあるのにウチはお金ないの?」と疑問に思っています。
いわゆる手持ちの現金は少ないけれど、現金化できる資産を持っている資産家ーーという話です。この家族が今後、資産活用・投資判断をするためには、当然フロー・ストック両面でとらえた財務データをまず揃えるでしょう。同じような話が区にもあてはまります。先日の三浦健康学園跡地でのリース資産化や様々な複合施設化など、資産を売却しないまでも、さまざまな手法による活用が増えてきており、今後もバリエーションが増えるだろう中、単式・現金会計ではとらえきれなくなっていることは確かです。
「価値を正確にとらえる」ことは会計の基本ですが、そんな原理原則だけでは、「複式簿記を導入した方がメリットがある・活用できる」と腹落ちしない現状ということがよくわかりましたので、今後、また別の機会に具体的な事例を使って提案したいと思います。
 次に児童福祉費―保育関連について述べます。
今定例会を通じて、保育待機児対策・保育施設の整備量の設定についてPDCAサイクルという話をしました。このPDCAのステップごとにさまざま課題について述べたいと思います。
まずPlan―計画部分:21年子ども計画設定時の保育施設の整備目標量では、算出元としたニーズ・人口推計それぞれ現状とずれているので妥当でない、と申し上げました。待機児の緊急追加対策といっても、そもそもの必要量を算出できていないまま手を打っていてはやはり後手に回ります。
Plan-Doの「Do-実行」の部分。0-2歳用の小規模な保育施設の手法を拡充してきている一方で、3-5歳用の受け皿について手を打てていないことを取り上げました。保育の整備についてはさまざまな手法をいかに組み合わせるか、が重要になってきます。保育園保護者で活動するある団体では「0-5歳の完結園だけが絶対なのではなく、0-2歳園の次の受け皿・提携先が決まっていればいいのでは」というような見解を出していました。0-2歳と3-5歳で分けて整備量・手法を検討し、それらの提携もあわせて整備するーというような方向性は、今後の子ども子育て新支援制度導入の際の1つポイントだと考えます。
Plan-do-checkの「Check」の部分。まずは現在の子ども計画での整備目標量の見直しが急務ですが、今後は、年次で整備計画を見直していくようなフローを提案します。
先日、お話しを伺った横浜市では、翌年の保育整備計画の策定に際し、各区の担当者が人口増加をエリア単位で把握した上で整備目標に対するプラス/マイナスを算出し市に提出する、というフローで年次計画を見直していました。本区でいえば、各総合支所単位で保育施設の整備量について目標に対するプラス/マイナスを出すようなフローになるかと思います。保育園入園申込自体が各総合支所の生活支援課窓口であることを考えたら、計画策定時に各支所の生活支援課が何かしら関与するようなフローは実現可能なのではないでしょうか。
27年度に予定されている子ども子育て支援新制度にむけ、これらPlan-do-checkをふまえ抜本的な保育待機児対策の改善アクションをおこしていただきたいと思います。
保育園を整備し「待機児が減りそう」となるとまた区外から流入する人口が増え、申込者増となるので「いたちごっこ」、というような話も耳にしますが、先にあげた横浜市を例にとれば、「待機児ゼロ」予測を打ち出したこの数か月、流入はむしろ減っています。いたちごっこ節は必ずしも成り立たないことを申し添えておきます。
また子ども子育て関連では、在宅育児の大きな支えとなる一時預かりの拡充も重要です。4月から新たに2か所のほっとステイで0歳児預かりが始まりますが、残りのほっとステイでも拡充していただくこと、烏山での病児・病後児施設について開園にむけ着実に整備していただけることも併せて要望します。
 最後に、予算のPDCAサイクルについて述べます。予算というプランを実行した後、決算において各施策の評価をするところまでは、現行、行政評価システムを用いて近い内容を実施しているようです。しかし行政評価システムでの評価結果を次年度のどの予算にどう反映させたのか、予算査定への活用部分について数値化・フロー化できていないのが現状です。
決算内容を次の予算に活かすというプロセスは、複式簿記導入によるメリットの1つでもあります。が、行政評価システムでの評価結果を予算査定に活かすプロセスがないまま導入しても、複式データを活かせないと考えます。今後の複式簿記導入を見据え行政評価システムを予算査定に活かすプロセスが必要である、最後申し上げて私の賛成意見といたします。