グラスホッパー (角川文庫)/伊坂 幸太郎
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【あらすじ】

「復讐を横取りされた。嘘?」

元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる

瞬間を目撃する。

どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。

鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。

一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの蝉も

「押し屋」を追い始める。

それぞれの思惑のもとに「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の

想いが交錯する時、物語は動き出す!


【感想】
登場人物が殺し屋ばかり…という、なんともブラック

な世界でした。

それでいて物語がどこへ進んでいくのか、予測不能

だったのが、伊坂幸太郎ワールドだなって思いました。

最初のうちは、無関係に思えた点と点が次第に繋がり

線になっていくという構成が、伊坂さんらしいです。

伊坂さんの作品は、他の作品ともリンクするところが

ひそかに面白いです。

今回も登場人物の一人が愛読する小説が、実在する

伊坂さんの別の小説であって、キーワードが引用されて

いました。

ドロドロした殺し屋ストーリーが苦手な人にはおすすめ

しませんが、伊坂幸太郎さんの独特の世界観が味わえる

作品だと思います。