終了報告:「子どもの人権擁護機関について」の勉強会 | 佐藤美樹(さとうみき)のサトミキ☆ブログ

終了報告:「子どもの人権擁護機関について」の勉強会

去年12月に条例改正によって制定された子どもの人権擁護機関。

今度の7月1日始動に際し、現在進行中の予算委員会でも当機関についてはさまざまな議論がなされています(23区では、目黒区・豊島区について3番目に機関立ち上げ)。

子ども人権擁護機関の概要:
http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/103/138/d00122689_d/fil/matome-shiryo.pdf


昨年末の条例改正時から、当機関が有効に機能するにはどういう制度設計にしたらいいか、
いろいろと掘り下げてきて、昨日、区内の小学校に子どもを通わせている保護者の方たち数人で勉強会を実施しました。

これまで議会の中ででていた当機関に対する反対意見としては:
--既存のさまざまな相談機関(スクールカウンセラー、子どもテレフォン、BOPの指導員などなど)とどう連携していくのかが不明
--イジメの問題のほとんどは学校が現場。まず現場で解決すべきで、子どもと向き合う時間が取れないような教師の繁忙さを解消することのほうが先決
--現在区の相談機関以外に民間や都の相談機能もあって、それらで足りていないところや課題をまず洗い出してから「補完する機能」としてたちあげるべき、
といったものでした。

一方で、去年の条例改正が可決された翌日に、区内の私立中学校に通う中1の女子中学生(町田市在住)を始め、イジメを苦にして命を絶つような事件が後を絶たない状況。

せっかく立ち上げるわけだから、どういう機能・運用にしたらこの子どもの人権擁護機関が
有効活用されるか、という観点で勉強会(というか意見交換)を実施しました。

その中で、今回の人権擁護機関が機能しそうと思われる内容としては:
--学校内の問題で先生や副校長レベルに話しをしても「何にも動いてくれない」「変わらない」というような事態の場合に(親→相談する先として)機能しそう、という意見。
--先生との関係で問題があった場合に、担任が変わったり・クラスが変わっても子ども側の心の傷は癒えていない。今回の機関の「フォローアップ・見守り機能」に期待、
といったもの。

人権擁護機関があっても解決しない問題として、やはり、先生方のメンタルヘルス問題、
子どもの自己肯定感の低さについても話題になりました。
いろいろ機関設計があっても、やはり一番深刻かつ本質的なのは「心の問題」ということなのかもしれません。