冒頭の写真は、新玉川線…もとい田園都市線駒沢大学駅で撮影した、新型の案内表示装置です。
実はこの新型装置の設置と引き換えに、これまで後ろから照明を照らして列車の接近を知らせてきた「行燈式」の表示器が撤去されるのではないかという噂を聞きつけ、記録のために旧新玉川線区間の3駅をめぐりました。
まずは駒沢大学駅から。
この駅には、東横線ではほぼ姿を消した「行燈式」列車接近表示が残っています。急行通過駅でもあることから、「電車がきます」だけではなく、これに合わせて「この電車はとまりません」という表示も同時に出すことができます。しかも「電車がきます」と「この電車はとまりません」で字の色を違えているところなどは、芸が細かいと思います。
まずは、ただ「電車がきます」の表示。これは停車列車の場合。
シンプル
恐らくですが、これ開業当初からか、遅くとも昭和58(1983)年1月の急行運転開始(このとき、初めて駒沢大学駅を通過する列車が出現した)までには設置されたものと思われます。
こちらが急行通過のときに見ることのできる表示。
字の色が違うのが分かる
しかしこの「この電車はとまりません」の表示、2度ほど現れただけですぐに消えてしまうのですよ。おかげで、撮影には苦労しました(^_^;)
この写真も、1度上り線で失敗した後、下り線に回ってリベンジしています。
次は桜新町。
この駅は通過線があり、通過列車はそちらを通過していくためか、駒沢大学駅と異なり、表示器に「この電車はとまりません」という表示が出ません。
そのためか、駒沢大学駅にあったものよりも小さいものになっています。
「電車がきます」だけ
表示するのがこれだけなので、横の長さも短くなっています。
こちらにもちゃんと「電車がまいります」が出る。
最下段に注目
今はこうした案内表示器で、列車接近の案内もできてしまいますから、独立した案内表示装置は要らなくなってきているのでしょう。まして最近は自動放送もありますし。
桜新町といえば、壁の向こうを通過列車が轟音とともに通過していく光景。
通過列車はホームの両端からなら見える
このときの通過列車が何と、「あの」8606Fだったのですよ! あれには驚きました。長津田にも恩田にもいなかったからおかしいな、とは思っていましたが、まさか運用入りしていたとは。
最後は用賀駅。この駅は、以前に訪れた際「この電車はとまりません」という表示の撮影に失敗したという苦い体験があります(^_^;)
まずは停車列車の「電車がきます」から。
これは撮れる
通過列車はどうかな?
撮ったどー\(^o^)/
やっとリベンジが果たせました。昨年8月以来です。
用賀駅には、階段を下りてホームに出る場所に、↑の案内表示とは別に通過列車かどうかを案内する表示があります。
今回、これも撮影しました。
こちらは赤い字になっている
これは昨年8月の訪問時には気づきませんでした。こちらも撮影はしやすくはありませんでしたが、何とか撮影。
このような行燈型の列車接近表示、以前は東横線などでも見られたものです。東急だけではなく、国鉄でも「今度の電車は〇〇(ひとつ前の駅名)を出ました」というのがあって、それが点灯するともうすぐ列車がやってくるというのがありました。
しかし、列車種別・行先・発車時刻まで表示する案内表示装置の充実・高機能化に伴い、このような行燈式の列車接近表示は少なくなっています。そりゃ、案内表示はひとつあれば足りますし、音声による案内もありますから。
このような表示は、いわば「昭和の鉄道遺産」という面もありますが、駒沢大学駅で新しい装置が設置されていたように、他の駅でも案外早期に撤去されてしまうかもしれません。記録をなさりたい方はお早めに。
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※ 当記事は、投稿日を06/24とします。